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〔I〕著作に関して 書籍編 詳細

1)書籍編

ア、刊行順

 ここでは、梶山季之の著作物のうち「書籍」を刊行順に掲出するに際し、次の要領で行いました。
 【発行年月/書名/出版社名/版型//備考…「連載」などの順で表示するが、書名が収録作品になく、 新たにつけられた場合は「  」書きで区別した。"別掲参照"とある「詳細」部分は、のちほど掲載します。
 "版型"は「単行本」と「新書判」の2種に簡略化した(文庫はその表示で代用)。
 〈表題〉は、中短編集などで、その作品がタイトルになっていることを表わす。 一方、≪表題≫は他社からの刊行を示し、シリーズものや複数の収録などで、その作品が書名となっている場合を示す。 なお、文庫本化など複数(社)の刊行は、順に列挙した。

 次の行の( / / )や≪ / / ≫は、収録作品名などを表わす。
 ★は、同じ書名による他社版や文庫版など(年・月のあとの社名は他社版を示す。 社名がない場合は、最初の出版社のもの)であることを示す。
 ▼は、書名は同じでも収録作品が既存のものと別編成であることを示す。 従って、本表ではそれらの独立した項目はない(「イ、出版社別」に表示)。
 注:配列は、原則として発行順とするが、上下刊、前後編、シリーズものは便宜上、まとめて表示した。

 《「収録作品名等」の表記について》
 ⇒印のあとの"数字""社名""『書名』"は「昭和」あるいは「平成(H)」の年・月に、 ある出版社がその作品を収録して刊行した書名を表す。表記が近接した場合は、年・月を省略した。
 〔  〕や〈  〉、「  」は略称で、要領は次の通り。
 *〔講・傑シ5〕…講談社版「梶山季之傑作シリーズ」(全7巻、1965〜1966)の第5巻に収録を表す。 なお、いずれも程なく新書版が刊行されている。
 *〔集・自選8〕…集英社版「梶山季之自選集」(全16巻、1972〜1973)の第8巻に収録を表す。
 *〔桃・傑作14〕…桃源社版『梶山季之傑作集成』(全30巻、1972〜1975)のうち、第14巻に収録を示す。 なお、ここでも新書版が刊行されているが、本表では省略した。
 *〈ハワイ大学〉…1995(平成7)年5月、ハワイ大学出版局より英文で刊行された『The Clan Records(「族譜」)』に収録されていることを表す。
 *「季節社」…季節社版『積乱雲 梶山季之―その軌跡と周辺』(H10・02)に収録を表す。
 *「朝鮮小説」…川村湊編・解説『李朝残影―梶山季之朝鮮小説集―』(インパクト出版会2002)に収録を表す。
 *「アンソ…」は、別掲の「アンソロジー」リストにおける通し番号により、該当作品の収録書を示す】

 (お断り:年号は西暦を用いるのが一般的ですが、梶山季之は昭和5(1930)年に生まれ、同50(1975)年に没した"昭和の人"ゆえ、 当資料館では和暦を中心としております)

◇自費出版
〈発行年月〉昭和27年02月/〈書名〉「買っちくんねェ」/〈出版社名〉文藝思潮社/〈版型〉単行本//〈備考〉広島時代(22歳)・小学校および大学で同期の坂田稔と共著・短編集 (梶山の収録作品:詰将棋/少年/禪寺秋色/傳説/族譜)

37・02/黒の試走車/光文社/新書判//書下し
 ★47・09〔集・自選2≪表題≫〕⇒48・10角川文庫⇒H2・04光文社文庫⇒H9・01角川文庫(改版)

37・11/朝は死んでいた/文藝春秋新社/新書判//「週刊文春」連載(200枚。出版に際し、すべて書き改める〔約450枚〕)
 ★41・01日本文華社新書判⇒48・01〔集・自選3≪表題≫〕⇒54・01文春文庫

37・12/赤いダイヤ(上)・38・04(下)/集英社/単行本//「スポーツニッポン」連載
 ★39・08集英社新書版(上)・39・09(下)⇒41・03東都書房〈現代文学13〉⇒47・12〔集・自選1≪表題≫〕⇒50・02角川文庫(鬼に金棒編・猫に大判編)⇒H6・01集英社文庫(上・下)

38・02/夜の配当/光文社/新書判//「週刊朝日」連載
 ★48・01〔集・自選4≪表題≫〕⇒54・04角川文庫⇒H6・04徳間文庫

38・06/「常陽銀行事件」/アサヒ芸能出版(⇒徳間書店)/新書判//"ドキュメント・日本の地下水" //表題作は37・06「オール讀物」掲載(←詐欺師マダム"常陽")
(常陽銀行事件/ストライキの果て/白い共産部落/ヤクザの勲章(←浜松市街戦)/不死鳥(←財閥の争議委員たち)/赤線深く静かに潜行す/「与路の獣」島)

38・08/李朝残影/文藝春秋新社/単行本//表題作は38・04「別冊文藝春秋」掲載(第49回〈昭和38年上半期〉直木賞候補作品)
(ある復讐/地面師/歪んだ栄光/族譜/李朝残影)
 ★53・01講談社文庫

38・09/SEXスパイ/集英社/単行本//第1,2話は「小説中央公論」に、第3話は「別冊週刊漫画TIMES」に掲載(あとがき…別掲参照)
(第1話・赤い妖精,第2話・令嬢作戦,第3話・人魚の恋/真昼の孤独/亀裂のなか)
 ★40・08〔講・傑シ2≪表題≫〕⇒41・10集英社新書判⇒47・09〔集・自選13≪表題≫〕

38・09/青いサファイア/講談社/単行本//「スポーツニッポン」連載
 ★40・04新書判⇒48・02〔集・自選12≪表題≫〕⇒51・03角川文庫

38・12/実力経営者伝/講談社/単行本//「小説現代」シリーズ
 ★60・11徳間文庫ノンフィクション選集2《雑誌掲載11名→単行本は収録10名、この文庫は8名に》

38・12/夢の超特急/光文社/新書判//書下し
 ★47・10〔集・自選7≪表題≫〕⇒50・06角川文庫

39・05/都会の湖/角川書店/新書判//「週刊平凡」連載
 ★40・09日本文華社新書判⇒44・08桃源社新書判⇒50・01集英社新書判⇒60・12祥伝社文庫「華やかな罠」に改題

39・05/のるかそるか/文藝春秋新社/新書判//〈学芸通信社〉配信・新聞連載小説
 ★47・08サンケイ新聞社出版局⇒52・07集英社文庫

39・05/成功者の椅子/アサヒ芸能出版/新書判//「オール讀物」連載(村島健一と共著)
(梶山執筆分…山崎峯次郎/山田泰吉/坂井泰子/石田実/片山豊/内田憲民)

39・06/海の薔薇は紅くない/集英社/単行本//「週刊明星」連載
(☆40・12「黒い船渠」と改題…同項参照)

39・07/虚栄の館/サンケイ新聞出版局/新書判/「週刊サンケイ」連載「調査資料(秘)」シリーズ
≪夜の凶器/怪文書/女蕩し/眩い巨塔/ある盲点/引き抜き秘法/一匹狼/虚栄の館≫
 ▼46・10サンケイ新聞出版局『虚栄の館』は別編成 ▼49・05〔桃・集成20〕は別編成 ★63・02徳間文庫
39・12/甘い樹液/サンケイ新聞出版局/新書判//「調査資料?」シリーズ
≪蠢く季節/開通式/消えた株券/目には目を/談合入札/昭和の忍法/甘い樹液≫
 ▼42・11秋田書店新書版は別編成 ★63・10徳間文庫
40・07/白い廃液/サンケイ新聞出版局/新書判//「調査資料(秘)」シリーズ
≪光と影/総会ゴロ/ある倒産/消えた男/兜町の黒い霧/ソウルに死す/偽装心中≫
 ▼49・07〔桃・集成21〕は別編成 ★H1・02徳間文庫

39・08/囮/光文社/新書判//「紳士読本」連載(中断のち加筆)
 ★46・03河出ベストセラーズ「梶山季之の快美感覚」所収⇒47・10〔集・自選7≪表題≫〕⇒61・11光文社文庫版

39・08/影の凶器/講談社/単行本//「新週刊」連載(13回で中断のち大幅加筆)
 ★40・12新書版⇒44・01講談社〈現代長編文学全集48〉「梶山季之」⇒47・11「アンソ28」所収⇒48・03〔集・自選6≪表題≫〕⇒51・11講談社文庫版⇒H8・12講談社文庫版〈大衆文学館〉

39・10/知能犯/桃源社/新書判//「別冊漫画サンデー」連載「知能犯シリーズ」
≪エイプリル・フールの犯罪/ある悪女/富豪未亡人の恋/盥まわし/ニンベンの魔術師たち/九連宝燈/女優志願/恐るべき頭脳/脱税の季節/二字国俊≫
 ★49・04〔桃・集成27〕⇒62・07徳間文庫

39・11/「四つの性」/冬樹社/単行本
(第一の性 一匹狼/第二の性 男の階段/第三の性 瀬戸のうず潮/第四の性 怪文書/終章 どんでんがくる)

39・12/悪女の条件/光文社/新書判//「二人自身」連載「砂の階段」を改題
 ★57・12角川文庫⇒H6・09ケイブンシャ文庫

39・12/女の斜塔(愛欲篇)・41・02(復讐篇)/集英社/新書判//「女性明星」連載
 ★47・11〔集・自選5≪表題≫〕⇒56・12文庫版(1巻)

40・01/暗い花道/文藝春秋新社/新書判//「オール讀物」シリーズ(12話)
≪栄転の断面/ある憎悪/犬猿の仲/妾の整理/天才児の背後/倒産屋/アパッチ族/幻の怪盗/死神に憑かれた/蜘蛛の館/歪んだ三角/院長追放≫
 ★49・03〔桃・集成22≪表題≫〕 ▼51・11廣済堂出版新書判「黒の花道」は別編成(11話まで) ▼H4・06徳間文庫版『暗い花道』は別編成(11話まで)

40・02/紫の火花/講談社/単行本//「週刊女性」連載
 ★41・03新書版⇒48・03〔集・自選9≪表題≫〕⇒56・04講談社文庫版(上下)

40・07/罠のある季節/文藝春秋新社/新書判//「週刊文春」連載
 ★48・02〔集・自選10≪表題≫〕⇒52・11文春文庫⇒H7・06徳間文庫

40年7月から41年1月にかけて、講談社より「梶山季之傑作シリーズ」(全7巻)が刊行され、かつ新書版も出されている。(あとがき…別掲参照)
40・07/〔1〕ある復讐 ★42・05新書版
(風のない月夜・悪の勇者・ある復讐・モチは餅屋・落下する浮気・一匹狼)
40・08/〔2〕SEXスパイ ★42・08新書版(「男の階段」に改題)
(SEXスパイ〈1,2,3〉/亀裂のなか/男の階段/ある事故死)
40・09/〔3〕詰め腹 ★42・06新書版
(遺書のある風景/裏口入学/四本目の鍵/唇さむし/現代の忠臣蔵/詰め腹)
40・10/〔4〕風変りな代償 ★42・07新書版
(電波が殺した/怪文書/風変りな代償/恋のかなしさ/一押し二金/地面師)
  ▼58・04角川文庫『風変りな代償』は別編成
40・11/〔5〕歪んだ栄光 ★42・07新書版
(歪んだ栄光/闇船/合わぬ貝/李朝残影/幻聴のある風景/性欲のある風景)
40・12/〔6〕冷酷な報酬 ★42・06新書版
(罠にかけろ/カードは一度戻ってくる/どんでんがくる/冷酷な報酬/紐育から来たスパイ/ポケット作戦)
41・01/〔7〕暗闇の女 ★42・05新書版
(真昼の孤独/暗闇の女/瀬戸のうず潮/PR犯罪の蔭に/裂けた腕/俺が殺した/からまわり/離婚成金/残忍な紳士)

40・08/非常階段/光文社/新書判//「週刊漫画サンデー」連載
 ★46・03河出ベストセラーズ「梶山季之の快美感覚」⇒48・01〔集・自選4≪表題≫〕⇒54・07角川文庫⇒H6・12徳間文庫

40・10/小説浮気考/サンケイ新聞出版局/新書判//「サンケイスポーツ」連載「浮気考」
 ★43・08廣済堂出版⇒51・06廣済堂出版⇒H1・04廣済堂文庫−男と女の心模様

40・10/どんと来い/桃源社/新書判//「大和ニュース」連載
 ▼57・05角川文庫版『どんと来い』は別編成 ▼H7・09ケイブンシャ文庫版は別編成

40・12/「女の踏絵」/講談社/単行本
(やどかりの詩/憑かれた女/夜のプリズム/白い炎の女)
 ★42・01新書判⇒H1・11集英社文庫

40・12/黒い船渠/集英社/新書判//同社39・06『海の薔薇は紅くない』を改題(→同項参照)
 ★48・02〔集・自選10≪表題≫〕⇒54・12文庫版

41・02/狂った脂粉/光文社/新書判//「時」連載
 ★48・03〔集・自選6≪表題≫〕⇒62・01光文社文庫版

41・02/虹を掴む/講談社/単行本//「婦人画報」連載
 ★42・03新書版⇒44・01講談社〈現代長編文学全集48〉「梶山季之」⇒46・09弘済出版社⇒58・02角川文庫

41・02/松田重次郎/時事通信社/新書判//〈一業一人伝〉書下し

41・05/悪人志願/講談社/単行本//「週刊現代」連載
 ★42・03新書判(上下)⇒47・11〔集・自選11≪表題≫〕⇒50・08角川文庫(上・どさくさまぎれ編、下・人生はすべて演技だ編)

41・06/てやんでェ/光文社/新書判//〈学芸通信社〉配信・新聞連載小説
 ★60・10文庫版(上下)

41・11/浮気心の旅/文藝春秋/新書判/エッセイ//表題作は「週刊文春」連載
(浮気心の唄/浮気心の旅)
 ★63・05角川文庫

42・01/ある秘書官の死/光文社/新書判//表題作は41・07「別冊宝石」掲載
(ある秘書官の死/ライバル/スクープの内幕/黒の燃焼室/甘い廃坑)
 ▼H1・10光文社文庫版『ある秘書官の死』は別編成

42・02/「完全犯罪」/桃源社/新書判
(男の階段/瀬戸のうず潮/一匹狼/怪文書/どんでんがくる)

42・03/遊戯の報酬/講談社/単行本//表題作は41・03「小説現代」掲載
(転落の記/あるヒモの告白/遊戯の報酬/流浪の人/とろんころん)
 ★43・02新書判 ▼62・06ケイブンシャ文庫『遊戯の報酬』は別編成

42・03/離婚請負業/秋田書店/新書判//表題作は41・12「オール読物」掲載
(離婚請負業/香港の光と影/湖底の賭/美女と野獣譚/青い蛾/失脚のカルテ/背徳の倫理/男の誇り/綱島心中)
 ▼H1・06ケイブンシャ文庫『離婚請負業』は別編成

42・04/生贄/徳間書店/単行本//「アサヒ芸能」連載

42・05/五年まえの女〈ひと〉/桃源社/新書判//「女性自身」連載
 ▼59・04角川文庫『五年まえの女』は別編成

42・05/女の警察/新潮社/単行本//「週刊新潮」連載
 ★47・09〔集・自選13≪表題≫〕⇒S50・04総革張⇒56・01文庫版⇒H14・02オンデマンド版

42・06/「虚像の女」/桃源社/新書判
(混血の娘/恋の代償/呪われたベッド/殺人スコアー・ブック/愛の航路は虚しく/事件の夜/空気を抜く/香里ケ丘夫人/よろめきの季節/愛情の領収)

42・08/作戦―"青"/文藝春秋/新書判//表題作は42・06「オール読物」掲載
(作戦―"青"〈ブルー・オペレーション〉/"火消し"新八/なせばなる/石部金吉の勝利/小説 松永安左衛門)

42・08/敵はどいつだ(愛欲篇)、43・02(復讐篇)/集英社/新書判//「プレイボーイ」連載
 ★60・01文庫版(愛欲篇・復讐篇)

42・10/傷だらけの競走車/光文社/新書判//「別冊宝石」連作
(第1部 四十二号アルプスに消ゆ/第2部 キリマンジャロの黒い雪/第3部 紺碧海岸の怪/第4部 モンテ・カルロの死闘)
 ★47・09〔集・自選2≪表題≫〕⇒53・07角川文庫

42・10/白い廃液/秋田書店/新書判//「調査資料(秘)」シリーズより
≪蠢く季節/開通式/消えた株券/目には目を/昭和の忍法/光と影/消えた男/兜町の黒い霧/ソウルに死す/偽装心中≫
 ▼40・07サンケイ新聞出版局新書版『白い廃液』とは別編成

42・11/赤い妖精/桃源社/新書判//表題作は37・07「小説中央公論」掲載
(赤い妖精〈SEXスパイ〉/令嬢作戦〈続SEXスパイ〉/カードは一度戻ってくる/現代の忠臣蔵/風のない月夜/風変りな代償)

42・11/甘い樹液/秋田書店/新書判//「調査資料(秘)」シリーズより
≪夜の凶器/怪文書/女蕩し/眩い巨塔/ある盲点/引き抜き秘法/一匹狼/虚栄の館/談合入札/甘い樹液≫
 ▼39・12サンケイ新聞出版局新書版とは別編成 ★63・10徳間文庫

42・12/一押し二金/桃源社/新書判//表題作は39・04「別冊文藝春秋」掲載
(一押し二金/亀裂のなか/四本目の鍵/悪の勇者/ポケット作戦/ある復讐)

