「いつも、いつまでも…父の日」
一般人がコメントをするとき、「やっぱり」(若者は「やっぱし」)を何度も使うのは現代人の口癖だなどと、
新聞のコラムにあったが、私も「父の日メッセージ」(東京06・06・18)に、どんな言葉が多かったか、さしてヒマでもないのに調べてみた。
読者が3行分のスペースを1050円で買って、"父親"に感謝のメッセージを送るという恒例の企画である。
今は亡き人あてを含め51件のうち、いちばん多いのは「ありがとう」の23件で、「いつも」は22件、「いつまでも」10件となっている。
うち「いつも」+「ありがとう」組は18件もあり(「いつも野菜をありがとう」を含む)、これらが冒頭(1行目)にあるのは12件、
2行目には5件、3行目は1件であった。
ついで、「いつまでも」は、生存組には「いつまでも元気でいてください」、死亡組には「いつまでも見守っていてください」と"願望"の違いが出ており、
日本語は便利である。しかし、「いつまでも長生きしてください」は何となく落ち着かない感じがするのは、年寄りのヒガミか?!
(ちなみに、小生、本日〈2006・06・20〉一つ歳を取りました)
投稿者は家庭を持った息子娘たち、さらにはもっと小さい子供から"老妻"まで、バラエティに富んでいるが、
呼びかけの言葉を見ると「パパ・ぱぱ」が11件、「お父さん・父さん・おとうさん・父上」は21件、実名が8件(前記とダブる分を含む)とあり、
"呼びかけなし"もかなりあった。
さて、「お父さん、あちらでもお元気ですか?」の「あちら」は「そちら」のほうがふさわしいであろう。
ついで、「これまでもありがとう。そして、これからもよろしく。又新幹線で顔見に行くからね」の「顔見に行く」なんて、
かなり"親密"ではないか。子ども連れで実家に帰り、何日もラクをしたあと、父親から小遣いをもらってくる母親(娘)の姿が浮ぶ…。
秀逸は、「二人で過ごした楽しかったとき、苦しかった日を思い出して、当時は分からなかった深い愛を味わっていす」。
"お父さん"はさまざま、ですねえ。
「社会保険庁、の怪?!」
いま、何かと話題に事欠かない社会保険庁から、「国民年金・厚生年金保険・船員保険 年金受給権者現況届」を提出せよと、
今年もその案内が届いた。これは、誕生月にあわせて受給権者に送るのであろうが、勝手に免除手続きをされた人の場合はどうなるのかと、
他人事ながら心配だ。
それはさておき、ご丁寧にも"ハガキの裏面(宛名面でない面)"には「プライバシー保護のため、目隠しシールをはってください。」
との注意があり、ハガキよりやや寸法の小さな"目隠しシール"が同封されている。去年はあったかどうか。
さて、問題は"プライバシー保護のため"といわれる"プライバシー"とは、いま混乱のきわみにある"個人情報"つまり、
その人を特定する名前や住所・年齢・家族構成・勤務先などであろうか。であれば、"ハガキの裏面"の現況届に記入させる
「受給権者の欄」にある住所・氏名(振り仮名は印字済み)に生年月日(印字済み)・電話番号は同庁の考える"プライバシー"ということであろう。
いや、2箇所にある14桁+2桁と同じ番号こそ"プライバシー"にかかわるのであろうか。
と申すのは、"ハガキの表面"(裏面でない面)にも、「受給権者住所」「氏名」の記入欄があり、
その下には「現在、お勤めになっていますか。」に「はい・いいえ」で答えさせ、
「はい」の場合は「勤務先の事業所等の名称(フリガナ/電話番号)」と「勤務先の事業所等の所在地(郵便番号/フリガナ)」を記入せよというが、
ここに貼るシールが見当たらないのは、予算上の問題だったのか。
表と裏では整合性が取れていないのだが、裏金作りなど役人の得意なことだから、裏も表も区別もどうでもよいのかしらん。
「シンドラーのリスト?!」
人はどうして、高い所に住みたがるのだろう。他人を見下ろしたいからか、何とかと煙は高くのぼる、からか。
姉歯元一級建築士などによる耐震偽装事件の前には、六本木ヒルズでの回転ドア殺人事件があったが、
今度は高層マンションでのエレベーター殺人事件が起こった。
少年が犠牲になったそのエレベーターは、日本国内のシェアが1%というスイスのシンドラー社のものだそうだが、
お役所関係に強かったとか。たとえば、国土交通省の工事発注では、過去3年間で約1割の25件を落札しており、
低価格での営業が裏付けられたとか。これは、コピー機をただ同然で設置して、メンテナンスで稼ぐ方式に似ているという説もある。
どこに納入したか、新聞を見ると「シンドラー社 リスト提出/設置、全国に8834基/国交省が事情聴取」(東京06・06・10)とあった。
東京・大阪・愛知が1千台を突破し、ついで静岡・福岡・神奈川が600台前後。無設置の秋田や4台だけの山形は胸を張っていいのだろうが、
かえって"無視"されたと思うかも知れない?!
さらに「メーカーと独立系の壁/安全脅かす情報秘匿」と、製造元とメンテナンス会社のどちらが責任を負うのか、
一方で、お馴染み「国の情報収集に不備/繰り返される同種事故」や、「ドアが開いたまま昇降/プログラムミスが原因」などもあり、
今後どのような"決着"を見るのか(W杯における日本チームの帰趨よりも、予想しがたい!!)。
余談だが、04年8月のニューヨークでの同社製による死亡事故は「ブレーキねじ緩み原因/市が調査報告書」とあるし、
ドイツでは別会社のエレベーターで「車いす男性 80時間閉じ込め/ビスケットで飢えをしのぐ」というのは、
今月14日ベルリンでのこと。
まさかW杯でもあるまいし、こんなニュースで国際的に競争してもらっては困るではないか。
《「シンドラーのリスト」とは、映画にもなったトーマス・キニーリー著『シンドラーズ・リスト─1200人のユダヤ人を救ったドイツ人』で、実話を基にしたもの》
(以上、06年6月20日までの執筆)