似非エッセイ目次

似非エッセイ 2003年10月上旬号

9月下旬号       10月下旬号


「"迷主"の采配」
 プロ野球の"盟主"巨人の原監督が辞職だか解任だかされて、世間は、GMや球団社長が現場に口を挟むのは行き過ぎ、 いやオーナーが監督や選手を読売グループの"社員"とみなす人事がおかしい、とかまびすしい。
 そもそも、監督の人選に問題はなかったのか。さしたる実績もない元選手を抜擢したのはなぜか。 人気取りが目的だったものの、視聴率が取れないとか、新聞が低迷しているのは、メディアに魅力がないからであって、 巨人のせいではない! 本来なら、首脳陣こそ、責任を取るべきだったのだ。
 一方の監督はどうか。選手交代を告げるときの、右手を出すポーズだけは様になっていたが、これとて前監督のマネであろう。 ベンチでも、華がなかった!
 3年契約ならば、もっと頭を使って、いきなり日本一などにならず、みっちり3年間で稼ぐように"計画的"にやればよかったのに。
 彼の野球人生は、父親抜きには語れない。今回もどこかの週刊誌に顔を出していたが、 彼らは高校も大学も親子で野球をやっていた "父子鷹"(鷹=ホークス)である。
 しかし、福岡県出身だから、ダイエーなら何とかなるかもしれない、なんていうのは虫のよすぎる話だよネ。

「トップの謝り方」
 JR東日本の社長は、中央線の架け替え工事のミスに関し、「お客様のご迷惑をもっと考えるべきだった」 といった(真意:もともと乗客のことのなど考えておりません!)。
 出光石油の社長は、「地震がなければ、(火災事故は起こらなかった)」と責任転嫁もはなはだしい。 ここ4年間で6回の火災事故を起こしながら、このせりふ。もう少し気の聞いた発言ができないものか。 いっそ、社名を"出光"ではなく、"出火(いでひ)"とでも改正してはどうか。
 そういえば、前言を翻したり、「イラクの大量兵器が見つからないからといって、ないわけではない」 などと言った小泉首相の詭弁こそ、聞き苦しい最たるものだ。

「地位にレンメンとしない…」
 今度は、辞職を勧告されても、どうしても辞めない人の話だ。
 日本道路公団の藤井総裁は、石原国交相の長時間の事情聴取にも、疲れた様子も見せず 「私は薩摩の人間だ。地位や今のポストにレンメンとする人間じゃない。大臣にお預けしております」と述べ、 石原大臣も「総裁は『地位にレンメンとしない』とおっしゃった」と、翌日にも辞表を受け取るつもりだったようだ。
 その後の辞任撤回はご承知の通りだが、問題は総裁の言葉遣いである。 翌日の新聞は、「地位に恋々としない…」と"誤報"、いや"改ざん"して報じていたが、その後の総裁の言動を見ると、 わざと言い違えたのではと勘ぐりたくもなる。
 直ぐにも辞める意味ならば、"恋々"が相応しく、そういうつもりではなかったから、 音がよく似た"連綿"で誤魔化したのではないか("レンメン"には「連綿」=長く続く、という熟語しかない)。 大受けを狙った、石原国交相およびボスの小泉首相にとっては、大誤算だったようだ。
 人の"道"をはずれるようなひとが、いつまでも君臨する世界はおかしいが、この国では"レンメン"と続くのでしょうな。

「菅よ、お前もか」
 今度の衆院選挙では、マニフェスト解散だのとネーミングは新しそうで、自民党と新生民主党の二大政党の、 "政権交代を賭けた"戦いになるそうだが、中身がちっとも変わらないのが、立候補者の顔ぶれだ。
 自民党の"73歳"制限を無視して、元気な? 中曽根・宮沢の両元首相も出馬するようだし、二世・三世議員は小泉首相、 麻生総務相、安倍幹事長、小沢前自由党党首ら4人に1人という多さ。
 さらに、田中前外相も復帰を狙うようだし、都知事(元衆議院議員)の3男も出るかと思えば、負けてはならじ? と、 菅民主党代表の長男も出馬というのだから、やはり、"看板"はものを言うわけだ。
 二世議員に批判的だった菅代表は、地元でも「親バカ」といわれているそうだが、なに長嶋監督の息子を批判した、 野村監督(当時)の例もある。親はみな同じだ!
 国民(有権者)は、人気投票のような気分でいるから、セクハラもヒットラー崇拝も関係なく投票するだろうから、 彼らは多分、みな上位で当選するのではないか。
 <オレたちには関係ないと棄権を決め込まないで、ひとつ古い小話で、気分転換を!
「親子は一世(せ)、夫婦は二世(せ)、主従は三世(ぜ)、他人は五世(せ)」「じゃ、四世は?」「間男は四世(よせ!)」>