42・12/一匹狼の唄/実業之日本社/新書判//「週刊漫画サンデー」連載
 ★56・11角川文庫(上下)

43・02/蜜の味/光文社/新書判//表題作は43・01「宝石別冊」掲載
(贋の季節/蜜の味/勝てば官軍/海師ボルギュウ/ババ抜き/疑獄の発生/乗取りの背景)

43・02/わがおんな考/徳間書店/新書判/エッセイ//「アサヒ芸能」連載「オンナ考」

43・02/ペテン師物語/桃源社/新書判//表題作は「週刊税のしるべ」連載
(ペテン師物語/なんでも来い/ある陥穽/名誉毀損)

43・04/「快楽の実験」/河出ベストセラーズ/新書判/"エッセイ―おんなの味覚旅行―"(あとがき…別掲参照)

43・04/苦い旋律(前篇)・43・08(後編)/集英社/新書判//「女性セブン」連載
 ★47・10〔集・自選14〈表題〉〕⇒57・08文庫版(1巻)

43・07/夜のGHQ/桃源社/新書判//表題作は39・2・10「週刊文春」掲載
(ミシガンから来た忍者/人間蒸発/悪徳商法/赤線ついに復活す/学生の新商法/神話 鳥尾夫人/夜のGHQ/ラバウル海賊隊)

43・07/鱶のような紳士/集英社/新書判//「報知新聞」連載
 ★62・06文庫版

43・08/ハレンチな女/徳間書店/新書判//
(コーポラスの恐怖/乗取りの背景/呆れた女/名器の女/破廉恥な女)
 ▼H6・02ケイブンシャ文庫「破廉恥な女」は別編成

43・08/夜の専務/講談社/単行本//表題作は43・04「別冊小説現代」掲載
(夜の専務/白のパーティ/愛妾下賜/色の苦労/甘美な誘拐/奇跡の夜/泥棒猫)
 ★45・03新書版 ▼H4・06ケイブンシャ文庫『夜の専務』は別編成

43・08/女豹/報知新聞社/新書判//表題作は43・04「小説新潮」掲載
(女豹/不倫三重奏/消えた火縄/情事の部屋/狙った女に/小説 カルーセル麻紀/冬に来た恋/アロハ・ハワイ/教育ママ)

43・10/色魔(青春篇)・44・05(怒濤篇)・45・01(完結篇)/徳間書店/単行本//「アサヒ芸能」連載
 ★57・03,04,05文庫版(青春篇・怒濤篇・完結篇)

43・10/わが鎮魂歌/講談社/単行本//「現代」連載
(放蕩の酒/遺書のある風景*/破瓜のとき/絶望と鮮血と/妄想の臥床/新思潮のころ)
 ★48・04〔集・自選8≪表題≫〕⇒62・04講談社文庫(*同名の短編〔52〕…38・04「別冊小説新潮」にあり)

43・10/はれんち作戦/桃源社/新書判//表題作は43・08「ポケットパンチOh!」掲載
(はれんち作戦/軽井沢秘密クラブ/サイケの世界/サブの犯罪/悪食/ある遭難)

43・10/薔薇の咲く道/集英社/新書判//「婦人生活」連載
 ★62・09角川文庫

43・12/現代悪女伝/講談社/単行本//「小説現代」シリーズ
≪白桃女/原色の女/嘘つきの天才/鵜匠の女/こんな女に/官僚の敵/バラバラの女/閨秀志願/不倫な姑/良妻賢母/鹿追い蘭子/新宿あまぞん族≫
 ★45・03新書判⇒48・12〔桃・集成25≪表題≫〕⇒59・06講談社文庫(性の深淵・欲望の罠)

43・12/新説・色くらべ/集英社/新書判//表題作は43・03「小説新潮」掲載
(新説・色くらべ/怠慢なり宣伝部長/上陸作戦は終わりぬ/幻の五社協定/寒い夏)

44・01/人妻だから/光文社/新書判//「女性自身」連載
 ★61・01文庫版

44・01/梶山季之 虹を掴む・影の凶器/講談社/単行本//〈現代長編文学全集48〉

44・02/男を飼う(鞭と奴隷の章)・44・08(蛇と刺青の章)/集英社/新書判//「週刊明星」連載
 ★H2・12文庫版(鞭と奴隷の章・蛇と刺青の章)

44・02/京城〈ソウル〉昭和十一年/桃源社/単行本//表題作は43・10「小説現代」掲載
(京城昭和十一年/性欲のある風景/闇船/族譜/李朝残影/俺は半島人―小説・金嬉老―)

44・03/京都の女/徳間書店/新書判//「問題小説」<全国制覇女シリーズ>
≪札幌の女/長崎の女/京都の女/広島の女/新潟の女/博多の女≫
 ▼61・06徳間文庫「日本女地図1 京都の女」は並べ替え別編成(2〜4も同様、ただし「広島の女」は未収録)
44・09/「モ−レツな女」/徳間書店/新書判//「問題小説」<全国制覇女シリーズ>
≪横浜の女/花巻の女/金沢の女/高知の女/神戸の女/鹿児島の女≫
45・03/「メロメロの女」/徳間書店/新書判//「問題小説」<全国制覇女シリーズ>
≪名古屋の女/米沢の女/尼崎の女/水戸の女/釧路の女/大阪の女≫
45・10/「バツグンの女」/徳間書店/新書判//「問題小説」<全国制覇女シリーズ>
≪白浜の女/松江の女/浜松の女/青森の女/松本の女/宮崎の女≫

44・03/海の殺戮/文藝春秋/新書判//表題作は42・10「別冊小説新潮」掲載
(海の殺戮/チャスラフスカを盗め/塞翁が馬/ゴロツキ新聞/小説 防衛庁)

44・04/野望の青春/実業之日本社/新書判//「週刊漫画サンデー」連載の「出世三羽烏」改題
 ★56・11角川文庫(上下)

44・04/ほい ほい ほい/桃源社/新書判//表題作は44・01「別冊小説新潮」掲載
(ほい ほい ほい/銀座祭り殺人事件/不良少年/プールサイドにて/ちりぬるを/知恵の世の中)

44・04/お待ちなせえ(日本脱出編)・44・05(さらばパリ編)/光文社/新書判//〈学芸通信社〉配信・新聞連載
 ★47・12〔集・自選15≪表題≫〕⇒57・01角川文庫(上下)

44・04/「性科学XYZ」/集英社/新書判//(詳細は別掲参照)

44・05/性欲のある風景/光風社書店/単行本//表題作は33・02「新思潮」掲載
(亀裂のなか/遺書のある風景/第二の犠牲者/風のない月夜/性欲のある風景/食欲のある風景/幻聴のある風景)
 ▼60・07河出文庫版『性欲のある風景』は別編成

44・06/人間の探検/ベストセラーズ/単行本//『宝石』「人間の探検―性の秘境を発掘する―」シリーズ(あとがき…別掲参照)
≪失神/名器/精力/名刀/媚薬/処女/体毛/体臭/音声/性具/レスビアン/秘本≫

44・07/偽装結婚/講談社/単行本//表題作は44・02「小説現代」掲載
(偽装結婚/瓢箪から駒/妄想日記/たった二十弗で/ラッキーボーイ)

44・09/美男奴隷/光文社/新書判//「女性自身」連載
 ★62・05文庫版

44・09/昭和元禄女大学(青い渦の章)・45・02(紅い焔の章)/集英社/単行本//「プレイボーイ」連載

44・10/と金紳士(歩の巻)・44・11(金の巻)・45・10(海外雄飛の巻)・46・07(王手飛車の巻)/文藝春秋/新書判//「週刊文春」連載
 ★55・12角川文庫(歩の巻・金の巻)、56・02角川文庫(海外雄飛の巻・王手飛車の巻)

44・11/濡れた銭/サンケイ新聞出版局/単行本//「週刊サンケイ」連載
 ★46・08<サンケイノベルス版>単行本⇒57・07角川文庫(上下)

44・11/「買わないで!」/桃源社/新書判/エッセイ//(詳細は別掲参照)

44・11/密閉集団〈小説太平洋大学〉/光文社/新書判//「別冊宝石→小説宝石」連載
 ★48・04〔集・自選16≪表題≫〕

44・11/青い群像〈小説全学連〉/集英社/新書判//「小説セブン」連載
 ★48・04〔集・自選16≪表題≫〕

45・03/青い旋律/集英社/新書判//「女性セブン」連載
 ★63・12文庫版

45・04/犯罪日誌/新潮社/単行本//表題作は44・06「小説新潮」掲載
(人生だあッ/犯罪日誌/狂い咲き/腐乱死体の場合は/名士劇殺人事件)

45・04/くんずほぐれつ(前編)、45・09(後編)/集英社/新書判//「週刊ポスト」連載

45・04/「びかたん」/光文社/新書判// //表題作は45・02「小説宝石」掲載(←「鼻下短受唇片靨」)
(第1部 ああ、通り魔/ちょっとご免よ/ピンピン太郎/第2部 お先に失礼!/すってんころりん/バーゲンセールやでェ/第3部 鼻下短受唇片靨/筆おろし大明神/泣き泣きの壷)
 ★57・09角川文庫「びかたん・うけくち」と改題

45・06/「遊びの冒険」/桃源社/新書判//《梶山式人生読本》//(詳細は別掲参照)

45・06/えろぐろ軟扇子/講談社/単行本//表題作は44・10「小説現代」掲載
(えろぐろ軟扇子/やったぜベイビー/あとの二人が損をする/密造酒/女中仮面)
 ★48・10新書版

45・07/賭ける男/桃源社/新書判//表題作は44・06「小説エース」掲載
(刺青専務/アンコ野郎/ぴんく堂々/馬鹿野郎/ちゃらんぽらん/黒子人生/道路を食った男/賭ける男)

45・08/すけこまし(大望篇)・46・01(完結篇)/徳間書店/単行本//「アサヒ芸能」連載
 ★59・08文庫版(上下)

45・09/銀座遊侠伝/文藝春秋/新書判//「オール讀物」連載
(銀座遊侠伝/新橋市街戦/泣くな小鳩よ/歯には歯を/正邪の剣/英雄の死)
 ★60・04徳間文庫

45・10/「名人にて候」/徳間書店/単行本//「宝石」掲載の「浮気の名人」を除き、「別冊サンデー毎日→小説サンデー毎日」連載「名人シリーズ」
≪浮気の名人/ゴムの名人/蒸発の名人/居候の名人/離婚の名人/出世の名人/詐欺の名人/スペシャルの名人/アリバイの名人/乱交の名人/ラジオの名人/捜索の名人/掃除の名人/ヒモの名人/葬儀の名人/株価の名人/偽作の名人/啼き鶯の名人/取材の名人≫
 ★46・05徳間書店「巷談名人列伝―へんな紳士たち―」と改題⇒48・10〔桃・集成26〕⇒60・01徳間文庫「名人にて候」(上下)に改題

45・10/「奇妙な人たち」/講談社/単行本//「現代」シリーズ「現代奇人伝」
≪男は度胸/さっく一代/ダッチワイフ名人/ブルー・フィルム先生/ケチの天才/美女を縛って30年/金も女もでっかい奴≫
 ★50・09新書版

45・12/エアー(前編)・46・05(後編)/集英社/単行本//「スポーツニッポン」連載
 ★新書版47・05関白亭主・志願(エアー前編)・47・06試用女房・募集(エアー後編)⇒63・03文庫版「関白亭主・志願」(前編・後編)

46・02/見切り千両/講談社/単行本//「別冊小説現代」連作《45・07掲載分…第2回小説現代ゴールデン読者賞受賞》(詳細は別掲参照)
 ★48・04新書判⇒59・06集英社文庫

46・03/「梶山好色機械学・根ピューだあ」/徳間書店/単行本//「ポケットパンチOh!」連作〈コンピューター職業小説〉
≪三つの壁/狂った結婚/歯車の妻/追い落とし作戦/欺され人生/溷濁の夜/怪我の功名/喪ったもの/蝉しぐれ/復讐の失敗/運命の皮肉/ある蒸発≫
 ★49・03〔桃・集成22〕⇒51・06グリーンアロー社単行本⇒59・07角川文庫

46・03/「梶山季之の快美感覚」〈囮・非常階段〉/ベストセラーズ/単行本

46・03/現代悪妻伝/新潮社/単行本//「小説新潮」シリーズ
≪しごき妻/出入り妻/幼な妻/倹約妻/淫乱妻/黒人妻/虚言妻/美容妻/異常妻/白人妻/酒乱妻/道楽妻≫
 ★49・04〔桃・集成27≪表題≫〕⇒61・04講談社文庫

46・03/逃げるが勝ち/実業之日本社/新書判//「週刊漫画サンデー」連載
 ★57・02角川文庫(上下)

46・04/罠の淑女/桃源社/新書判//表題作は45・5・20「週刊新潮」掲載
(レスビアン殺人事件/二重結婚者の手記/ラッシュ・アワーの天使/罠の淑女/そろそろ行こか/人間文鎮/ニャロメ人生/結構ですな)

46・04/うぶい奴ら/祥伝社/新書判//「週刊ポスト」連載
 ★60・11文庫版

46・05/やらずぶったくり(やらずの巻)・46・10(ぶったくりの巻)/集英社/新書判//「週刊明星」連載
 ★61・11文庫版(やらずの巻・ぶったくりの巻)

46・07/流れ星の唄/桃源社/単行本//「週刊実話」連載
 ★58・05角川文庫(上下)

46・09/「女巡拝記」/徳間書店/単行本//「問題小説」シリーズ
≪国内篇…岩国の女/別府の女/函館の女/新宿の女/銀座の女・海外篇…ソウルの女/ホンコンの女/バンコクの女/ラスベガスの女/ロサンゼルスの女/モスクワの女/モンパルナスの女≫
 ★H5・06文庫版

46・09/にぎにぎ人生(疾風怒濤篇)・47・03(獅子奮迅篇)・47・11(猪突猛進篇)・48・06(大願成就篇)/集英社/新書判//「プレイボーイ」連載
 ★60・08文庫版(第1部・上下)・60・11文庫版(第2部・上下)

46・10/虚栄の館―津村 公『ブラック・リポート』―/サンケイ新聞出版局/単行本//ノベルス版
≪夜の兇器/怪文書/女蕩し/眩い巨塔/一匹狼/虚栄の館/消えた株券/談合入札/総会ゴロ/ソウルに死す≫
 ▼39・07サンケイ新聞出版局『虚栄の館』とは別編成

46・12/カポネ大いに泣く/講談社/単行本//表題作は46・07「小説現代」掲載
(カポネ大いに泣く/ルーズベルト大いに笑う/これにて一件落着)
 ★59・02角川文庫『カポネ大いに泣く』は別編成

46・12/みんな黙れ(天の章)・47・03(地の章)/徳間書店/単行本//「アサヒ芸能」連載<小説総会屋>
 ★58・11文庫版(天の章・地の章)

46・12/鞭をふるう女/桃源社/単行本//表題作は46・05「オール読物」掲載
(鞭をふるう女/不良少年/ケチの天才/有閑マダムと少年/PR犯罪の蔭に/悪の勇者)
 ★H2・08ケイブンシャ文庫

47・01/妖しい花園/集英社/単行本//「主婦の友」連載
 ★47・02 <函・サイン入り>単行本⇒48・08新書版⇒63・03祥伝社文庫『妻たちの魔刻』に改題

47・02/「ポルノ聖談」/祥伝社/新書判//「週刊ポスト」連載「梶山季之ポルノ対談」

47・02/ぴらめんねェ/光文社/新書判//「宝石」+「小説宝石」連載

47・04/彫辰捕物帖(一)/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(刺青渡世/四ツ目屋事件/隠し彫/旗本屋敷/おとこおんな)
 ▼49・02〔桃・集成19〕は別編成 ▼61.05光文社文庫『彫辰捕物帖』は別編成 ★H1・02/彫辰捕物帖(一)/徳間文庫
47・06/彫辰捕物帖(二)/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(蜜蜂責め/若衆道/お抱え力士/日光街道の怪/白魚の祟り)
 ★H1・11/彫辰捕物帖(二)/徳間文庫
47・09/彫辰捕物帖(三)/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(正室争い/辻斬り/ガエン者殺し/破戒僧)
 ★H1・12/彫辰捕物帖(三)/徳間文庫
48・03/彫辰捕物帖(四)/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(アダムズの失踪/愛妾殺人/金魚蘇生術)
 ★H2・01/彫辰捕物帖(四)/徳間文庫
48・10/彫辰捕物帖(五)/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(富くじ/恐喝三百両/島抜け犯)
 ★H2・02/彫辰捕物帖(五)/徳間文庫
49・04/彫辰捕物帖(六)妙姫の謎ほか/読売新聞社/単行本//「週刊読売」シリーズ
(妙姫の謎/妾候補/蘭盗人/彫辰の終焉)
 ★H2・03/彫辰捕物帖(六)/徳間文庫

47・04/許して、あなた/徳間書店/単行本//表題作は46・11「小説宝石」掲載
(許して、あなた/ヒイヒイの女/恋は曲者/パクパクの女/踏んだり蹴ったり/ベトベトの女/あと始末屋/インチキの女)

47・05/青の執行人/桃源社/単行本//表題作は45・10「小説現代」掲載
(小説三億円事件/謀略の背景/青の執行人/小説 富士銀行事件/銀行から消えた/歪んだ罠/狂気の沙汰/グアム島美人モデル殺人事件/有閑マダムと少年)

