私は仕事柄、出版業界の“代表”として平成6(1994)年2月24日開催の青少年育成国民会議・平成5年度「青少年と社会環境に関する懇談会」のうち“情報提供1”として、 テレビ業界・出版業界・カラオケ業界のそれぞれから報告されたもの(代々木のオリンピック記念青少年センター)。 私は第2分散会「出版業界」について報告を行った。また、育成者からの問題点の指摘に関し、いくつかの回答もしている(2009・04・20)。
<関連して個別の問題と回答(橋本分)>
女性を対象としたもの(レディースコミック含む)
刊行形態 雑誌名 出版社名
月 刊 コミック・フィズ 2月号 三和出版
月 刊 コミック・フィズ 2月号 三和出版
月 刊 コミック・フィズ 2月号 三和出版
月 刊 コミック・フィズ 2月号 三和出版
月 刊 コミック・フィズ 2月号 三和出版
理由:だれでも手にすることができる雑誌としては性描写が過激である
橋本(出版倫理協議会)…レディースコミックについてのお話がありましたが、これもほとんど雑誌です。
一般に出版されているレディースコミックは大人向けであるということで、
そういうものには性表現にかなりきついものがあるように思いますが、子供はほとんど読みません。
レディースコミックに関しての余談ですけれど、ある社の人が創刊するのに23歳ぐらいの女性を対象として考えていたところ、
実際の反応は36,37歳で、結婚しているけど、子育てに忙しくて外に出られない人が主な読者だったと。
先ほどの少年ものの読者に40代の人もいるということはまたちがった意味で、レディースコミックが読まれている面があるように思います。
その他(対象不明を含む)
刊行形態 雑誌名 出版社名
一般書籍 完全自殺マニュアル(鶴見 済著) 大田出版
週 刊 フォーカス2月2日号(完全自殺マニュアルについて) 新潮社
理由:どこを見てもいろいろな自殺のやり方が書いてあるというのは問題
橋本(出版倫理協議会)…『完全自殺マニュアル』を出した編集長の話ですが、自殺した中学生のお父さんが、有害図書の指定をするように福岡県に申請したが、 県は指定対象とはしなかったと。その理由は、性表現、暴力表現等ではひっかからないし、残虐だといっても写真があるわけではないと。 それから、著者は淡々と書いているというようなことで、いわゆる残虐性を助長するものではないということで指定対象とはしなかったという話をしておりました。
刊行形態 雑誌名 出版社名
一般雑誌 電脳通信ピピ(ゲームボーイ2月号増刊) マガジンボックス
一般雑誌 美少女パソコンゲーム大研究9 三和出版
理由:だれでも手にすることができる雑誌としては性描写が過激である
理由:未成年者には販売禁止になっているパソコンソフトの内容を紹介するのは問題
橋本(出版倫理協議会)…CD-ROMやパソコンは子供でもアクセスできるところに問題がありそうです。 女性の裸のものとかいろいろなものがあるようですが、本来、子供に性的好奇心がなくても、そういうソフトがどんどん出てくるということは、 目に見えないというか、意識されないうちに潜在的に植え込まれるものがあるのではないかという意味で非常に危機感を覚えます。 ですから、こういう雑誌で、読者対象はよく分からないんですが、こういうソフトがあるということを紹介するのは、 間接的には青少年にとってはどうかなということが起こるかもしれません。
【出典:平成5年度「青少年と社会環境に関する懇談会」報告書(社団法人青少年育成国民会議:平成6年3月発行)】