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「懲りずにコラム」 2004年6月下旬号

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「お名前は? 米の下に、田に共、と書きます」
 このたび、法制審議会は人名用漢字を増やそうと、578字の案を示し、国民に意見を求めるとした。 本来、人名は「常用平易な文字を用いなければならない」規定があるそうだが、この案にある漢字たちの、 どこが"常用平易" なのか理解に苦しむ。
 また、本や雑誌など出版物によく出てくるものから選んだというのは、公平さをいいたいのだろうが、 それら出版物はどのような基準でどれくらいの数が選抜されたのか、はっきりしない。
 今回の追加案は人名用漢字の増加を望む声に応えてというが、その前はどうだったか。 法務省が戸籍事務のコンピューター化を図るとして、氏名の俗字、略字を職権で訂正できるとしたのは91年1月1日からで、 当時全国の総戸籍約4423万のうち約3割に氏名の誤字、俗字があるとのことだった。
 それまで、手書きであったため、本人が書いた俗字や崩し字を誤って転記したりしていた、 ずいぶんいい加減だったお役所が、突如IT宣言したわけである。
 おかげで、愛着をもって使っていたのに、"コンピューター様のために" 強制的に変えさせられた人も多かったはずだ。 ヒジカタ・トシゾウさんの"子孫たち"は「土」のどこにも、テンを打てないため、公式には「ドカタさん」なのかしらん?!
 今度の案は、コンピューターで使われている文字ならば結構というのだから、まさに"機械的"な処理である。 ところで、ワープロ・パソコンの普及で、すでに漢字表現(表記)が怪しくなっている親たちが、 わが子の誕生とともに俄か漢字博士になるのは、「漢字は知的な感じ」という根強い"信仰"があるからであろう。コッケイである。
 生まれた子どもに、カッコいい名前をつけたいという気持ちは分かるが、画数も多く、読み方も難しい名前を、 幼児期から書く"苦痛"を味わう子の姿を想像する親はいないのだろうか。
 あげくの果てに、名は体を現しすぎたり、名前負けして、非行に走ったりして……。

「問題は、雑誌の良し悪しではない!」
 7月から、東京都の条例改正で、コンビニなどで売られる成人向け雑誌の多くは、 中味が"覗けない"ように「シールによる包装」を余儀なくされるという。青少年に見せるなという大義名分によるが、 これでは大人も"覗く"ことができないではないか。
 公権力による営業妨害にちがいないが、この春に政治家の娘の離婚問題を報じた週刊文春に対する 「発行停止」処分では大騒ぎをした、大手出版社やその応援団もほとんど問題視していないのは、なぜだろう?
 10年以上前に、週刊誌が永田町や霞ヶ関で"歓迎"されたのは、政治家や官僚らにとって、 ライバルのスキャンダルを暴いてくれたからだった。しかし、昨今彼らがそれら雑誌を目の敵にするのは、 累はわが身に及ぶと気がついたからであろう。
 その週刊誌の一つ、販売部数では最高を誇る週刊ポストが、ヘアヌードの掲載を止めることにしたという。 いまさらハダカでもないだろうとか、やはり東京都の条例による影響だろうという見方もある。
 日ごろ、威勢のよい? 週刊誌も、泣く子と地頭には勝てぬというところか。 あるいは、シール包装などオレたちには関係ないと思っていたが、そうでもないらしい、と今ごろになって気がついたのだろうか。
 出版関係者の多くは、事あるごとに、表現の自由などと声高に叫ぶが、先の発行停止処分もシール包装も、 根は"雑誌つぶし"、つまりは"出版つぶし"という流れにあることにもっと早く気がつくべきではなかったか。
 さらに、いま憲法改正、"再軍備"、そして有事法制を整え、"戦争"をしたがるコイズミ政権下、 監視カメラ導入に賛成するカシコイ国民諸君! これ以上"国営放送"の流す純愛ドラマ「冬のソナタ」ムードに浸っている場合ではない!!

「今世紀最初の大発見!?」
 だれが決めたのか、プレゼントは白いバラに赤いカーネーションなどと。父の日は6月の第3日曜、今年は三日前の20日でした。 母の日は同様に5月の第2日曜、9日でしたね。
 いずれの日も、子をもつ人であれば、お祝いされなくても勝手にめぐってくるわけですが、 父の日と誕生日が重なるお父さんは、そう多くはないはず。同様に、二つが重なるお母さんも。 希少価値、メデタイではありませんか。そこで大研究のはじまりです。
 1985年から今年までの20年間で、両方が重なったお父さんの誕生日は、6月15日97年・03年(2回)、 16日85・91・96・02(4回)、17日90・01(2回)、18日89・95・00(3回)、19日88・94(2回)、20日93・99・04(3回)、 21日87・92・98(3回)、22日86(1回)の7日間だけでした。16日だけ4回なんて、なんだか不公平ですね。
 同じようにお母さんの場合は、5月8日88・94(2回)、9日93・99・04(3回)、10日87・92・98(3回)、 11日86・97・03(3回)、12日91・96・02(3回)、13日85・90・01(3回)、14日89・95・00(3回)の、やはり7日間であります。
 何か気がつきませんか。母の日と、父の日に共通する年がいくつかありますね。そうです。 たとえば、母の誕生日が5月8日で、父が6月19日の場合は、来年がダブる年です(日にちを足すと27)。 同様に、9日と20日が同じ年(同29)、10日と21日(同29)もそうですから、11日は22日と思うでしょうが残念でした、 15日です(足すと26)。12日は16日(同28)、13日は17日(同30)、14日は18日(同32)という組み合わせでオシマイ。
 ともかく、このような組み合わせとなる、仲のよい両親をもつ、子供たちには"厄年"かもしれませんね。
 どうして、7組しかなく、(なぜ足すのか分かりませんが)合計が順序よく26から32までなのかなどは、 これからの研究に待たれます。もっとも、多くの人がこれ以外の組み合わせでしょうから、どうでもいいことかもしれませんね。 よけい、蒸し暑くなったのであれば、平にご容赦を。

(以上、2004年6月23日までの執筆)


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