47・05/梶山季之のあたりちらす/サンケイ新聞出版局/単行本//「夕刊フジ」連載(詳細は別掲参照)
(第1章 女について/第2章 酒について/第3章 遊びについて/第4章 食事について/第5章 家庭について/第6章 仕事について/第7章 社会について/第8章 政治について)
 ★うち、6編⇒52・03大和出版『人間 裸に生まれ来て』

47・07/甘い道草/中央公論社/単行本//「婦人公論」連載
 ★H01・04祥伝社文庫『蜜の味の復讐』と改題

47・08/イッパツ勝負/桃源社/単行本//表題作は46・04「小説新潮」掲載
(イッパツ勝負/任侠の内幕/陰謀と札束/桃李不言/ギャンブラー/小説有馬哲こと金東善/黄運譚/ファック野郎)

 47年9月から集英社より「梶山季之自選作品集」(全16巻、単行本)が毎月2巻ずつ刊行された。 「欲望社会の実態をえぐる梶山小説のメスさばき」/「作家自らの手で選ばれた作品だけを収めたこの作品集には、 梶山文学の本質と魅力のすべてがこめられています。このなかから、明日の梶山文学を予感していただければ、と思います」 (梶山季之自選作品集刊行記念『巷説 梶山季之 裏から見た梶山読本』より。各巻あとがき…別掲参照)
47・09/〔2〕黒の試走車・傷だらけの競走車
47・09/〔13〕女の警察・SEXスパイ
47・10/〔14〕苦い旋律・真昼の孤独//他に、憑かれた女
47・10/〔7〕夢の超特急・囮//他に、怠慢なり宣伝部長
47・11/〔11〕悪人志願
47・11/〔5〕女の斜塔
47・12/〔15〕お待ちなせえ
47・12/〔1〕赤いダイヤ
48・01/〔4〕夜の配当・非常階段
48・01/〔3〕朝は死んでいた・作戦―"青"//他に、風のない月夜・亀裂のなか・歪んだ栄光
48・02/〔10〕罠のある季節・黒い船渠
48・02/〔12〕青いサファイヤ・やどかりの詩//他に、白い炎の女
48・03/〔9〕紫の火花・転落の記
48・03/〔6〕影の凶器・狂った脂粉//他に、女蕩し・一匹狼・談合入札・どんでんがくる
48・04/〔16〕密閉集団・青い群像//他に、軽井沢秘密クラブ・学生の新商法
48・04/〔8〕わが鎮魂歌・李朝残影//他に、族譜・闇船・京城昭和十一年・性欲のある風景・食欲のある風景・幻聴のある風景

 また、47年10月から50年1月にかけて、桃源社より「梶山季之傑作集成」(全30巻、単行本)が刊行された(函入り、さらに新書版もあり)。 各巻に、収録作品名を盛り込んだ「あとがき」がある…別掲参照)
47・10/〔1〕男の誇り(おとこ篇1)「あとがき」…別掲参照
(残忍な紳士/からまわり/男の誇り/なせばなる/流浪の人/石部金吉の勝利/あるヒモの告白/背徳の倫理/偽の季節/愛妾下賜/色の苦労/狙った女に/夜の専務/プールサイドにて/ちりぬるを/妄想日記/不良少年/ほい ほい ほい)
47・11/〔7〕一匹狼(企業篇1)「あとがき」…別掲参照
(ペテン師物語…導入屋の巻、パクリの巻、ある天才/カードは一度戻ってくる/赤い妖精/亀裂のなか/令嬢作戦/人魚の恋/一匹狼/怪文書/名誉毀損)
47・11/〔4〕白い炎の女(おんな篇1)
(男の階段/恋の悲しさ/真昼の孤独/暗闇の女/落下する浮気/愛の航路は虚しく/よろめきの季節/愛情の領収/冬に来た恋/香里ヶ丘夫人/事件の夜/恋の代償/憑かれた女/青い蛾/白い炎の女/夜のプリズム/離婚成金/混血の娘たち/転落の記)

47・12/〔10〕罠に賭けろ(推理篇1)
(第二の犠牲者/呪われたベッド/殺人スコアー・ブック/電波が殺した/モチは餅屋/ある事故死/風のない月夜/遺書のある風景/瀬戸のうず潮/ある陥穽/冷酷な報酬/裏口入学/罠にかけろ/四本目の鍵/裂けた腕/レスビアン殺人事件)
47・12/〔8〕悪の勇者(企業篇2)
(詰め腹/唇さむし/どんでんがくる/現代の忠臣蔵/悪の勇者/PR犯罪の蔭に/紐育から来たスパイ/ポケット作戦/黒の燃焼室/失脚のカルテ/スクープの内幕/人間蒸発/ミシガンから来た忍者)
48・01/〔13〕男は度胸(実話篇2)
(人生だあッ/小説 三億円事件/男は度胸/さっく一代/ダッチワイフ名人/美女を縛って30年/金も女もでっかい奴/小説 富士銀行事件/銀行から消えた/小説 有馬哲こと金東善/桃李不言/任侠の内幕/グアム島美人モデル殺人事件)

48・01/〔5〕情事の部屋(おんな篇2)/桃源社/単行本
(とろんころん/白のパーティ/消えた火縄/教育ママ/泥棒猫/蜜の味/女豹/情事の部屋/呆れた女/名器の女/背徳の老嬢/不倫三重奏/破廉恥な女/軽井沢秘密クラブ/悪食/知恵の世の中)
48・02/〔11〕甘美な誘拐(推理篇2)
(ある秘書官の死/美女と野獣譚/甘美な誘拐/コーポラスの恐怖/奇跡の夜/サブの犯罪/ある遭難/百万円蒸発/銀座祭り殺人事件/ある完全犯罪/ああ、通り魔/腐乱死体の場合は/名士劇殺人事件/あとの二人が損をする/これにて一件落着)
48・02/〔2〕ちょっとご免よ(おとこ篇2)
(ラッキーボーイ/馬鹿野郎/賭ける男/ぴんく堂々/刺青専務/お先に失礼!/えろぐろ軟扇子/すってんころりん/ちょっとご免よ/アンコ野郎/バーゲンセールやでェ/ちゃらんぽらん/二重結婚者の手記/エロエロあらアな)

48・03/〔16〕疑惑の発生(政界篇)
(俺が殺した/ライバル/悪徳政商/作戦―"青"/"火消し"新八/海の殺戮/疑獄の発生/小説 防衛庁/塞翁が馬/ゴロツキ新聞/瓢箪から駒/黒子人生/陰謀と札束)
48・03/〔3〕歪んだ罠(おとこ篇3)
(鼻下短受唇片靨/ピンピン太郎/ケチの天才/そろそろ行こか/ギャンブラー/黄運譚/結構ですな/四十九にして立つ/歪んだ罠/狂気の沙汰/イッパツ勝負/踏んだり蹴ったり/巨根物語/ファック野郎/大文字の夜)
48・04/〔6〕恋は曲者(おんな篇3)
(偽装結婚/犯罪日誌/狂い咲き/筆おろし大明神/泣き泣きの壷/ラッシュ・アワーの天使/狂い蝶/鬼婆/鞭をふるう女/恋は曲者/糠味噌くさい女/淫らな告白/パクパクの女/ベトベトの女/ヒイヒイの女/有閑マダムと少年/インチキの女)

48・05/〔9〕謀略の背景(企業篇3)
(寒い夏/勝てば官軍/怠慢なり宣伝部長/なんでも来い/乗取りの背景/新説・色くらべ/幻の五社協定/チャスラフスカを盗め/謀略の背景/密造酒/青の執行人/踊らぬ阿呆/あと始末屋)
48・05/〔12〕奇妙な女傑(実話篇1)
(やくざの勲章/常陽銀行事件/光クラブの崩壊/ラバウル海賊隊/神話・鳥尾夫人/綱島心中/赤線ついに復活す/小説 松永安左衛門/湖底の賭/学生の新商法/海師ボルギュウ/俺は半島人/小説 カルーセル麻紀/奇妙な女傑/道路を食った男)
48・06/〔14〕実験都市(文芸篇1)
(少年/詰将棋/伝説/族譜/禅寺秋色/霓のなか/実験都市/米軍進駐/振興外貨/幻聴のある風景/合わぬ貝/走馬灯/性欲のある風景/地面師/族譜/歪んだ栄光/ある復讐)

48・06/〔17〕めりけん無宿(海外篇)
(甘い廃坑/香港の光と影/アロハ・ハワイ/メキシコの女/上陸作戦は終わりぬ/たった二十弗で/ホレホレ節/罠の淑女/ニャロメ人生/カポネ大いに泣く/ルーズベルト大いに笑う/許して、あなた/めりけん無宿)
48・07/〔18〕女中仮面(風俗篇)/桃源社/単行本
(風変りな代償/空気を抜く/遊戯の報酬/離婚請負業/ババ抜き/フィリピンの秘薬/退化論/中性薬ペスマル/サイケの世界/はれんち作戦/鞭と乗馬靴/癌人間/SEXクラブ/やったぜベイビー/ブルー・フィルム先生/女中仮面/人間文鎮/ああ、媚薬/現代の宦官/夫婦交換/纏足の館/教主さまの好きな血)
48・08/〔15〕さらば京城(文芸篇2)
(李朝残影/闇船/一押し二金/やどかりの詩/京城昭和十一年/食欲のある風景/詩仙堂/奇病譚/髪結いの亭主/ケロイド心中/さらば京城/「天邪鬼」のころ)

48・10/〔26〕名人にて候(全)(連作篇7)
(浮気の名人/ゴムの名人/蒸発の名人/居候の名人/離婚の名人/出世の名人/詐欺の名人/スペシャルの名人/アリバイの名人/乱交の名人/ラジオの名人/捜索の名人/掃除の名人/ヒモの名人/葬儀の名人/株価の名人/偽作の名人/啼き鶯の名人/取材の名人)
48・11/〔24〕銀座の女―日本おんなシリーズ―(連作篇5)
(水戸の女/釧路の女/大阪の女/白浜の女/松江の女/浜松の女/青森の女/松本の女/宮崎の女/岩国の女/函館の女/別府の女/新宿の女/銀座の女)
48・12/〔25〕現代悪女伝(連作篇6)
(白桃女/原色の女/嘘つきの天才/鵜匠の女/こんな女に/官僚の敵/バラバラの女/閨秀志願/不倫な姑/良妻賢母/鹿追い蘭子/新宿あまぞん族)

49・01/〔23〕金沢の女―日本おんなシリーズ―(連作篇4)
(札幌の女/長崎の女/京都の女/広島の女/新潟の女/博多の女/横浜の女/花巻の女/金沢の女/高知の女/神戸の女/鹿児島の女/名古屋の女/米沢の女/尼崎の女)
49・02/〔19〕辻斬り秘帖 他(時代篇)/桃源社/単行本
(赤い岡っ引/辻斬り秘帖/女ごろし座頭松/「彫辰捕物帖」より…刺青渡世/四ツ目屋事件/旗本屋敷/蜜蜂責め/若衆道/お抱え力士/日光街道の怪)
49・03/〔22〕暗い花道/根ピューだあ(連作篇3)「あとがき」…別掲参照
(「暗い花道」…栄転の断面/ある憎悪/犬猿の仲/妾の整理/天才児の背後/倒産屋/アパッチ族/幻の怪盗/死神に憑かれた/蜘蛛の館/歪んだ三角/院長追放) (「根ピューだあ」…三つの壁/狂った結婚/歯車の妻/追い落とし作戦/欺され人生/溷濁の夜/怪我の功名/喪ったもの/蝉しぐれ/復讐の失敗/運命の皮肉/ある蒸発)

49・04/〔27〕現代悪妻伝/知能犯(連作篇8)「あとがき」…別掲参照
(「現代悪妻伝」…しごき妻/出入り妻/幼な妻/倹約妻/淫乱妻/黒人妻/虚言妻/美容妻/異常妻/白人妻/酒乱妻/道楽妻)(「知能犯」…エイプリル・フールの犯罪/ある悪女/富豪未亡人の恋/盥まわし/ニンベンの魔術師たち/九連宝燈/女優志願/恐るべき頭脳/脱税の季節/二字国俊)
49・05/〔20〕虚栄の館―産業ミステリー調査資料(秘)―(連作篇1)
(夜の凶器/怪文書/女蕩し/眩い巨塔/ある盲点/引き抜き秘法/一匹狼/虚栄の館/蠢く季節/開通式/消えた株券)
49・07/〔21〕白い廃液―産業ミステリー調査資料(秘)―(連作篇2)
(目には目を/談合入札/昭和の忍法/甘い樹液/光と影/総会ゴロ/ある倒産/消えた男/兜町の黒い霧/ソウルに死す/偽装心中)

49・08/〔30〕随筆集…青春と友と旅(別巻3)/桃源社/単行本(詳細は別掲参照)
(大項目のみ…ショート・ショート集/男の遊びについて/女房族にもの申す/わが交遊録/旅の味・味の旅/作家の楽屋裏/身辺雑記/わが青春の挽歌)
49・10/〔28〕日本の内幕(別巻1)「あとがき」…別掲参照
(S・ドラゴン作戦/佐藤首相の私有財産/国有財産をいただいた人々/"日韓"を強行させた黒幕たち/七大新興宗教の経済力/赤線はすでに復活している/五大医学閥の白い縄ばり/"黒幕"が走らせる競馬・競輪/政財界人"夜の赤坂"絵図/これでいいのか、社会党/無駄と乱費の"官僚王国"/金と口約の祭り 総選挙/これじゃ、税金は払えない!)
50・01/〔29〕赤線深く静かに潜航す/年譜(別巻2)
(丸ビル物語/白い共産部落/ストライキの果て/「与路の獣」島/赤線深く静かに潜航す/悲劇の帝王大正天皇/軍閥の清算人 東条の悲劇/財閥の葬儀委員たち/コンビナートが生んだ夢の村/不思議な官庁 通産省/彼らが成功する瞬間/都民は『銀行の担保』にはいっている/《芸能界》この摩訶不思議なもの/国有財産は誰のものか/ブラジル"勝ち組"を操った黒い魔手/蒸発人間/エロダクションは花盛り/体験的艶書論/皇太子妃スクープの記/ズバリ新宿―暴発寸前の町)

47・11/梶山源氏(いろは・の巻)(ほへと・の巻)/文藝春秋/新書判//「週刊文春」連載
 ★58・11角川文庫『好色源氏物語』(いろはの巻・ほへとの巻)と改題

47・11/かんぷらちんき/徳間書店/単行本//「週刊現代」連載
 ★58・06文庫版(上・下)

47・12/女房訓/祥伝社/新書判//書下し(あとがき…別掲参照)
(序章 男女同権などと思いあがるな/第1章 女としての羞恥心を失うな/第2章 人間としての向上心を忘れるな/第3章 他人に対する思いやりを持て/第4章 "夫婦は一心同体"の意味を考えよ/第5章 利口馬鹿より馬鹿利口になれ/第6章 独自の家政哲学を持て/第7章 無駄の効用を知れ/第8章 子どもは他人だと思え)
 ★(うち、第2章の「時には孤独になれ」⇒52・03大和出版『人間 裸に生まれ来て』)

48・05/ぽるの日本史/桃源社/単行本//「週刊新潮」連載(あとがき…別掲参照)
 ★60・09角川文庫⇒(うち、「楽は苦の種、苦は楽の種」⇒52・03大和出版『人間 裸に生まれ来て』)

49・03/どないしたろか/徳間書店/新書判//「アサヒ芸能」連載
 ★59・02文庫版(上下)

49・03/頭に来たぜ俺だって/桃源社/新書判//「サンデー毎日」連載エッセイ
 ★うち、「国家について」「ユダヤ人について」「公害について」「自然を知らぬ者の怖さ」「人命の尊さと苦痛の間―安楽死について―」⇒52・03大和出版『人間 裸に生まれ来て』

49・04/涙は拭かずに/講談社/単行本//「ヤングレディ」連載
 ★50・10新書版⇒62・03祥伝社文庫『女の螺旋階段』(上下)と改題

49・04/大統領の殺し屋/光文社/新書判/「オール読物」2編+49・01「小説宝石」1編を掲載(あとがき…別掲参照)
(第1部 架空の国の物語/第2部 大統領の殺し屋/第3部 禁断地帯)
 ★63・08文庫版

49・07/せどり男爵数奇譚/桃源社/単行本//「オール讀物」連作
≪第一話 色模様一気通貫/第二話 半狂乱三色同順/第三話 春朧夜嶺上開花/第四話 桜満開国士無双/第五話 五月晴九連宝燈/第六話 水無月十三ヤオ(漢字が出ませんでした)九≫
 ★49・09特装・限定版(2種) ⇒51・10集英社新書版⇒58・01河出文庫⇒H7・06夏目書房⇒H12・06ちくま文庫

49・08/日本人ここにあり(立志編)、49・09(成功編)/実業之日本社/新書判//「週刊小説」連載
 ★57・02角川文庫(立志編・放浪編・成功編)

49・10/銀座ナミダ通り/徳間書店/新書判//「問題小説」連載
 ★60・07文庫版

49・12/雲か山か―若き日の頼山陽/集英社/単行本//「中國新聞」連載「雲耶山耶」を改題
 ★51・01新書版⇒62・02光文社文庫『頼山陽―雲か山か』改題

49・12/その名は娼婦/桃源社/単行本//表題作は「小説現代」掲載
(その名は娼婦/市ヶ谷切腹譚/胡桃割り人形/満漢全席)

50・01/寝業師/講談社/単行本//表題作は「小説現代」掲載
(寝業師/沈黙は金/俺は歩いて行く/朝な夕なに/妖しい契約)
 ★51・05新書版

50・01/血と油と運河/集英社/単行本//「週刊読売」連載
 ★51・04新書版⇒53・05文庫版

50・05/明日考えよう/桃源社/単行本//「フェアレディ」連載
 ★63・12祥伝社文庫『華麗なる復讐』と改題

50・05/虎と狼と/実業之日本社/新書判//「週刊小説」連載
 ★57・02角川文庫(上・下)

