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名入れ色紙   第2回 "弘法は筆を選ばず"

{その二}"弘法は筆を選ばず"

 色紙には漢詩や座右銘、和歌や俳句を書いたり、絵を描く人、紙人形を貼る人もおります。 タレントのサインや力士の手形、生まれたばかりの赤ちゃんの足型をとるなど用途は広いものです。
 しかし本講座は、ちょっと頭を働かせて、楽しくオリジナルの色紙を書こうというものですから、 その心得について、簡単に述べておきます。

◎毛筆でなくてはダメ? 墨もするの?
 色紙に向かう前に、毛筆書きの練習をするには、座右の銘や好きな言葉を書くことも一つの方法です。 しかし「一日一善」はまだしも、「三日坊主」「日暮れて道遠し」「ローマは一日にして成らず」などでは、 お先真っ暗となります。"言葉遣い"には創意と工夫を心がけましょう。
 墨を磨るのも面倒だという方には、書道の先生には失礼ですが、筆ペンを使うのもよいでしょう。 これは色紙に言葉を書くことに意義があるのです。書いたものを展覧会に出そうとか、 商売にしようというものではありません。 あくまでも趣味として、色紙を書いて贈ろうというのが趣旨ですから。貴方なりの流儀でよいのです。

◎色紙になじむ
 これがいちばんの眼目といえます。自分で考えた文章や五七五七七などの句(そのバリエーション)を、 色紙にバランスよく書く(天地左右に適度に余白を設け)、漢字と仮名、大きな字と小さな字の組み合わせも看過できません。 上手に書く、字がうまいどうかは二の次とはじめから無理をしないことです。 なお、自分の名前や年月日は小さく書くことを忘れずに。いずれにしてもレイアウトが大事なのです。

◎言葉を考える
 言葉を考えるといっても、さして難しくはありません。私のいちばん古い"ことば"は学生時代のものです。 年末にある出版社のアルバイトで、歳暮代わりの手ぬぐいを包む熨斗紙に縦長の社判を押していると、 通りかかった社員から「真っ直ぐに押して、うまいね。まあ、九二点だな」といわれ、 とっさに「まだ発展(=八点)の余地がありますね」と答えたものです。
 要は、@言葉遣いに敏感になる、A日常的に訓練する、 そしてBダジャレの効用を忘れてはならないということです。

たとえば「教育(きょういく)」を、それぞれアタマにおいて考えてみましょう。

       A案(表向き)      B案(現実的に)

          きつくても        今日もまた
          余裕をもって       余分な仕事
          倦むことなく       うんざりだ
          いつの日か        いつになったら
          苦あれば楽あり      苦労なくなる

 このように、同じ言葉でも考え方によって、まったくニュアンスの違う表現をすることができるのです。 つまり、いつでもどこでもできるアタマの体操であり、現実を客観視する、いや洒落のめすことによって、 明日への活力? も出てこようというものです。

[コラム]
一般的に色紙とは方形の大色紙をいい、いちばん小さいのは90ミリ四方の豆色紙である。 また、用途によって円窓型や扇面型などがある。 オモテ面は白無地が普通で、画仙紙や鳥の子など文様が描かれているものもある。 ウラは銀の砂子など。また縁は金の縁どりのあるのがポピュラーである。 よく見かける短冊にも大小があるが、用途は色紙と同じである。 この他、扇子の地紙を使う扇面や、茶室の床に掛ける軸物(茶掛)などと大がかりなものもある。


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