「引退するのも容易じゃない!?」
 前につづく。
 もちろん、塩爺こと塩川正十郎前財務相のように引退する人もいるが、引退も容易じゃない事情もあるらしい。
 昭和30年代の後半、池田内閣で法務大臣を務めた賀屋興宣(かや・おきのり)の発言だったと思うが、 "200人も養っており、簡単に辞められない"という趣旨の談話を雑誌で読んだことがある。
 会社であれば、社長に何かがあっても、直ぐに潰れるものではないだろう。 しかし、代議士として、1人が立つ(議員になる)かどうかで、200人が路頭に迷うとなれば、 落選や引退は関係者には"死活問題"ではないか。
 選挙や議員生活に、金がかかるとは常識だが、思えば秘書給与流用問題で、清美氏が起訴され、 真紀子氏が起訴されなかったのは、ひとえに"貧富"の差であろう。やはり"カバン"がものを言うわけだ。
 ついでに、"地盤"にふれれば、ある候補者の後援会に入ったばかりに、引退したあとは別の候補者の後援会員にさせられ、 さらに公選法の改正で鞍替えとなり、今度は別の候補者から、ハガキが届くようになった人もいる(新聞投書)。
 会員名簿は一人歩きする? いや、やはり名簿は高く売れるらしい。

「危険な仕事だから、ご褒美とは」
 いつ決めたのか知らなかったが、このたび政府は「第一回危険業務従事者叙勲」の受章者3,546人(うち、女性6人)を発表した。
 危険性の高い業務に従事して、自己を犠牲にして社会に貢献した人たちが対象だそうで、警察官1,932人、自衛官887人、 消防吏員636人、海上保安官90人、入国警備官1人となっており、最多の東京は295人、次は北海道の242人、最少は山梨の19人という。
 不思議なのは受章者の年齢で、「防衛」はみな61歳、「消防」は60代後半、「警察」は70代後半と"差別"のあるところだ。 こころは、イラク派遣で尻込み? する自衛隊員の士気を鼓舞するのが目的だったりして。
 "自己を犠牲にして社会に貢献"なんて聞こえはいいが、何が"犠牲"の基準なのか、みな生きているんだぞ!?  要するに、旧・勲五等と勲六等に相当するもので、単に名前を変えただけ、役人の考えることはいつもコスッカラシイ。
 本来の意味で"自己を犠牲にして社会に貢献"したのは、先の"居座り"総裁を「亡国の総裁」と月刊誌で批判して"左遷"されただけでなく、 総裁から訴えられた日本道路公団の片桐幸雄さんや、任地からイラク戦争に反対の公電を打ち、 外務省を"解雇"された前駐レバノン大使の天木直人さんではないか。

「ジーゼル規制の"愚"」
 10月1日から、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、排ガス対策をしていないジーゼルトラックなどの乗り入れが禁止された。
 他県から首都圏に入る車も規制されるから、生鮮食品などを運ぶ地方の車にも影響が及ぶ。 違反者には罰金50万円というが、不況のおり新車に買い換えることはおろか、装置を取り付けるにも大金がかかって、 経営者は大変だそうだ。
 国、自治体、業界団体などの補助で費用の75%を賄うことができる県民もいれば、 自治体は貧乏だから補助できないという県もある。はては、国(国土交通省)は40億円もの予算がなくなったから、 補助は打ち切りと"涼しい顔"だという。
 この規制はまだ自治体の条例だが、そもそも大気汚染を減らす環境対策は、国を挙げてのものではなかったのか。 役人はほんとに、国民のことなど考えていないというが、いま"智恵子の空"には県境どころか国境もないことが分からないとは。

「ケータイで"仲間"を売る?」
 カメラ付の功罪…第1話。女子高生が他校の男子生徒の飲酒現場を撮影し、それを見せびらかして学校にバレ、 双方とも退学になったという。これからは、だれでも「肖像権」を意識しなくてはならないが、 すでに一億総監視カメラの時代に入ったことを示すものである。
 同…第2話。中学生も負けていない。都下のある公立中学校の3年生は、この9月大挙して修学旅行に行った。 古都京都である。ある日、旅館の女風呂で、男子が入浴中の女子生徒を盗撮したとして生徒たちの間で噂になったが、 先生たちは知らないという。まさか、先生たちは酒盛りをしていたわけではないだろうが、学校がイジメや暴力はないと、 報告する実態を示すものである。
 別の第3話。ちかごろやたらと多い幼児や少女たちの誘拐事件に関し、小学3年生の女の子を持つ母親(会社社長)いわく、 「駅から暗い道を1人で帰るなら、誰かと電話で話し続ける」のがよいのではと、あるコラムに書いている。 理由は「いつでも助けを求められる」からだそうだが、"会話に夢中になって、周囲が見えなくなる"のが、なぜ安全なのか。
 一見賢そうでも、親バカ的な発想をする人がいるから、ケータイはますます発展する。

(以上、2003・10・13までの執筆)


ご意見、ご感想は・・・ kenha@wj8.so-net.ne.jp