50・08/稲妻よ、奔れ/新潮社/単行本//「小説新潮」連作
≪稲妻が闇を劈いた/脱獄は道楽ですたい/墨西哥の流れ星/メキシコは暗かったぜ/ブラジルに星は消えた≫
 ★58・02集英社文庫

50・10/怪女赤頭巾譚/文藝春秋/新書判//「オール讀物」連載
≪とに角お任せなさい/泣き、唏き、哭く/汚い物ほど儲かる/オームと赤富士/ちゃらんぽらん/赤頭巾の死≫
 ★61・07角川文庫『怪女赤頭巾』

50・10/罪の夜想曲(上下)/集英社/単行本//「週刊明星」連載72回で絶筆+代筆3回
 ★54・05文庫版

51・04/那覇心中/講談社/単行本//表題作は49・08「小説現代」掲載
(那覇心中/スワッピング心中事件/出刃包丁と忍び足/木槿の花咲く頃/瀬戸の夕映え/レントゲン/負け犬)
▼H1・12講談社文庫版『那覇心中』とは別編成

51・04/小説GHQ/光文社/単行本//「週刊朝日」連載
 ★56・02集英社文庫

51・11/「黒の花道」/廣済堂出版/新書判//「オール讀物」シリーズ(12話)/文藝春秋新社『暗い花道』改題(11話まで)
 ▼40・01文藝春秋新社版『暗い花道』とは別編成(11話まで) ▼H4・06徳間文庫版『暗い花道』

52・03/「人間 裸に生まれ来て(わが人生観)」/大和出版/単行本//(詳細は別掲参照)

52・04/「梶山季之 旅とその世界」/山と溪谷社/単行本//(詳細は別掲参照)

52・05/ミスターエロチスト/光文社/単行本//「別冊文藝春秋」に一挙掲載(252枚)
 ★58・02徳間文庫

52・06/夜の凶器/廣済堂出版/新書判//『虚栄の館』等より
≪偽装心中/昭和の忍法/ある盲点/兜町の黒い霧/引き抜き秘法/甘い樹液/目には目を/夜の凶器≫

57・05/どんと来い/角川文庫版///表題作は「大和ニュース」連載
(どんと来い/ペテン師物語)
 ▼40・10桃源社新書版『どんと来い』とは別編成 ★H7・09ケイブンシャ文庫版

57・12/胡桃割り人形/勁文社/新書判//表題作は49・02「小説宝石」掲載
(胡桃割り人形/許して、あなた/イッパツ勝負/ファック野郎/市ヶ谷切腹譚)
 ★61・03ケイブンシャ文庫

58・01/軽井沢秘密クラブ/《文庫》角川書店//表題作は43・09「小説セブン」掲載
(軽井沢秘密クラブ/女中仮面/背徳の老嬢/ラッシュ・アワーの天使/恋は曲者)

58・04/風変りな代償/《文庫》角川書店//表題作は38・02「小説新潮」掲載
(風変りな代償/愛情の領収/真昼の孤独/不倫三重奏/事件の夜/恋の代償)
 ▼40・10講談社版・梶山季之傑作シリーズ4『風変りな代償』とは別編成

58・05/『「トップ屋戦士」の記録 無署名ノン・フィクション』/季節社発行・祥伝社発売/単行本//(詳細は別掲参照)
 ★H3・05徳間文庫『トップ屋戦士の記録 無署名ノンフィクション』

58・08/ちりぬるを/《文庫》集英社//表題作は44・01「別冊文藝春秋」掲載
(ちりぬるを/女豹/転落の記/偽装結婚/犯罪日誌/その名は娼婦)

58・09/教主さまの好きな血/《文庫》角川書店//表題作は46・10「オール讀物」掲載
(教主さまの好きな血/サック一代/ほい ほい ほい/奇妙な女傑)

59・02/カポネ大いに泣く/角川文庫//表題作は46・07「小説現代」掲載
(カポネ大いに泣く/ルーズベルト大いに笑う/甘い廃坑/これにて一件落着)
 ▼46・12講談社版『カポネ大いに泣く』とは別編成

59・04/五年まえの女/角川文庫//表題作は38・06〜「女性自身」連載
(五年まえの女/妖しい契約)
 ▼42・05桃源社新書版『五年まえの女』とは別編成

59・08/「ああ、性戦」/《文庫》角川書店//「夕刊フジ」連載「やめてよ、あなた」を改題
 ★H7・04ケイブンシャ文庫

60・02/合わぬ貝/《文庫》河出書房新社//表題作は31・12「新潮」掲載
(合わぬ貝/振興外貨/走馬燈/一押し二金―浅蜊源兵衛伝―/亀裂のなか/名誉毀損)

60・03/ニッポン一匹狼/《文庫》角川書店//「夕刊ニッポン」連載(←「ニッポン・一匹狼」)
(ニッポン一匹狼/俺は歩いてゆく/海師ボルギュウ)

60・07/性欲のある風景/《文庫》河出書房新社
(性欲のある風景/霓のなか/闇船/京城・昭和十一年/さらば京城/木槿の花咲く頃)
 ▼44・05光風社書店版『性欲のある風景』とは別編成

 60年10月から62年2月にかけて、徳間書店より文庫版「梶山季之 ノンフィクション選集」(全5巻)が刊行された。
60・10/〔1〕日本の内幕/徳間文庫//『日本の内幕』より
(S・ドラゴン作戦/"日韓"を強行させた黒幕たち/政財界人"夜の赤坂"絵図/五大医学閥の白い縄ばり/七大新興宗教の経済力/"黒幕"が走らせる競馬・競輪/無駄と乱費の"官僚王国"/国有財産をいただいた人々/これでいいのか、社会党)
60・11/〔2〕実力経営者伝/徳間文庫//『実力経営者伝』より
(連載11名のうち収録8名…本田宗一郎/市村清/小川栄一/井植歳男/平木信二/石橋信夫/小佐野賢治/松田恒二)
61・01/〔3〕日本事件列島/徳間文庫
(常陽銀行事件/道路を食った男/ライバル/塞翁が馬/小説 三億円事件/学生の新商法/光クラブの崩壊/ラバウル海賊隊/やくざの勲章/食いものにされた日本占領/夜のGHQ)
61・02/〔4〕昭和人物伝/徳間文庫
(神話 鳥尾夫人/小説 松永安左衛門/話題小説 皇太子の恋/ある青春の記録 青年義宮/軍閥の清算人東条の悲劇/日本最大の興行師 正力松太郎/黒澤明/堪忍やでェ川上監督)
61・03/〔5〕ルポ戦後縦断/徳間文庫
(皇太子妃スクープの記/かくて「鶴見事故」は起こる/赤線深く静かに潜航す/ストライキの果て/蒸発人間/産業スパイ/白い共産村/国有財産は誰のものか/不思議な官庁 通産省/ブラジル"勝ち組"を操った黒い魔手/彼らが成功する瞬間/財閥の葬儀委員たち/丸ビル物語/朴大統領の第二のふるさと/ヒロシマの五つの顔)

60・12/華やかな罠/《文庫》祥伝社//角川書店39・05『都会の湖』を改題

61・05/彫辰捕物帖/《文庫》光文社 (シリーズの一部のみ…刺青渡世/蜜蜂責め/日光街道の怪/辻斬り/富くじ/彫辰の終焉)

 また、徳間書店より61年6月から62年2月にかけて、文庫版『日本女地図』(全4巻)が刊行された。
61・06/〈1〉京都の女
(京都の女/大阪の女/神戸の女/白浜の女/岩国の女/尼崎の女/松江の女)
 ▼<同社版『京都の女』とは並べ替え別編成。以下、「日本女地図」2〜4も同じ>
61・09/〈2〉銀座の女
(銀座の女/新宿の女/横浜の女/浜松の女/水戸の女/松本の女/名古屋の女)
61・12/〈3〉札幌の女
(札幌の女/函館の女/釧路の女/青森の女/花巻の女/米沢の女/新潟の女/金沢の女)
62・02/〈4〉博多の女
(博多の女/長崎の女/別府の女/宮崎の女/鹿児島の女/高知の女)

62・01/歪んだ罠/《文庫》勁文社//表題作は46・02「小説現代」掲載
(歪んだ罠/妄想日記/アンコ野郎/任侠の内幕)

62・03/踏んだり蹴ったり/《文庫》角川書店//表題作は46・08「オール讀物」掲載
(夜の専務/ブルー・フィルム先生/美女と野獣譚/夫婦交換/纒足の館/結構ですな/巨根物語/踏んだり蹴ったり)
 ▼H5・03ケイブンシャ文庫版『踏んだり蹴ったり』とは別編成

62・03/女の螺旋階段(上・下)/《文庫》祥伝社//講談社49・04『涙は拭かずに』を改題

62・05/「汚職 さんずい」/《文庫》角川書店
(俺が殺した/黒子人生/陰謀と札束/ゴロツキ新聞/疑獄の発生/小説 防衛庁/悪徳政商)

62・06/遊戯の報酬/《文庫》勁文社//表題作は41・03「小説現代」掲載
(遊戯の報酬/刺青専務/えろぐろ軟扇子/サイケの世界/バーゲンセールやでェ)
 ▼42・03講談社版『遊戯の報酬』とは別編成

62・09/すたらまんち―艶笑小説傑作集―/《文庫》光文社//表題作は49・09「小説宝石」掲載
(すたらまんち/うーばんげか/夜這い後家/人生到る処に…/四国の女〈45年作、生前未発表〉)

63・01/残忍な紳士/《文庫》勁文社//表題作は38・12・16「週刊文春」掲載
(残忍な紳士/白のパーティ/4本目の鍵/コーポラスの恐怖/消えた火縄/ダッチワイフ名人/美女を縛って30年/SEXクラブ)

63・03/「妻たちの魔刻」/《文庫》祥伝社//集英社47・01『妖しい花園』を改題

63・09/贋の季節/《文庫》勁文社//表題作は42・10「オール讀物」掲載
(贋の季節/二重結婚者の手記/密造酒/淫らな告白/混血の娘たち)

63・11/黒の燃焼室/《文庫》光文社//表題作は40・08「オール讀物」掲載
(黒の燃焼室/狂気の沙汰/海の殺戮/なせばなる/背徳の倫理/寒い夏)

63・12/「華麗なる復讐」/《文庫》祥伝社//桃源社50・05『明日考えよう』を改題

H1・01/サブの犯罪/《文庫》勁文社//表題作は43・07「別冊小説現代」掲載
(サブの犯罪/ぴんく堂々/狂い咲き/教育ママ/ババ抜き/悪食)

H1・03/とろんころん/《文庫》光文社//表題作は42・01「小説現代」掲載
(賭ける男/蜜の味/とろんころん/ラッキーボーイ/石部金吉の勝利)

H1・04/「蜜の味の復讐」/《文庫》祥伝社//中央公論社47・07『甘い道草』を改題

H1・06/離婚請負業/ケイブンシャ文庫
(離婚請負業/あとの二人が損をする/踊らぬ阿呆/赤線ついに復活す/黄運譚/やったぜベイビー/四十九にして立つ)
 ▼42・03秋田書店版『離婚請負業』とは別編成

H1・10/狙った女/《文庫》勁文社//表題作は43・2・19「ヤングレディ」掲載(←「狙った女に」)
(狙った女/ちゃらんぽらん/瓢箪から駒/プールサイドにて/からまわり/空気を抜く/はれんち作戦/現代の宦官)

H1・10/ある秘書官の死/《文庫》光文社//表題作は41・07「別冊宝石」掲載
(ある秘書官の死/スクープの内幕/銀行から消えた/青の執行人/一匹狼/第二の犠牲者/遺書のある風景)
 ▼42・01光文社新書版『ある秘書官の死』とは別編成

H1・12/那覇心中/《文庫》講談社//表題作は49・08「小説現代」掲載
(那覇心中/スワッピング心中/ケロイド心中/綱島心中/紀伊浜心中)
 ▼51・04講談社単行本『那覇心中』とは別編成

H1・12/「呪われた寝室」/《文庫》祥伝社
(ある陥穽/瀬戸のうず潮/裂けた腕/冷酷な報酬/ある事故死/レスビアン殺人事件/電波が殺した/殺人スコアー・ブック/呪われた寝室〈←呪われたベッド〉)

H2・05/あるヒモの告白/《文庫》勁文社//表題作は41・12「小説現代」掲載
(あるヒモの告白/愛妾下賜/色の苦労/馬鹿野郎/エロエロあらアな/そろそろ行こか/大文字の夜)

H2・07/「美女の奸計」/《文庫》祥伝社
(失脚のカルテ/知恵の世の中/赤い妖精/令嬢作戦/人魚の恋/どんでんがくる)

H2・11/乗取りの背景/《文庫》徳間書店//表題作は43・02「別冊アサヒ芸能」掲載
(乗取りの背景/紐育から来たスパイ/謀略の背景/上陸作戦は終わりぬ/ポケット作戦/新説・色くらべ/人間蒸発/ミシガンから来た忍者/現代の忠臣蔵)

H2・12/「狙われた密会」/《文庫》祥伝社//表題作は42・01「別冊小説新潮」掲載の「湖底の賭」改題
(男の階段/狙われた密会(←「湖底の賭」改題)/罠にかけろ/カードは一度戻ってくる/唇さむし―冤罪の顛末)

H3・01/暗闇の女/《文庫》光文社//表題作は38・7・8「週刊サンケイ」掲載
(狂い蝶/鬼婆/糠味噌くさい女/泥棒猫/暗闇の女/青い蛾/出刃庖丁と忍び足)

H3・02/ある完全犯罪/《文庫》勁文社//表題作は44・2・25「プレイコミック」掲載
(ある完全犯罪/怪文書/幻の五社協定/チャスラフスカを盗め/なんでも来い)

H3・06/梶山季之のジャメー・コンタント/季節社/単行本(非売品)//エッセイなど未発表作品集(詳細は別掲参照)

H3・08/男の誇り/《文庫》光文社//表題作は41・01「別冊小説新潮」掲載
(詰め腹/作戦―"青"/男の誇り/怠慢なり宣伝部長)

H3・10/あと始末屋/《文庫》勁文社//表題作は46・08「小説宝石」掲載
(あと始末屋/モチは餅屋/裏口入学/百万円蒸発/スリラーの街/沈黙は金)

H3・12/男は度胸/《文庫》集英社//表題作は45・01「現代」掲載
(男は度胸/"火消し"新八/勝てば官軍/桃李不言/金も女もでっかい奴)

H3・12/「愛人たちの昼と夜」/《文庫》祥伝社
(甘美な誘拐/奇跡の夜/ある遭難/グアム島美人モデル殺人事件/銀座祭り殺人事件/腐爛死体の場合は/名士劇殺人事件/これにて一件落着)

H4・02/情事の部屋/《文庫》勁文社//表題作は43・04「別冊宝石」掲載
(情事の部屋/朝な夕なに/アロハ・ハワイ/罠の淑女/愛の航路は虚しく/香里ヶ丘夫人/よろめきの季節/落下する浮気/恋の悲しさ)

H4・06/夜の専務/《文庫》勁文社//表題作は43・04「別冊小説現代」掲載
(夜の専務/さっく一代/教主さまの好きな血/ブルー・フィルム先生/お先に失礼!/美女と野獣譚)
 ▼45・03講談社版『夜の専務』とは別編成

H4・07/「魔性の女たち」/《文庫》祥伝社
(良妻賢母/恋は曲者/出入り妻/鹿追い蘭子/軽井沢秘密クラブ/嘘つきの天才)

H4・10/人生だあッ/《文庫》集英社//表題作は44・02,03「小説新潮」掲載
(人生だあッ/流浪の人/俺は歩いてゆく)

H5・03/踏んだり蹴ったり/《文庫》勁文社//表題作は46・08「オール讀物」掲載
(踏んだり蹴ったり/巨根物語/奇妙な女傑/ピンピン太郎)
 ▼63・03角川文庫版『踏んだり蹴ったり』とは別編成

H5・09/「通り魔」/《文庫》勁文社//表題作は44・07「小説宝石」掲載(←「ああ、通り魔」)
(夫婦交換/ほい ほい ほい/纏足の館/結構ですな/通り魔/ちょっとご免よ)

H6・02/破廉恥な女/《文庫》勁文社//表題作は43・08「問題小説」掲載
(破廉恥な女/名器の女/呆れた女/インチキの女/ヒイヒイの女/ベトベトの女/パクパクの女)
 ▼43・08徳間書店新書版『ハレンチな女』とは別編成

H7・05(1995)/The Clan Records(「族譜」)/ハワイ大学出版局/単行本〈英文〉
(族譜/性欲のある風景/木槿の花咲く頃/李朝残影/京城・昭和十一年)

H7・06/せどり男爵数奇譚/夏目書房/単行本

H10・02/「積乱雲 梶山季之―その軌跡と周辺―」/単行本/"積乱雲"関連作品や仕事の年譜など(詳細は別掲参照)

H12・06/せどり男爵数奇譚/《文庫》筑摩書房

H14・10/「李朝残影―梶山季之朝鮮小説集―」/インパクト出版会/単行本//川村湊編・解説
(小説…族譜/李朝残影/性欲のある風景/霓のなか/米軍進駐/闇船/京城・昭和十一年/さらば京城/木槿の花咲く頃//エッセイ…韓国の"声なき声"を推理する/朴大統領下の第二のふるさと/京(ソウ)城(ル)よ わが魂(ソウル)/魂の街 ソウル)

H16・04/李朝残影/講談社/単行本//オンデマンド版(東京ブックフェア展示用試作版)
(族譜/李朝残影)

H17・01/赤いダイヤ(上・下)/パンローリング/新書版

H17・02/見切り千両/パンローリング/新書版

イ、出版社別

・出版社の配列は刊行順。「発行年・月/版型/作品名/ジャンル//備考」の順に記す。
・頭書の◎印は、そのタイトルでの最初の刊行を示し(文庫を含む)、○印は再録されたシリーズ・選集、 新編成のものなどを表わす(いずれも、既刊本に含まれるものは多い)。
・*印は、他社版・同名のものと収録作品が異なる場合(別編成)など。△印は改題のものを表す。 空欄は"自社あるいは他社の既刊本と同一"を意味する。
・作品名は原則として『   』を省略するものの、「   」内は収録作品名ではなく、新たにつけられた書名を表す。
・版型は"単行本""新書""文庫"と簡略化した。ジャンルは主として"小説""エッセイ"などと表記する。
・備考の無記入は、主として"長編小説"を意味し、また雑誌・新聞名は他社の雑誌に掲載されたことなど特記事項を表す。 ただし、新書・文庫に再録の場合はジャンル以下を省略する。

1【光文社】(37点、うち新書19点・文庫16点)

(注)昭和38年3月、原題「まだはもうなり」の掲載誌が休刊となり、のち単行本化のため39年5月に修正および160枚加筆し、刊行されたもの

2【文藝春秋新社→文藝春秋】(18点、うち新書15点・文庫2点)

       社名を【文藝春秋】に変更

3【集英社】(94点、うち新書37点・文庫29点)

4【アサヒ芸能出版→徳間書店】(66点、うち新書10点・文庫42点)

       【徳間書店】と合併

5【講談社】〔60点、うち新書22点・文庫10点)

(注)昭和37年10月、「影の凶器」の掲載誌が2度目の休刊となり中断、のち加筆し、 39年8月に刊行された(集英社版「梶山季之自選作品集」第6巻「あとがき」参照)

6【角川書店】(53点、うち新書1点・文庫52点)

7【サンケイ新聞社出版局】(9点、うち新書4点)

8【桃源社】(87点、うち新書46点〈本表で省略した「傑作集成」30点を含む〉)

9【冬樹社】(1点)

10【日本文華社→ぶんか社】(2点、うち新書2点)

11【時事通信社】(1点、うち新書1点)

12【東都書房】(1点)

13【秋田書店】(3点、うち新書3点)

14【新潮社】(7点、うち文庫1点、オンデマンド版1点)

15【実業之日本社】(6点、うち新書6点)

16【河出ベストセラーズ】(3点、うち新書2点)

       【ベストセラーズ】に

17【廣済堂出版】(5点、うち新書4点・文庫1点)

18【報知新聞社】(1点、うち新書1点)

19【光風社書店】(1点)

20【祥伝社】(15点、うち新書3点・文庫12点)

21【弘済出版社】(1点、うち新書1点)

22【読売新聞社】(6点)

23【中央公論社】(1点)

24【グリーンアロー出版社】(1点)

25【大和出版】(1点)

26【山と溪谷社】(1点)

27【勁文社】(21点、うち新書1点・ケイブンシャ文庫20点)

28【河出書房】(3点、うち文庫3点)

29【季節社】(3点)

30【ハワイ大学出版局】(1点)

31【夏目書房】(1点)

32【筑摩書房】(1点、うち文庫1点)

33【インパクト出版会】(1点)

34【パンローリング】(2点)





ウ、文庫本

【50音順。表示は"タイトル/発行年月/出版社名"と続き、"/ /"内は「中短編」以外は、 長編小説あるいはシリーズものを指し、そのあとに特記事項を加える。 また"//〈解説〉"と"―"は解説の有無を示す。2分冊以上の場合は最終巻にのみの表示を通例とする】




エ)アンソロジーと再録

(1)自作品によるもの

1)集英社『性科学XYZ』44・04
2)桃源社『買わないで!』44・11//タイトルの冒頭に*印があるものは、"小見出しの集合"を表わす
3)桃源社『遊びの冒険』45・06
4)桃源社・傑作集成30『随筆集…青春と友と旅』49・08〔上記「オ―C)」に含まれる)
5)大和出版『人間 裸に生まれ来て』(シリーズ わが人生観)52・03
  • 〔青春、わが心の原点〕
     ○右の高頬の疵(キッポ) /48・06「別冊小説宝石」
     ○わが青春の恋と詩と真実/40・07「マドモアゼル」
     ○夜の海と昼の海/41・06「博多ばってん」
     ○劣等感さまざま/43・11「小説セブン」
     ○大人になった話〈わが性春3〉/48・03「うえの」
     ○私と広島大学(特集 広島大学を考える)/48・01「ひろしま」
  • 〔人生に無駄なし〕
     ○初心忘するべからず/44・10「アンソ3−28」(野末陳平編『20代をどう生きるか』廣済堂出版)
     ○苦境のときの友こそ、真の友だ/47・05『梶山季之のあたりちらす』(以下《梶あ》)より
     ○女房と離婚しても友は失いたくない{同前}
     ○???
     ○私の夢〈絵入りずいひつ〉/48・05「オール読物」
     ○楽は苦の種、苦は楽の種/48・05『ぽるの日本史』桃源社
     ○どうか、時間を大切にしたまえ/《梶あ》
     ○自分から求めて〈転職革命〉/39・03「月刊社友」
     ○死ぬ勇気、生きる勇気(ボクの自殺論)/38・04「美しい女性」
     ○〈噂の屑籠〉セックスと種族維持/47・11「噂」
  • 〔書くことへの出発〕
     ○暗中模索/25・09「天邪鬼」創刊号
     ○碑名〈原民喜詩碑建立について〉/26・03「天邪鬼」
     ○"文学不具者"に愕然(私の読書遍歴)/44・5・−読書人
     ○調査の醍醐味/37・8・3「三友」
     ○雑談の記憶からヒント(私の発想法)/42・12・14「東京新聞」
     ○私の実験/38・10「潮」
     ○〔私の小説作法〕材料には自信がある/42・04「青春と読書」
     ○窓から飛び出せ〈作家の眼〉/42・05「新潮」
     ○〈噂の屑籠〉ライフワークの題/49・02「噂」
     ○〈噂の屑籠〉"血"と"平和"と/47・09「噂」
     ○〈噂の屑籠〉川端先生の自殺/47・06「噂」
  • 〔女性にひとこと〕
     ○魅力的な女性/43・05「博多ばってん」
     ○女と男←「『女房訓』に反撥した女への反論」/48・04「婦人公論」
     ○出会いのインスピレーション/50・05「サンジャック」
     ○結婚という船出を祝って/47・5・17(祝詞)
     ○妻は不美人が最高/38・04「マドモアゼル」
     ○あなた自身のVIRGIN論を持とう(1000字青春ノート)/48・7・1「ヤングレディ」
     ○結婚についての断章←「ミセスへの歯ぎしり」/42・02「ミセス」
     ○時には孤独になれ/47・12『女房訓』より
     ○〔特集 妻とは何か〕二人三脚を組む仲間/49・04「暮しの設計」
     ○責任(その結婚に異議あり)/41・08「婦人公論」
     ○浮気と本気の差(夫の浮気の共犯者は?!)/42・07「婦人生活」
  • 〔ある視点〕
     ○いまや、アルチザンの時代である/《梶あ》
     ○私は教師の資格がある人間である」/《梶あ》
     ○〈噂の屑籠〉ドスを持たぬ一匹狼/47・05「噂」
     ○政治は人なり/50・01「政界往来」
     ○国家について/49・03『頭に来たぜ俺だって』桃源社(以下《頭に》)より
     ○ユダヤ人について/《頭に》
     ○公害について/《頭に》
     ○???
     ○大口寄附者を叙勲せよ/《梶あ》
     ○自然を知らぬ者の怖さ/《頭に》
     ○人命の尊さと苦痛の間―安楽死について―
  • 《頭に》//未公開の書簡や日記など
     △愛と友情の手紙…
      ○妻となる女性への手紙
      ○友への青春の手紙
      ○ご両親様
      ○「噂」発刊を前にして
     △日記抄…
      ○若き日の日記
      ○闘病日記T
      ○闘病日記U
      ○病床雑感
      ○中国を訪ねて
      その他年譜など
    6)山と渓谷社『梶山季之 旅とその世界』52・04
    7)季節社『「トップ屋戦士」の記録 梶山季之 無署名ノン・フィクション』58・05祥伝社発売《H3・05徳間文庫『トップ屋戦士の記録(無署名ノンフィクション)』も同じ》
    8)季節社『梶山季之のジャメー・コンタント(決して満足しない号)』H03・06

    (2)自作が再録されたもの(アンソロジー)、その作品別リスト

    1. 自作が再録されたもの

    2.上記の作品別リスト

    (3)企画に対し、新たに書いたものなど

    ≪準備中、しばらくお待ちください≫

    (4)特集として、再録されたもの(雑誌ほか)

    ≪準備中、しばらくお待ちください≫

    オ、選集・シリーズ等のあとがき・解説ほか

    38・09/SEXスパイ/集英社/単行本

    〔あとがき…この本には、いわゆる〈産業スパイ物〉ばかり、集めていただきました。 (中略)小説ですから多少の誇張や脚色はありますけれど、事件の骨子は私が取材した真実そのままで、 このような事件が実際に日本で起こっている、ということだけは、自信を持って断言します〕

    A)講談社版「梶山季之傑作シリーズ」(全7巻、新書版も刊行)

    〔1〕S40・07/ある復讐/講談社/単行本 ★42・05新書版
    〔著者あとがき…自分の作品を、自分で解説するということは、どうも気恥ずかしい行為である。 それは自分の吐瀉物を、指でかき廻している行為を、私に連想させる。だいたい小説なんてものは、 読者がどう受け止めてくれるか、ということにかかっているわけで、それを作者がしたり顔で、 「この小説の意図したものは――」とか、「この小説のモチーフは――」などと説明したって、無意味なのである。 作者の意図したものが、十二分に描き出せていたら、その小説は成功したのであり、読者が、つまらないとか、 わからないと云ったら、それは失敗作なのである。だから、私は自己弁解めいた解説はしない。 //ここに納められた六つの短篇は、それぞれ雑誌に発表したものだが、取材については、いろいろと苦労している。 /作品として、愛着のあるのは、<新潮・新年号>に発表した『ある復讐』であろう。 /秘密探偵社に勤めている人物から、いかに素行調査などが、出鱈目であるかと云う話を聞き、義憤を感じたことが、 この小説を書く動機となった。/後に、木村功氏の主演でテレビ化されたとき、興信所の人々から抗議されたが、 真面目な調査員ばかりであれば、あの小説は生まれなかったことを、附記しておきたい。 /『風のない月夜』は、小説中央公論に書かせて頂いた。/部落ぐるみの犯罪という点に、大いに興味を抱いたことから生まれた作品だが、 むろん場所などは架空である。この小説の中では、トップ屋時代の私の生活が、かなりくわしく描かれている。 /『モチは餅屋』は、実際に起きた事件が骨子となっている。刑事たちが捜査に行き詰った挙句に当用漢字という突破口をつかむということは、 いかにも小説的ではあるが、実話である。/『一匹狼』は、デパートの苦情にも、いろいろなケースがあると云うことを、 読者に知らせたくて書いた。世の中には、、いろんな人間がいる。悪知恵の働く連中も……。 そうした悪人に翻弄される企業も、少なくないということを警告しておきたい。/『悪の勇者』には、特定のモデルはないのだが、 読者の中には、ある人物を想起される方もあろう。それはそれでいいと思う。/『落下する浮気』は、 団地を取材していて思いついた、架空の所産である。婦人雑誌に書いた〕
    〔2〕S40・08/SEXスパイ/講談社/単行本 ★42・08新書版(「男の階段」に改題)
    〔著者あとがき…私が文壇にデビューできたのは、トップ屋を辞め、静養のために入院した病院で、 『黒の試走車』という小説を書いたからである。これが所謂、産業スパイ小説のハシリとなり、 デビュー当時は産業スパイを扱った小説ばかりを書かされた。また、よく講演会などに、引っぱり出されたことである。 だが、それも今では、懐かしい想い出となった。/セックス・スパイの三作は、雑誌の注文で書いたものだが、 事件は現実にあったものに、かなりの粉飾を交えてある。「産業スパイならともかく、セックス・スパイなんてないでしょう……」 という人がいる。しかし、それは間違いである。女性の産業スパイは、現存するのだ。 アメリカあたりでは、トップ・シークレットを盗めるのは、セックス・スパイだけだといわれているが日本だって同じことである。 私は幾人かの女性の産業スパイを知っているが、日を逐うて多忙のようである。それらの女性たちは、 はじめから産業スパイとして養成されたのではなくて、酒場だの、座敷だので働いているうちに、ある筋から要望されて、 スパイを働くようになった人が多い。/人間、酒を飲むと、つい口が軽くなる。 「ねえ、今度の日曜日に、ゴルフに連れてってェ!」などと誘われて、手帳をのぞきこみ、 「いや、だめだ、土曜日に、スイスから客が来るんでね、うん。新しい特許を買うんだ……」なんて、 ついつい会社の重大な機密を、ホステスにしゃべっている社長族を、よく見かけやしないか?  私は、酒を飲んだときが、いちばん秘密を盗まれやすい、危険なときだと思っている。『セックス・スパイ』三話は、 そうした意味で、警告を含めて執筆したものである。/『男の階段』は、女性週刊誌に書いた中篇である。 出世をめざす男性が、有利な結婚話のために恋人を捨てるというケースは、決して少なくはない。 また、そのために、恋人を殺すというケースも、珍しくないのである。/『ある事故死』は、タクシーに乗っていて、 運転手から、「オカマを掘る」という専門語を教えられ、それがヒントになって書いたものだ。 これは追突のことだが、一重衝突ではなく、二重衝突にして、犯人をあの世に送ったところがミソである。 /以上、手前味噌ばかりで、いい気になって書いたが、第一巻にもふれたごとく、自撰集のあとがきなんて、 野暮の骨頂かも知れぬ。どうか、あとがきはほったらかして、中味の方を読んでいただきたい〕
    〔3〕S40・09/詰め腹/講談社/単行本 ★42・06新書版
    〔著者あとがき…このあいだ助手の人から、私の本が、三十冊を越えていることを知らされて、ビックリしてしまった。 三年間で、三十冊の本を書いたわけである。来年あたりから、少し量を減らして、もっと良い作品に取り組みたいと考えているが、 生来、気が弱くて、頼まれるとイヤと云えない方なので大いに自重している。/いつも酒ばかり飲んでいて、締切日になると、 ヒイヒイ悲鳴をあげる私をみて、ワイフは、「あんまり遊んでばかりいるからよ……」と、よく叱言を云う。 /しかし飲んでいても、絶えず仕事のことが、頭の片隅にへばりついているのだ。文士とは悲しい生業である。 それに私はナマケ者だから、締切日が迫るまで、ペンを執る気になれない。もっとも、次の作品で書こうとする材料を、 頭の中でこね廻し、次第に醗酵するのを待っているといった気配も、たしかにある。あまり醗酵しないうちに、 ペンを執ってもよくないし、醗酵しすぎても、だらけてよくない。作品の仕上りが悪いのである。 /この第三巻には、ある事件があって、それを取材してから執筆した作品を、多く収録して頂いた。 その意味で、私としては愛着が深いが、読み返してみると、醗酵前にペンを執ったような作品もあり、 慙愧に堪えない思いである。/『詰め腹』は、ある石油会社の社長が、金融資本の陰謀と、官僚の圧力とによって、 追い出された話を書いたもの。政治献金で、有名な会社だったから、ハハア……と頷かれる方も多かろう。 むろん、フィクションの部分も強いが、その社長が、「政治家なんか、金だけとっておいて、いざという時にはソッポを向く。 政治家ほど、頼りないものはない」と、憤慨していたことを附記する。/それにしても、なぜ同じ乗取りでありながら、 銀行が企業を乗取ったときには、世間は批難しないのであろうか。私には、この辺がよくわからない。 /『唇さむし』も、実際にあった事件である。この取材のさなか、私は裁判というもの、検察官僚というものについて、 つくづくと考えさせられた。/『四本目の鍵』は、フェティシズムを取り扱ったものだが、終りのオチが効いているか、 どうかよくわからない。私は、ふとしたキッカケで、男色というものが存在することを知り、以来、 変態性欲というものに興味をもち、かなり文献も集めた。私の作品に、歪んだ形のセックス描写が多いのは、 どうやらそのためらしい。/『遺書のある風景』も、東北で実際にあった殺人事件をヒントにしている。 /『裏口入学』は、ある私大で起きた不正事件を調べて書いた。だが私には、その不正事件よりも、私立大学という、 不可思議な機構の方が、面白かった。いずれそれをテーマに、長編を書いてみたいと考えている。 /『現代の忠臣蔵』は、石油化学の特許導入にからむ、メーカー、商社の内幕について取材した所産である。 /原稿に追われて、さいきんの私は、ほとんど取材できない有様だが、にも拘らず、いろいろなタネが集るのは、 トップ屋時代に私と仲間が知り合った、数多くの業界紙記者や、その他のジャーナリストの方々のおかげである。 それと、私の取材を手伝って呉れている、私の愛すべき仲間たちの協力の賜物である。彼等なくして、今日の私はない。 あとがきの末尾を借りて、衷心よりお礼を申し述べておきたい〕
    〔4〕40・10/風変りな代償/講談社/単行本 ★42・07新書版、58・04角川文庫『風変りな代償』は別編成
    〔著者あとがき…このあとがきは、米国はシアトル市のベンジャミン・フランクリン・ホテルの一室で書いている。 出発前に、なんとか作品に目を通して執筆したかったのだが、ついに果たせなかった。だからこの一文は、 作品の記憶にたよって書くことになる。/『風変りな代償』 これは締切日のギリギリまで、なにを書いてよいのか、 自分でも材料に困り、旅館で無為に三日を過したという苦い経験がある。机に向かえば、一気呵成に書上げてしまう性質の私にしたら、 珍しいことである。/旅館で、井上泰宏氏の『犯罪と性』という本を拾い読みしているとき、友人から文士劇を見に来ないか……という電話がかかった。 /<えーい。なんとかなるだろう……>と、一行も書かずに、宿を出て東宝劇場に行き、文士劇を大いに野次って廊下に出たら、 私の原稿を待っていた編集者の某氏と、バッタリ顔を合わせた。<しまった!>と思ったが時すでに遅く、 怖い顔をした編集者氏から、「こんな所に遊びに来て居られるのなら、間違いなく明朝十時に、頂けるのでしょうな」と云われた。 /仕方なく私も、承諾したものの、冷汗三斗の思い、たちまちタクシーで上野の宿に素っ飛んで帰ったが、 その車中で井上泰宏氏の本の内容がヒントになり、一つのストーリーを掴んだ。/宿に帰って、坐りづめで十三時間半、 百七枚を書上げて、約束の時間に原稿を渡せたときは、ただ責任を果たせた……という思いだけで一杯だった(注)。 これは私の超スピード記録の一つで、それだけに愛着がある。/『電波が殺した』は短編だが、トリックの点で案外、 私の気に入っている。/『一押し二金』は、醜い顔に生まれついたために、コンプレックスに悩まされていた少年が、 金銭欲にとり憑かれる話を書いたものである。別にモデルはない。/『地面師』と『怪文書』とは、実際にあった事件を調べて書いた。 /金融難に陥ると、導入屋という商売が横行する。その導入屋ブームに乗って、実在した大地主を詐称し、 金を捲上げた吉村寅市という人物のモデルに、私は面識があるが、いつか麻布二の橋の待合で、 花札の妙技を見せて貰ったことは事実である。/私はなぜか、この吉村寅市という人物には愛着を持ち、 同名で『のるかそるか』という長編のなかで登場させた。/小説を書く場合、登場人物で困るのは、その名前である。 最近もある作家が、実在の人物の名前を小説の表題に使ったため、週刊誌あたりで騒がれたが、これは仕方がないと思う。 だから私は、それを避けようとして、同じ名前を二度つかったりするのである。/『怪文書』のモデルにも、私は面識があった。 地方銀行の人事をめぐる葛藤を描いたものだが、書上げた後、これはじっくりと長編に仕立てた方が良かった……と後悔したことである。 /『恋のかなしさ』も短編。私は四、五十枚という注文が、どうも苦手だ。それは人間感情の推移を描こうとすれば、 事件の経過がおざなりになり、事件に重点を置くと、人間が類型的になってしまうからである。 作者としては、いろいろと新しい試みをしているのだが、読後感がわるければ、やはり成功したとは云えまい。 もしかしたら私は女性を描けない作家なのかも知れぬ〕
    (注)季節社編「積乱雲」によると、38・02小説新潮103枚とある。
    〔5〕40・11/歪んだ栄光/講談社/単行本 ★42・07新書版
    〔著者あとがき…考えてみると、私の同人雑誌歴はかなり長い。広島時代に、「天邪鬼」という雑誌を創刊してから、 「広島文学」「希望」という二誌を経て、終着駅は第十五次「新思潮」であった。そうして私が、小説の書き方というものを、 曲がりなりにも体得できたのは、この第十五次「新思潮」の同人として、末席を汚してからだったように思う。 /この名門の雑誌には、三浦朱門、曽野綾子夫妻をはじめ、有吉佐和子、村上兵衛、阪田寛夫、村島健一、竹島茂、荒本孝一、 野島良治(死亡)……といった才人たちが、同人として加わっており、私のような田舎漢には、大いに刺激になったものである。 この本には、いわゆる純文学の匂いのするものを集めて頂いたのだが、読み返してみると、いろいろ思い出があって懐かしい。 /『合わぬ貝』は、「新思潮」から推されて、「新潮」の同人雑誌推薦作品集に応募したもので、私の小説が、 小説誌にはじめて掲載された、いわば処女第一作みたいなものである。小鍋夫人覚書という架空の文献に拠って、 松尾芭蕉が男色家ではなかったか……という推理を働かせたものだが、博識で知られた三浦朱門氏までが、同人会で、 この架空の書物に一杯喰わされたのは、ちょっと愉快だった。/もっとも朝日新聞の文芸時評欄では、山本健吉氏から、 「そんな書物はない」と、あっさり看破られたけれど。ただ、心残りだったのは、文学界だったかで、いくら二月だって、 桜が爛漫と咲き乱れるものか――と批評されたことである。小説に出てくるその年は、閏月の年であったことを、 批評家氏はご存じなかったらしいのである。むろん匿名批評だから、抗議のしようもなかったが、 当時は自分の作品に対する批評については、かなり敏感だった。文学青年だったのである。 /『幻聴のある風景』は、安岡章太郎氏の『ジングルベル』という作品に刺激されて書いたものだが、 自分ではかなり気に入った短篇の一つである。/『性欲のある風景』も、同じく「新思潮」に掲載されたもの。 一度、新潮編集部に送って、返却された作品だが、のちに同人たちから「手を入れてから、良くなった」と賞められた。 昔は、一つの作品を、何度も何度も書き直したものである。/『歪んだ栄光』は、私の兄が官庁につとめていて、 ノイローゼ気味の部下から、殺されかかった事件を書いたもの。あとで精神分裂症だとわかったが、 ふだんは常人と全く変わらないという人間が、われわれの周囲にいるということは、不気味だし恐ろしい。 /『闇船』は、コミックな味を狙ったのだが、あまりその狙いは効いていないようだ。かなり長い間、暖めていたテーマでも、 やはり原稿用紙に向かうと、うまい工合に筆が運ばないものである。やはり才能の乏しさなのだろうが、 終戦直後のソウル市の混乱状態については、いずれ日を改めて書き残しておきたいと考えている。 /『李朝残影』は、直木賞候補になった作品で、その意味でも懐かしい。ただ小説の結末が、あまりにも安易すぎると批評されたが、 私も同感である。しかし、この小説を書いたとき、これは長篇の第一部のつもりであったことを触れておきたい。 第二部、第三部を執筆できない儘に、今日に及んでいるが、私がなまけ者の故為である。/生来、欲の深い方で、 私は作家として立つことになったとき、三つの作品を書き残したいと考えた。一つは、日系人の移民史である。 いま一つは、日韓併合前から、朝鮮動乱までの、日韓裏面史であった。そうして残りの一つは、原爆以後の広島である。 いずれも、取材に出かけたり、かなりの文献も集めているが、いつになったらとりかかれるのか予想もつかない。 困ったことである〕
    〔6〕40・12/冷酷な報酬/講談社/単行本 ★42・06新書版
    〔著者あとがき…二ヶ月ばかり、中南米を旅して来た。海外で活躍している日系人に会うことが目的であったが、 思い切って旅に出て良かったと考えている。それは、いろんな意味で、日本を海の外側から眺めることができたからである。 つまり、客観的に日本という国を、評価することができたわけだ……。/振り返って、自己の作品ということになると、 やはりこれは客観的に眺める――というわけにはゆかない。どうしても、評価が甘くなる。また、自己嫌悪めいた感じに駆られる。 五巻の約束だった私の短篇集が、さらに二巻ほど続刊されることになり、改めて通読してみたところ、 いまさらのように自己嫌悪めいた感情に陥らされた。下手糞な小説が多いからである。もっと勉強して、 いい仕事をしなければならぬと、強く自戒しつつ、このあとがきのペンを執っている。 /『カードは一度戻ってくる』という作品は、思わせぶりに長ったらしい題名をつけたものだと思われるかもしれないが、 私としてはこの長い題名が気に入っている。そして題名の真意を知るには、小説を読んで頂くより仕方がない。 /『どんでんがくる』という作品は、題名だけ先に出来ていた。それを長いこと暖めているうちに、こんな小説が出来上がった。 /取材にウエイトをおく私としては、題の方が先に出来上がっているなんて珍しいケースである。 /いつも題名も考えずに、ぶっつけに書き出しはじめ、ウッカリすると、題もつけずに雑誌社に原稿を渡してしまったりする位だから、 私は小説の題名を考えるのが、とても苦手なのである。/この『どんでんがくる』という題名は、私の愛着を誘う傑作で、 もう一度だけ、この題名で作品を書きたいと思っている。その意味は、ドンデン返しというほどの意味である。 /『冷酷な報酬』とか、『罠にかけろ』などは、どうも犯罪映画の題名じみていて、我ながら気恥ずかしい。 『紐育から来たスパイ』は、「寒い国から来たスパイ」という翻訳小説の、題名をもじってつけた。明らかに盗作である。 その点、『ポケット作戦』というのは、自分でも悪くない題名だと思っている。/小説を書く場合、苦労するのは、 主人公の名前である。私は電話帳をくって、珍しい姓や名前を拾いだし、それを組み合わせたりするという方法をとっているが、 なかなか自分のイメージにぴったりとした名前を発見することはむずかしいものだ。/主人公の名が決まり、 脇役として登場する人物の名前が決まると、それらの人物たちが、私の大脳の襞の中で、イキイキと活動をはじめる。 それを追っているうちに、なんとなく小説は出来上がるのだが、ペンを擱いてから、頭を悩ますのが題名である。 /小学生のとき、作文に自由題が出されると、私はユウウツになったものだが、はじめから題名を決められていた方が、 私みたいなナマケ者には書き易いように思えてならない。/読者はおそらく、作者が題名にどれだけ頭を悩ましているかについては、 ご存じないことと思う。また、それでよいのである。しかし、そんな苦労もあるということを、知って頂きたいために、 楽屋噺として披露した次第である。/題名をつけるのは、むずかしい〕
    〔7〕41・01/暗闇の女/講談社/単行本 ★42・05新書版
    〔著者あとがき…海外旅行から帰って約一ヶ月たった。そうして私は、どうやら昔のペースを取り戻したようだ。 それには矢張り、仕事場をコーポラスの書斎から、都市センター・ホテルの一室に移したことが、預って力があるように思える。 この仕事場は、私が旅行に出掛けるまで、毎日通い詰めた古巣である。三年間の匂いが、その部屋には滲みついている。 /習慣とは、おそろしいものだが、コーポラスの中に、独立した書斎と書庫とを持ちながら、ホテルに通う私を、 人々は大いに不思議がるようだ。しかし、私に云わせたら、若干の云い分がある。/先ず都心にあるために、 取材にすぐ飛び出せるという利点があることだ。相手は、忙しい人が多い。書斎から、住宅の方に上って行き、洋服を着替え、 エレベーターで降りて車を拾う……という作業は、簡単のようにみえて、なかなか辛いものである。その点、ホテルだと、 気軽に飛び出せる。ここは家庭という雰囲気もなく、またワイフや娘もいない。私という人間は、家庭という雰囲気の中では、 モリモリと仕事ができない性格らしい。/次に、書斎で仕事をしていて、いろんな疑問点が出てくると、 書架のあらゆる本を渉猟して、納得の行くまで調べるという私の癖がでる。これは作家の良心だと思うのだが、 資料を読みだすと、ついつい他のことがらまで面白くなり、時間の経つのを忘れてしまう。こいつが困り物なのである。 締切に追われている身としては、これは大いなるマイナスではないか。また、書斎に娘が遊びにくると、 ついつい娘可愛さに相手になって遊んでしまう。親馬鹿と人は笑うだろうが、可愛いものは仕方がない。 /……こんなわけで、書斎では仕事が捗らず、取材に出るにも億劫になってしまうのだ。それで已むなく、 元の古巣に舞い戻ったという次第である。思えば作家稼業に入って、この二月で満四年目を迎えるが、 その間に四十冊の単行本を上梓して頂いた。しかし、これはどう考えても、正常ではない。/だから今年からは、 仕事の量を減らし、野心的な書下しに入りたいと思う。だいたい、外国の作家は、年に一、二作しか作品を発表していない。 また、それでいて、結構食えるらしいのである。私としては、ちょうど今年あたりが、作家としての大切な時期のように思える。 私も、その大切な時期を、矢張り本腰を入れて過ごしてみたいと考えている。/作品について触れる余裕がなくなったが、 この一巻には、私としては女性を中心にした小説ばかりを集めて頂いた積りである〕
    42・04/生贄/徳間書店/単行本//「アサヒ芸能」連載(「社告」??)
    43・04/「快楽の実験」/河出ベストセラーズ/新書判/"エッセイ―おんなの味覚旅行―"
    〔著者自身の広告(コマーシャル)…私は、自分のために書く原稿と、読者のために書く原稿とを明瞭に区別している。 /つまり、ゼニをもらって書く原稿には、徹底的なサービスをすることに決めているのだ。そしてこれは、 私が職業作家として生きる決心をした時から、固く守り続けてきた姿勢なのである。/ところが、この"快楽の実験"だけは、 この二つの分類に入らないようであった。一つは自分で楽しみながら書き、一つには読者へのサービスのつもりであったからだ。 それだけに、自分でも読み返してみると面白く、いたるところでニヤニヤし、抱腹絶倒し、そしてこの"快楽の実験"を書いてのは、 自分であると再確認して、また哄笑した次第である(カバー裏より)〕
    44・06/人間の探検/ベストセラーズ/単行本//『宝石』「人間の探検―性の秘境を発掘する―」シリーズ
    〔著者自身の広告(コマーシャル)…いちばん判っているようでその実、あまり判っていないのが、人間そのものです。 たとえば、ガンにしてもなぜ発病するのか究明されておりません。人間が月世界へ着陸しようとしている時代に! /私は文士の端くれですから、人間そのものに愛着を覚えます。そしてスケベ人間ですから、やはり桃色の世界に限りなく愛着を覚えるのです。 しかし、この世の中は判らないことだらけです。一例をあげますと、巷間よく耳にするところの"タコ"です。 それが女性の名器の称であることは知ってます。ですが、一言の許にタコとはいかなることであるかを、 明快に自信をもって他人に説明できる方が果たして何人いるでしょう? また、その説明が正しいとか間違っているとかを指摘できる人が、 何人いるでしょう?/私は幼い日に疑問をもち、ニキビ華やかなりし頃、煩悶し、そして長じたる後にも、 いまだに判然としない、苛立たしい桃色の世界のモヤモヤを、この本の中で解明することにしました。 /私はこれまで多くの書物を読んで研究し、さらに千人斬りなどという大事業をなしとげましたが、それはすべて、 この判っているようで判らない事実に、スポットをあてるためであったのです〕
    46・02/見切り千両/講談社/単行本//「別冊小説現代」連作《45・07掲載分…第2回小説現代ゴールデン読者賞受賞》
    「別冊小説現代」45・07号掲載の〈連作小説〉見切り千両〔180枚〕に対し、読者賞 受賞のことば /「……地方へ講演などに行くと、よく私は直木賞作家に間違えられる。世間では、小説家として活躍しているのだから、 直木賞ぐらい貰っているもの――と考えるのだろう。/お恥ずかしい次第だが、私は、まだ如何なる賞も受けていないし、 若し機会があっても、山本周五郎氏のように、お断りする積りでいる。/しかし、小説現代の読者賞だけは、 喜んで頂くことにした。なぜなら、一握りの撰衡委員が撰んだのではなくて、私と血の通った読者からのお褒めの言葉だと思うからである」
    47・05/梶山季之のあたりちらす/サンケイ新聞出版局/単行本//「夕刊フジ」連載
    (第1章 女について/第2章 酒について/第3章 遊びについて/第4章 食事について/第5章 家庭について /第6章 仕事について/第7章 社会について/第8章 政治について)/

    B)集英社版「梶山季之自選作品集」(全16巻、配列は刊行順)

    〔2〕47・09/黒の試走車・傷だらけの競走車
    〔著者あとがき…『黒の試走車』は、私の最初の書下ろし長篇です。この一作によって、私は文壇に出たと云っても、 過言ではありますまい。この処女作のため、企業間における産業スパイの存在が認識され、 各社とも機密保持に神経をとがらせるようになったそうです。その後、いろんな産業スパイ事件が、新聞を賑わしていますから、 読者もすでに御承知でしょうが、発表直後は、私がその産業スパイの首魁に思われて、大いに迷惑しました。 /『傷だらけの競走車』は、この処女作の続編とも云うべきもので、有名なモンテ及びサファリのラリーにおける企業競争を描いてみました。 南仏など、一ヶ月ちかく滞在して、取材したのですが、この時ばかりは、語学力のないことが残念でした。 フランス語が流暢に話せていたら、もっともっと面白い小説が描けただろうに……と大いに悔んでおります。 /この二つの小説のエッセンスをとり、もっと国際的なスケールの大きな長篇小説の執筆を、外国の出版社から頼まれたりしましたが、 目下のところ、思案中と云ったところです。 七二年七月二十七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔13〕47・09/女の警察・SEXスパイ
    〔著者あとがき…どうやら私には、小説を書く時、硬派と軟派と云う二つの姿勢があるようです。 新聞などにも報道されなかった疑獄事件、汚職事件その他を取り上げる時は、むろん硬派的な姿勢です。 これはレポーター時代からの癖で、足で調べた材料を、小説に仮託しながら、ある怨念をこめて、私なりの正義感を、 叩きつけるように書きます。従って、一般の読者の方には、あまり喜ばれない小説になります(例・夢の超特急)。 /軟派型のときには、これまたサービス精神に徹しきってアルチザンの腕の見せどころと許り、 面白くて為になることだけを念頭に、執筆します。これが所謂、ポルノ小説で、すっかり私をスケベ文士として有名にして呉れましたが、 ただのポルノ小説として読まないで頂きたいのです。私は、その小説の中に新しい性知識を一つでも、 二つでも読者に紹介している積りですから――。/誰かが、私のポルノ小説を批評して、「あれは単なる好色小説ではない。 性教育小説だ」と云われたそうですが、私の云う、面白くて為になる、と云う狙いは、ここなのです。
    『女の警察』『SEXスパイ』は、私のこの硬軟二刀流をつきまぜて、新しく一刀流にしてみる試みから、誕生した小説です。 むろん、成功したか、否かは、読者の批判を仰ぐよりありません。 七二年七月二十七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔14〕47・10/苦い旋律・真昼の孤独//他に、憑かれた女
    〔著者あとがき…いわば男の同性愛を取り扱った小説は多いのに、なぜ女性のレスビアン小説はないのだろうかと云う不満が、 私にこの小説を書かしめた動機であります(注1)。一つには、女性週刊誌から、絶対に当たる小説を……と依頼されたことも、 その端緒のひとつになっているようです(注2)。人間には、知識としては、薄ボンヤリと理解していても、 その実体とか、真相を知らないで、過ごしていることが、可成りあるものです。しかし、心の隅のどこかに、 それがひっかかっている。それを他人から、はっきりと解き明かして貰うことは、小説好きの読者の喜びの一つでしょう。 /レスビアンをテーマとすることは、この読者の要望に応えることでありました。私は、半年の時間を費して、 深い神秘のベールに閉ざされている聖域の人々たち――つまり、レスビアンの方々に会い、その頑なな気持をときほぐし、 一体どんなテクニックを使うのかを取材しました。それは、実に辛抱強さを要求される仕事でしたが、男の私には、 彼女たちの秘密のテクニックが判らなかったのだから、仕方がありません。/そして、どうやら概要をつかんで、 執筆をはじめたのですが、この取材のプロセスで、男性に"女装狂"と云う、変った人種があることを知ったのは、 大きな収穫でした。この二点が、『苦い旋律』の柱となって居ります。そして、連載中、これほど読まれ、 発行部数を伸ばした作品も、少ないのではないかと自負しています。職業作家とは、読者と、 編集者に奉仕するのが当然だと思います。もっとも、私の場合には、サービス過剰の気味があるのですが……。  七二年八月二十七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    (注1)『苦い旋律』、(注2)「女性セブン」42・9・6〜43・7・3〈40回〉
    〔7〕47・10/夢の超特急・囮//他に、怠慢なり宣伝部長
    〔著者あとがき…『夢の超特急』は、処女作とも云うべき『黒の試走車』につづく、偽りなしの書き下ろし第二作です。 東海道新幹線の、用地買収にからむ黒い霧問題は、私がトップ屋の時代から噂されておりました。 しかし、確証がないため、警察畑も、検察畑も、そしてマスコミも手をつけようがなかったのです。 私は、そうした弱腰ぶりに腹を立てて、私独自の方法で、数人の仲間と共に、この事件を洗いました。 そうして、小説という形で、読者に、この黒い霧問題を訴えようとしたのです。ですが読者の方々の多くは、あくまで小説だ。 架空の事件だとして、読み捨てられたようです。/一つには、夢の超特急という題名が、不味かったのかもしれません。 しかし私個人としては、エミール・ゾラが、「ドレフュース事件」の弁護に当ったように、世間の関心を喚起したい気持から、 消されるかもしれない危険を承知で、書いたのでした。でなかったら、デビュー直後の、あの多忙な時期に、 こんな書き下ろしの仕事は出来ません。この小説の中に書かれている数字、そして人物構成は、たしかな筈です。 その証拠に、一緒に取材に当った仲間は、さる筋の人間から呼ばれ、「どうして、あんな正確のことを知り得たのか?」と、 事件が不問に付されたあと、質問を受けています。/私は、週刊誌などの特集記事では、真実を報道できない壁があることを知り、 そのじれったさに慊りなくて、小説という形に仮託して真実を世に知らせよう……と思い、作家稼業に入ったのですが、 世間の人々が、小説を飽くまで"嘘"としか見ないのだと悟り、失望とショックを味わったのです。 この作品以後、私は次第にエンターテーメントな小説を書く、戯作者としての道を歩んでゆくことになります。 その意味では、思い出と、痛恨の深い作品なのです。 七二年八月二十七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔5〕47・11/女の斜塔
    〔著者あとがき…『女の斜塔』は、女性雑誌の創刊号から、とにかくヒットするものを……と云うことで、執筆した連載小説です。 私は、全国の貸本屋に、人を派遣して、どう云うメロドラマが一番うけているか、と云うことを調査しました。 そのうち、ベスト・テンを撰んで、ストーリーを検討し、その結果、下した私の結論は次のようなものでした。 /一、相変らず、勧善懲悪ものが、栄えていること。二、近親相姦に近いものが、読者の興味を呼んでいること。 三、虐げられた主人公が、復讐すると云うテーマが喜ばれていること。……以上の三つです。 /私は、それで若い女性読者に集って頂き、マーケッティング・リサーチを試みました。すると、主人公の職業は、 ジャンパーを着たインテリ、平凡なサラリーマンではなくて創作的な仕事に従事する男性……と云う回答が出たのです。 私は、躊躇することなく、主人公の職業を建築デザイナーに決めました。これが決定すると、あとは一瀉千里です。 この小説は、大いにヒットし、テレビの連続ドラマとして、視聴率をあげました。それは、私の筆の力ではなく、 読者がなにを望んでいるかを事前に調査し、それにあて嵌めて書いたからに他ありません。 /いままで、日本の作家は、こうした読者の趣旨を調査せず、――俺の書くものは芸術だ。それが判らないのは、 お前たちの頭が悪いんだ……。と云った、一方的、かつ高飛車な態度で、執筆して来たように思われます。 しかし、私に云わせれば、明治時代ならイザ知らず、今日に於いては、文学は芸術ではありません。 文学の世界で、芸術として残るものがあるとすれば、詩と、随筆ぐらいなものでしょう。/何人をも感動させるものが、 芸術なのです。売文業者(原稿を売って、生活している人たちの意味です)が、なにを今更、芸術家ぶるのでしょうか。 他人のために書くか、自己のために書くかと云う違いがあるだけで、通俗小説も、純文学も、へったくれもありません。 あるのは、良い小説と悪い小説、面白い小説と、そうでない小説との区別だけです。少なくとも、私は、そう思っています。 /キリストは、九十九匹の小羊よりも、一匹の迷える羊を救え……と云ったそうですが、私は大局的に見たら、 小の虫を殺しても、大の虫を生かす方が、人類の方向としては正しいと思うのです。かなり抵抗のある言葉と思いますが、 生きていく上には、決して無意味なことではありません。どうか、心に留め置いて頂きたいと思います。  七二年九月十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔11〕47・11/悪人志願
    〔著者あとがき…この『悪人志願』は、筆者としては、愛着のある作品です。数人の政財界人を、モデルに使用していますが、 番匠銀之助と云う主人公に、すべてを仮託して、世の中には、こんな悪人もいるんだぞ……と云うことを、 世の人々に伝えたい心情から執筆したのでした。読者の方々は、この小説の主人公が、行ってきたことを、すべて嘘っパチである、 架空の小説である、と考えることでしょう。だが、違うのです。/私は、ルポルタージュから小説の世界に入って来た作家であります。 否、ルポルタージュと云う形式では、真実を語れないと悟って、小説と云うオブラートで包み、読者に真実を伝えようとして、 小説家になった男であります。ですから、私が云いたいのは、私の小説はエロティックな描写もかなりどぎついのですけれど、 それは読者が求めるからであって、私が書きたいことは、その雑誌なり、本が売れる要素をとり除いた、他の部分にあると云うことなのです。 この『悪人志願』の中でも、エロティックな描写は、枚数の五分の二ぐらいを占めています。それは、書いた本人も、 認めているのであります。/しかし、それを除けば、私が、なにを書きたかったかは、お判り頂けると存じます。 私が、この小説のなかで、モデルにした人物は、名前を出せば、「まア、あんな立派な方が!」と云われるような政財界人ばかりであり、 そして殆んどは、鬼籍に入って居ります(因みに、現存しているのは、二人だけであります)。私は、つくづく世の中とは、 良い加減なものだと思います。悪が栄えて、善が滅びるのが今日なのでしょうか。それでは、私たちは生きている甲斐がないと思うのですが、 如何なものでしょうか。 七二年九月十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔1〕47・12/赤いダイヤ
    〔著者あとがき…この作品は、私が芝白金の北里研究所付属病院に入院していた時に、ある作家が、ノイローゼになり、 スポーツニッポン新聞の連載が、突然中止になると云うハプニングから始まったのです。当時、スポニチの文化部長は、 私の京城中学の先輩である成清芳男氏で、その頃、週刊誌のトップ屋を辞めたばかりの私のことを、気にかけて下さっていて、 それで私に、「急だけど、連載を引き受けて呉れないか」と云って下さったのであった。/私は、二つ返事で引受けましたが、 その時、書きたいものは、無尽蔵にあり、(週刊誌の仕事を、四年もやっていたら、当然でしょう)どれにしようかと、 迷った位でした。そうして、あれこれと考えた挙句、不図、思いついたのが、トップ屋時代、ある興味をもって、 時間をかけて調べた小豆相場のことです。ただ、それをどういう風に書くか……と云うことが、私にとって問題でした。 本当の話、私は二日二晩、病院のベッドで呻吟しました。/しかし、小豆相場には関係ないのですが、 あるスペキュレーションに身を投じている私の知人を思い泛かべた時、その作品のストーリーは、突然、 ある形を持って現われて来たのです。当時、私は入院患者で、今日のように多忙ではありませんでしたから、のびのびと、 この作品を書いたような気がします。それに挿絵を描いて下すった、小林秀美先生の励ましの言葉もあって、 野放図に書きなぐったのが、よかったのかもしれません。 七二年十月一日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔15〕47・12/お待ちなせえ
    〔著者あとがき…日本では、最近、絵画が珍重されはじめましたが、そして、それは喜ばしい傾向だと思うのですが、 画商に踊らされて、大いに損をしている人が大半です。なぜなら、日本人は、絵を作家の名前で買うからなのです。 また、画商も、日本人のそんな癖を知っていて、世に名前の出ている画家の、売り絵を言葉巧みに買わせます。 私は、そんな風潮を、身をもって感じ、パリと、ニューヨークのユダヤ画商に、インタビューに出掛け、 そして私の考え方が間違っていないことを確信しました。/それと、日本の亭主族の、地位が低下するばかりだ……と云う現状を、 大いに憂えていましたので、何か反撥を感じまして、画商の生態と、亭主族の反抗とをテーマに、執筆したのが、この小説です。 軽い調子で書いてはありますが、その中に含まれている画商の生活には、嘘はありません。取材した儘、書いてあります。 /どうか、絵をお買いになる時は、たとえ無名の新人でも、自分で見て、自分で良い、美しい、と思ったものを、 お求めになることです。それが、絵を尊重することだと思います。ま、いろいろと、画商の方からは、批難を浴びましたが、 それは、こうした小説の立場上、仕方なかったと思います。だが、常に私は、真実を小説に仮託して、 書いているのだと云うことを、忘れないでお読みください。 七二年十月一日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔3〕48・01/朝は死んでいた・作戦―"青"//他に、風のない月夜・亀裂のなか・歪んだ栄光
    〔著者あとがき…『朝は死んでいた』は、私が生まれてはじめて書いた週刊誌の連載小説です。 当時、私は「週刊文春」に所属するフリー・ライター(俗に云うトップ屋)でありました。創刊以来、六人の仲間を率いて、 必死で働いた私の苦労を多として下さった、編集長の上林吾郎氏が、作家志望である私のために、特に頁を裂いて下さって、 有名作家の短期連載シリーズの一員に、加えて下さったのです。/むろん、週刊誌の仕事もしていましたので、 当時の私にとっては、意あれど力足らずと云いますか、あまり世評としては芳しくなかったと思います。 五週間の連載でしたので、長さとしては、せいぜい百枚足らず。それで、単行本にする時は、はじめから書き改めて、 四百五十枚ぐらいになったと思います。ですから、処女作につづく第二の書き下ろしであると云えましょう。 /『作戦―"青"』は、ロケット問題の糸川博士が、ある大新聞社から集中攻撃されたので、調べ上げ、 義憤を覚えて書いた百枚の中篇ですが、発表後、別の件で筆禍問題が起きて居ります。こうした社会問題に取り組むと、 必ず何か――これは私の思い過しかもしれませんが、奇妙なシッペ返しを蒙るのは、一体どう云う訳でしょうか。 /『歪んだ栄光』は、運輸省に勤めていた兄が、実際に受けた、分裂症の部下との経緯を描いたものです。 分裂症の人間は、正常か、異常かの見分けがつかないだけに、社会にとっては、不気味な存在と云えるでしょう……。  七二年十月二十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔4〕48・01/夜の配当・非常階段
    〔著者あとがき…『夜の配当』は、トップ屋を辞めて、『黒の試走車』を発表したばかりの私に、「週刊朝日」の編集部が、 親しく声をかけて下さって、それで執筆したものです。当時、新橋の狸小路に、リボリと云う飲み屋があり、 私は毎晩のように出没したものですが、その店で顔を合わせていた「週刊朝日」の松島雄一郎氏、栗田純彦氏などが、 私の作家としてのデビューを祝って下さるために、新人の起用に踏み切られたのだと思います。一流週刊誌が、 わずか一冊の書き下ろし長篇を書いただけの、無名に近い新人に、連載を書かせるということは、大英断もいいところでした。 /私は、松島氏の御厚意に酬いるべく、執筆する以上は、「週刊朝日」の売り上げ部数を、 少しでも増加させる作品を書きたい……と努力したのでした。この時、私が週刊誌の連載小説を書く態度が、 決まったような気がします。この『夜の配当』で、私は"伊夫伎亮吉"と云う主人公を作り出しました。 その名前は、名刺帳を開いて、二人の人物の名前の上下を、組み合わせたものですが、いつしかこの主人公は、 私の心に棲みついて、<あ、こんな場合、伊夫伎亮吉なら、こんなセリフを吐くだろうな……>などと、日常、 考えるようになりました。/『非常階段』は、そんな主人公を再登場させたのですが、刺戟の強い娯楽作品を求められていたので、 かなりドギツイものになってしまいました。そして、この頃から、私の作品傾向は、エロティックなものへと、 はっきり進んでゆくわけであります。 七二年十月二十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔10〕48・02/罠のある季節・黒い船渠
    〔著者あとがき…『罠のある季節』は、ある週刊誌に連載したものです。当時、マスコミからスポットを当てられはじめた広告業界の内幕を、 私なりに取材して描いたのですが、モデルにしたD社のI氏には、すっかり御迷惑をかけてしまいました。 私としては、そのイメージをお借りしただけだったのですが、I氏の周辺の方々は、そうは受け取らず、 I氏が小説の主人公と同じような行動をとっている……と考えたらしいのです。この辺が、小説と現実との喰い違いの面白さですが、 本当にI氏には申し訳に事を致しました。/『黒い船渠』は、やはり週刊誌に、「海の薔薇は紅くない」と云う題名で、 執筆したものであります。造船業界のことが、舞台に使われていますが、いまから考えると、もっと国際的な視野に立って、 執筆していたら、遥かに面白いものになったと反省して居ります。後に再版するに当って、題名が長ったらしいので、 『黒い船渠』としたわけです。 七二年十二月十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔12〕48・02/青いサファイヤ・やどかりの詩//他に、白い炎の女
    〔著者あとがき…『青いサファイヤ』は、『赤いダイヤ』の連載のあと、引続いて執筆した連載小説です(注1)。 それで、『赤いダイヤ』のヒロインである井戸美子に、再登場ねがって、この女性ならどんな金儲けをするのだろうか……と考え、 スタートさせました。まあ、人間の知恵で考え得る、あの手この手を考えて織り込んだのですが、その結果はどうだったでしょうか。 /『やどかりの詩』は、ある芸者さんから、耳にした話がヒントになって、筆をとったものですが、私としては、割合と気に入っている短篇です。(注2) /『白い炎の女』は、ある女優を取材して書いたものです。かなり脚色してありますが、ある面では、 かなり正確に描いた積りです。(注3)/この本には、女性を主人公にしたものを、集録して頂きましたが、 私は女性の外見は描けても、その深層心理は描けない文士のようです。つくづくと、女性とは複雑怪奇で、 不思議な生物だと思います。 七二年十二月十日 伊豆・遊虻庵にて〕
    (注1)「スポーツニッポン」36・8・20〜37・11・16〈450回〉→37・11・17〜38・6・25〈219回〉)、 (注2)「小説現代」40・01〔71〕、(注3) 「小説現代」40・07〔71〕
    〔9〕48・03/紫の火花・転落の記
    〔著者あとがき…この「紫の火花」は、『週刊女性』に一年間にわたって連載したものです(注)。 当時、京の祇園の内幕を描くことは、タヴーとなっていて、誰もそれをなし得ませんでした。第一、祇園の女性は口が堅くて、 滅多に自分たちの内情を語って呉れないのでした。私は、その取材のため、よく祇園に通いました。 その意味では、かなり取材費と云いますか、仕込み賃のかかった小説の部類に入るでしょう。 /この小説の映画化の話が持ち上ったとき、祇園の幹部の方たちは、猛反対しました。この一事をもってしても、 この小説が、祇園の恥部をかなり深く、そして嘘偽りなく喝破したものであることが、お判り頂けることと存じます。 /私は、小説という形式をとりながら、その実は"真実"を報道しているのであります。世の悪を、虚偽を、暴いているのです。 このことだけは、どうか記憶に留めておいて下さい。/結局、この小説は、映画化もテレビ化もされませんでしたが、 私はヒロインの"魔子"と云う女性の生き方は好きです。混血の祇園の舞妓……などと云うものは、当時は、存在しませんでした。 しかし今後は、出現するかもしれません。世の移り代りとは、そんなものだろうと、私は考えています。 七三年一月七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    (注)39・1・22〜39・12・23〈45回〉
    〔6〕48・03/影の凶器・狂った脂粉//他に、女蕩し・一匹狼・談合入札・どんでんがくる
    〔著者あとがき…『影の凶器』は、「新週刊」と云う総評系の週刊誌に執筆したものです。産業スパイ小説ですが、 その連載中に、雑誌は潰れてしまいました。しかも、何回分かの原稿料は貰えない……と云う憐れな状態で破局を迎えたのです。 この小説に目をつけて、残りを書きつがせて単行本にしようと考えたのが、講談社の山田律雄氏(故人)でした。 ホテルや旅館では、私が脱走するからと云って、小平にある私の父の家に、私をカンヅメにしたのは、あとにも先にも、 この山田氏だけでしょう。お蔭で、残り三分の二を書き足し、やっと『影の凶器』は、陽の目を見たわけです。 /しかし、私は、毎日小平まで通って来られた山田さんの姿を、未だに忘れられません。山田さんは、幾つもの童謡の詩を書いて居られる方で、 その意味ではレコード界で名のある方だったのです。私が執筆している時は、次の間に坐って本を読んで居られ、 決して散歩などには行かれない。まったく律儀な方でした。/惜しいことに、亡くなられましたが、この『影の凶器』は、 山田さんのために書いたようなものです。ちょうど濫作時代に突入した頃の作品で、よくまあ、書き下ろしに近い仕事ができたものだと、 感心しています。やはり、山田氏の熱意に、私が根負けしたのでしょう。 七三年一月七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    〔8〕48・04/わが鎮魂歌・李朝残影//他に、族譜・闇船・京城昭和十一年・性欲のある風景・食欲のある風景・幻聴のある風景
    〔著者あとがき…『わが鎮魂歌』は、私の自伝的な小説であります。広島時代から、阿佐ヶ谷時代までを描いたもので、 多少の脚色はありますが、八十パーセントは正確と思って頂いて結構です。/『李朝残影』その他の短編は、 私が文学青年だった時代の作品で、これらに目を通して頂ければ、私が、かつてどんな小説を描こうとしていたかが、 お察し頂けると存じます。/『李朝残影』は、直木賞の候補となりました(注1)。この時の有力候補者は瀬戸内晴美さんで、 対抗が私と云うことでした。/ところが、フタをあけてみると、佐藤得二氏の『女のいくさ』が受賞となり、 とんだ大アナが出ました。なんでも佐藤氏は、詮衡委員のK氏の同級生で、そのための同情票が集まったのだそうです。 /しかし、佐藤氏は、その後、一作も書かずに死亡され、私は受賞決定の夜、銀座の酒場で詮衡委員の某氏から、 /「キミだの、瀬戸内だのに、今更、直木賞をやるこたァねえやな……」/と云われました。/芥川賞は作品に、 直木賞は人に与えるものだと聞かされていた私は、大いに憤慨したものであります。/まあ、その意味で、記憶に残る作品でありますが、 私が「噂」の小説賞、挿絵賞を創設したのは、偏見にとらわれない、編集者が決定する賞があって然るべきだ……と考えたからであります(注2)。 /既成作家が受賞者を撰ぶときには、自分の競争相手となりそうな若手を、どうしても蹴落とそうとします。 云うと云わないとに拘らず、そうして心理が働いている。それを断ち切らねば、真の詮衡とは云えません。 この点、『李朝残影』が落選したことは、自他ともにプラスだったと考えている昨今です。 七三年二月七日 伊豆・遊虻庵にて〕 (注1)第49回(昭和38年上半期)、(注2)月刊「噂」発行所主催。第1回「噂」賞パーティ(48年4月21日銀座第一ホテル)小説賞…藤本義一、挿絵賞…宮田雅之。第2回「噂」賞パーティ(49年2月28日新橋第一ホテル)小説賞…田中小実昌、挿絵賞…濱野彰親。なお、月刊「噂」は、石油危機のため用紙高騰などにより、この2月発行の、3月号をもって休刊となる(通巻32号)。
    〔16〕48・04/密閉集団・青い群像//他に、軽井沢秘密クラブ・学生の新商法
    〔著者あとがき…私には、現代の若い人たちの、感覚と云うか、考え方(思考過程)がよく判りません。 私は、小、中学生時代を、天皇制のもとで育ち、戦後の混乱期を百姓をしたり、同人雑誌を出したりして過しました。 上京以来、聞くも涙、語るも涙と云った夫婦の苦闘物語りです。しかし、私も女房も、文学(と云えば鳥滸がましいですが)に賭けていましたし、 その意味では、純粋に生きて来たと云う自負があります。また、それでよかったのだ、と思っています。 /現代の若い人たちは、なんとなく不幸で、その癖、甘ったれているところが、一杯あると私は観察しています。 学生運動にしたって、親のスネかじりです。本当の、生活の中から起きてくる運動は、そんな甘えたものではありません。 生活の叫びであり、心からの訴えであるからこそ、庶民の支持が得られるのです。そのことを、若者たちは、判っていない。 授業料が不当に高いと思えば、そんな大学に行かなくたってよろしい。勉強する気ならば、安い図書館に行って、 読書すればよいのです。/大学卒と云う肩書だけが欲しくて、大学へ行き、教授を吊るし上げて喜んでいるような学生なら、 まだしもヤクザ者の方が、人生を生き抜くと云う姿勢では、立派ではないかと私は思ったりしています。 この本に納められた『密閉集団』、そして『青い群像』は、そうした大学生たちを、批判的に描いたものです。 若い読者には、さぞかし御不満が多いでしょうが、昭和一桁生まれの連中には、こうした物の見方があるのだと云うことを、 参考にしてください。 七三年二月七日 伊豆・遊虻庵にて〕
    47・12/女房訓/祥伝社/新書判//書下し
    〔あとがき…大体、この本は、うちのワイフが、書かねばならぬものであった。/むろん、その内容は、 「家庭歳時記」みたいなものになる予定であった。/ところが、ワイフは、机に向かって呻吟していたが、なかなか脱稿しない。 /編集部からは、ヤイノ、ヤイノ催促されるし、終いには、(中略)/私は、カーッとなって、「才能がないのなら、 初めから引受けるな! こんな本の一冊や二冊、俺なら一週間で書いてしまう!」と、ワイフを叱った。 /その私の暴言を編集部の方が聞きつけて、さっそく飛びついて来た。/あげくの果ては、ひざ詰め談判である。 /私も売り言葉に買い言葉で、仕方なく伊豆に二日ほど籠って、エイ、ヤーッとばかりに書き上げた。 /それが、この本である。/いま読み返してみると、かなりの暴論のようである。 /私自身、心の隅のどこかで女性を蔑視していることがこれでよくわかったし、改めて反省しなければならないことが、 多々あるように思う。/おそらく、この一書は、世の女性たちから、絶好の攻撃材料として、採り上げられるであろう。 /書き直せば、攻撃されずに済むことは、わかっている。/しかし、敢えて書き直さない。 (むろん、その時間もないのだが)女性たちの非難には、甘んじるつもりである。/ただ、昭和一ケタ生まれの男性には、 こうした気持ちが、心の底のどこかに潜んでいることだけは、わかってほしいと思う。/また、女性を素人、 玄人というような分類の仕方をしたが、これは世間の慣例に従ったまでであって、私個人としては、そんな差別心はない。 /世の中には、男と女だけしかいない、と思っている。/まあ、私が一個の亭主として、日ごろ想っている、恨み、 つらみを吐き出した、「暴言録」だと思ってくださればよい。/でも、世の亭主族には、一つだけ言いたいことがある。 /それは、男らしくシャンとしろ、ということである。/亭主がしっかりしない家庭で、立派な子供が育つわけがないのである。 /ときには女房を、そして子供をぶん殴るだけの勇気をもってほしいのだ。/現在の国際情勢のままでは、日本は、 世界の孤児となってしまう。/物事を大局的にみて、日本民族はかくあるべきだ……という気持ちで、 家族に接してもらいたいのである。/私の言いたいのは、ただそれだけである。(1972・11・30)〕
    48・05/ぽるの日本史/桃源社/単行本//「週刊新潮」連載
    〔最終項の後半に…「憲法と"ワイセツ罪"の矛盾」…『ぽるの日本史』を執筆しながら、思ったことは、なにも日本に限らず、 文明の発達した国家では、セックスを如何に表現するか……と云うことが、大衆の中から芽生え、 そして実践されていると云うことであった。/近年、日本では、ポルノ弾圧的な風潮が強まりつつあるが、 それは大衆の意思に反することであって、常に大衆と云うものは、弾圧すれば無目的に撥ね返す作用をするものなのである。 /今度の共産党の大躍進は、そうした大衆の自衛本能を物語っているものだ、と私は思う。 /「どうぞ、好き勝手に、おやり下さい」と云えば、今日のアメリカみたいに、笛吹けど人踊らず、 と云う格好になるのではないだろうか。/憲法では、言論の自由を認めているのに、刑法ではワイセツ罪として、 言論を取り締る法規を認めている。/こんな矛盾したことが、あってもよいのだろうか。/そもそも犯罪とは、加害者と、 被害者とがあって成立するものである。/しかし、ワイセツ文書の場合、被害者がいるだろうか。 /私のポルノ小説を読んで、犯罪を実行したというケースは、未だないのである。/にも拘らず、私は過去三回、 "加害者"として、警視庁に取調べを受けている。/被害者が、まったくいないのに、警視庁の保安課の人たちが、 これはワイセツである、と判断すれば、作家も、映画製作者も、雑誌の編集者も、"加害者"にさせられるのである。 /私は、こうした社会の矛盾に反抗しているのであって、若し、そうした警視庁の枠が、取りはずされていたら、 ポルノ小説など書く気力もなかったであろう。/大衆は、常に、規制外のことを求めているのだ。 /そのことを、為政者は、常に念頭に置いて貰いたいと思う。/赤線の廃止後、トルコ風呂(注:いまソープランド)が、 それに代っているが、一番多い利用者は、独身の警官、ついで教師であることを、お忘れなく。(後略)〕

    C)桃源社版「梶山季之傑作集成」(全30巻、函入り・新書版も刊行…一部のみ)

    〔1〕47・10/男の誇り(おとこ篇1)
    〔あとがき…私のはじめての、短篇ばがりを集めた撰集が上梓されることになった(注1)。有難いことである。 過去十一年間の文士生活で、月刊誌などの求めに応じて、執筆した短篇は、一体、どれだけあるのか、自分でも想像はつかない。 //私は生来、オッチョコチョイだから、"不良少年"である編集者氏から、原稿を頼まれると"ほい、ほい、ほい"と引受けてしまうのだ。 /ところが、私が書けないなどと云おうものなら、忽ち彼は"残忍な紳士"に一変して、"なせばなる"です、 と私を脅迫するのであった。/すると、こっちだって"男の誇り"はあるから、あれは"偽の季節"のことだった、 などと逃げるわけにもゆかぬ。/ホテルを逃げて、銀座あたりで飲んでいようものなら、相手は名にし負う"夜の専務"だから、 "プールサイドにて"話をつけましょうか、なんて凄み、私の"背徳の倫理"を大いに詰るのである。 /しかし、私の大脳の方は"からまわり"するばかり、"狙った女に""色の苦労"をさせられてみたい……などと"妄想日記"、 せめて誰かの"愛妾下賜"でもあって、"あるヒモの告白"なんて書いてみたいなあ……と考える毎日となる〕
    〔解説〕"はじめて"とあるが、前掲のように、初期の短編集として講談社から7巻の『傑作シリーズ』が出されている。 だが、梶山自身は、「十一年間の文士生活で」と記しており、全般的ならびに、これまで短編小説集としての単行本にも収録されなかったものを含め、 桃源社の矢貴東司社長の熱意に応える気持ちから、そのように書いたのではないかと推測される。なお、あとがきとはいえ、 このように、収録作品名を織り込んでという"遊び心"からのものが多い。
    〔7〕47・11/一匹狼(企業篇1) ★=・=新書版
    〔あとがき…トップ屋時代、いろんな体験もしたし、数多くの、変った職業に人々に会い、取材もした。 /そのことが、私が作家となった時に、小説の材料として大いに役立ったものである。/トップ屋は"一匹狼"であり、 フリーのライターであるが、書いた原稿については、責任を負わなければならぬ。/私も、"名誉毀損"と脅かされたこともあるし、 怪電話に悩まされたこともしばしばである。/しかし、私の記事で、告訴沙汰になったことは一度もない。私は、 "怪文書"の類を信用しない性格だったからである。/ただ一度、"赤い妖精"のような美女に誘惑され、 海浜のホテルで"人魚の恋"のささやきに戸惑わされ、危うく敵の術中に陥って、不本意な特集記事を組まされかかったことがある。 /本当ならこれは、ある内閣の土台骨を揺さぶるに足るものだったが、実はガセネタで、週刊誌を利用しようとした"ペテン師物語"だったのだ。 /私が、この敵の"令嬢作戦"に気づかなかったならば、きっと後世の物笑いのタネとなっていたであろう。 /その美女は、保守党の大物が、おなじ党内のライバルを失脚させるため、巧妙に仕組んだ罠であったのである。 /棚ボタ式のネタ――には、必ず醜い鉤が隠されているものだ……と云うことを知ったのは、私にとって大事な教訓だった。 /トップ屋は、企業と企業、政界と政界……と云った、どろどろした現実社会の"亀裂のなか"で棲息している。 /それだけに、誘惑も多く、常に姿勢を正していなければならぬ。/私が現在でも誇れることは、未だ嘗て、 買収されたことがない、と云うことだ。/外国へ旅行するにしても、自費でいく。/招待旅行に応じたのは、 ソ連と東欧の旅だけであるが、ソ連作家が来日した折、自費で接待したり、ポーランドの大学生を日本に招いたりして、 借りは返している。/ロハで招待され、外国を見物した人間に、その招待国の悪口を云う勇気がないのは、当然であろう。 /私が、外国の悪口を平気で云えるのは、すべてに清潔(金銭的な面だけで)だからかもしれない。 /日本の文化人は、外国からの招待に弱い。これは嘆かわしいことだ。/でも招待した方では、それらの文化人を、 自国のカードに載せている。そして、なにかことがあると、牙を剥いてくるのだ。/"カードは一度戻ってくる"のである。 /大いに自戒すべきであろう〕
    〔22〕49・03/暗い花道/根ピューだあ(連作篇3) ★52・03新書版
    〔あとがき…ここに収録して頂いた作品は、いずれも月刊誌に連載されたものです。/ある意図をもって取材し、 そして読切り短篇として新しい趣向を狙った積りですが、読み返してみると、意に充たない部分もかなりあるようです。 /小説とは、本当に難しいものだと思います。/特に、娯楽性を要求されている小説は、純文学と違って制約がありますから、 苦しいのです。その点を、割引きして、お読み頂ければ、幸甚であります〕
    〔27〕49・04/現代悪妻伝/知能犯(連作篇8) ★=・=新書版
    〔あとがき…この本に集めて頂いた作品は、二つの連載形式をとった短篇からの収録です。/筆者としては、 かなり気に入っているものですが、読者の方にはどうでしょうか。ご感想をお聴かせ下されば幸甚です〕
    〔28〕49・10/日本の内幕(別巻1) ★=・=新書版
    〔あとがき「命を賭して」…わたくしを、エロ小説家と見做す人が多いようだが、この『日本の内幕』を一読されると、 私がかなり硬派のレポーターであったことが、お判り頂けると思う。/そのために、私は、"エロ"と云うことで警視庁に苛められた。 しかし、そのことについては、何も遺恨に思ってはいない。ただ、行政上の、いやらしさを、みにくいと思うだけである。 /真実を書く。それは作家にとっては、命をかける、いや、家族のすべてを賭ける大変な仕事だ。しかし、日本には、 そんな作家はいないようである〕
    〔29〕50・01/赤線深く静かに潜航す/年譜(別巻2) ★=・=新書版
    〔あとがき…ナシ〕
    〔30〕49・08/随筆集…青春と友と旅(別巻3) ★=・=新書版
    〔あとがきにかえて…梶山美季「親子は他人」←初出「オー・マイ・パパ」『オール讀物』昭和49年新春特大号〕
    49・04/大統領の殺し屋/光文社/新書判/「オール読物」2編+49・01「小説宝石」1編を掲載
    〔最後に…この作品は、すべて架空の物語です。しかし、もし事実の部分があるとしたら、 筆者がなんらかの形で報復されることでしょう。念のため。筆者〕
    《その1年後(50・05・11)、異郷ホンコンでの突然の死は、さまざまな憶測を呼んだ(拙稿「ドキュメント 梶山季之の死」)》



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