ひたすらコラム目次

「ひたすらコラム」 2006年9月上旬号

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「それぞれの、9・11」
 未明の3時半過ぎ、とつぜんの雷と強い雨がなかなか止まず、昼間のようにあたりを明るくイナビカリを、呆然と眺めていた。
 この日(と25日)に白内障の手術を受けるという常陸宮妃殿下(66)と、やはり同じスケジュールだった同年輩の知人女性はいかがであったろうか。
 甲子園の人気者、早実の斎藤投手も、「プロ志望届は出さず、大学に行きます」と記者会見するなど、彼らはアマチュアであることも、たいへんのようである。
 さて、"消化試合"といわれる、自民党の総裁選では候補者が、この日も三者三様の盛り上がらない"舌戦"を繰り広げているが、 「だれ一人、環境問題について言ってませんよね。これが驚くんですよ。自覚のなさに。……環境問題は最後は政治問題。 政治家がばーんと決断してくれないといけない」と苦言を呈するのは、25歳の史上最年少で7大陸最高峰登頂記録を成し遂げ、 今年4,5月に2隊によるマナスル・富士山同時清掃登山をやったという野口健さん(33)である(東京06・09・12)。
 本命安倍晋三クン(51)は若いといわれているが、いっそ日本の政治はこのアルピニストたちに任せたほうがいいのじゃないかしらん。
 さて、もう一つ本家9・11では、5周年を迎えて新たな悲しみにふける遺族もいれば、同時テロを事前に察知していたらしいブッシュ一派はそれを"テロとの戦い"に利用したとの"真相"も暴かれている。 さらに、アルカイダ=イラクとして国民を恐怖心に陥れ、ありもしない大量破壊兵器を理由にイラク攻撃を繰り返し、米兵にも多大な犠牲者を出し続けるブッシュ政権に対し、 米議会は「旧フセイン政権とアルカイダは無関係」との結論を出したという。つまり、"でっち上げ"によるアフガニスタン攻撃とイラク戦争だが、 戦争犠牲者たちの家族は居たたまれないだろう。
 ひるがえって、わが国では、いち早くイラク攻撃を支持し、「大量破壊兵器はいずれ見つかると思う。 フセイン大統領が見つかっていないから、イラクにフセイン大統領は存在しなかったといえるか」との迷せりふを吐いたブッシュ・チルドレン第1号コイズミは逃げ切り、 あらたに第2号チルドレンを安倍が継ぐというのだろうか。
 かつて日米安保問題で、連日改定阻止の国会デモが繰り返され、窮地に陥った岸首相(安倍晋三の祖父)は、 (国民の)「声なき声」を尊重するといったのだが(1960・05・28)。
 しかし、国民のほとんどが声を上げない現状は中学生でも分かっている。「今、どんな危険な方向の政治がされても、 反対運動が起こらないのは、この(規則を守る「いい子」を作る)教育制度の成果かもしれない」と(女子・14、東京06・09・12「わかものの声」)。

「ベストセラー本?!」
 自分の本を出版することは嬉しいだろう。たとえ、それが別の人によって書かれたものであっても、「本を書いた」といえば、 他人は信じてくれるからだ。つまり、出版社が原稿を預かり、本にして書店等に流す、著者にしかるべき印税を支払うというのが"慣行"だが、 いま流行りの自費出版かどうか、素人には分からない。そのうえ、本屋に「見当たらない」から、「売れている」と思いたくなるのも無理からぬことだ。
 日本人は、他人の動向に左右されやすいから、テレビで取り上げたり、新聞の書評に引きずられたりして、とりあえずは買わなきゃ、となる。 口コミもバカにはならない。
 しかし、売れているからといって、「安倍晋三『中身のないタカ派』の証明/政権構想『美しい国、日本。』はパクリ」とか、 「大ベストセラー『警察裏物語』の北芝健は丸ウソ!」(「週刊現代」9・23号広告)となれば、ちと考えモノではあるが。
 ところで、テレビタレント"予備軍"や化粧品のセールス販売員などが多数登録する人材派遣会社は、人に"スターになれる"との夢を与えたり、 キレイを売り物にするなどして、不況には関係のない業種であるらしい。
 とくに、社長にカリスマ性があれば、社員はじめ誰もがあやかりたいと思うもの。そこで、成功者としての"教本"いや、 一代記が必要になってくる。
 先の「売れている」の一つに、印刷部数が少ないから「見当たらない」場合や、部数が多くても書店に出ない場合 (例えば、カリスマあやかり族が別ルートで買う)などが考えられる。
 上述の二書については詳らかではないが、かつて政界進出を目論む若手財界人が、自著を二万部買い占めたという話もあった。 宗教関係では、信者に買わせるというやり方も多く見られる。
 ベストセラーはかく作られるのだが、多く売れたからといって、よい本とは限らない(なんていえば、売れないモノ書きのヒガミと取られるかしらん)。

「なんとなく、回を重ねる会」
 なんとなくクリスタル、ではなかった。立場は違ったが、なんとなく気が合う男女3人が年に1,2回、順に会場を決めて、 夕方から酒食をともにする会が始まった。
 皆が1942年生まれと知り、かつ大学卒が1年ずつちがうのに、少し驚いた。
 やがて、もう一人43年生まれの男性が加わり、4人持ち回り年3回の会が、テーマも何もなく、きわめて曖昧なものとして、 もう10年以上も続いている。
 そこで、会場選びと個性について考察しようと試みたが、個人情報を出すのは憚られるので、私だけにした。 高層ビルの最上階や、また地下に潜ったり、地上の小さな店もある。同じ店が2度続くなど、会場探しはかなり難題ではある。 とくに11月は「お酉様」が定番。今年もそうであれば、また私の番である。
 ともあれ、皆が勤めていた初期のころは、開始時間も世間並みであったが、定年後や嘱託などの身分となると、 だんだん早くなり、いま「4時開始」さえもどかしく、「3時半」の声も上がっている。自由時間が長いのと親の介護など、 さまざまな要因は、どなた様とも変わりはない。
 94年(1)5・19(木)18:30折ヅル亭(新宿NSビル)、(2)11・7(月、一の酉)18:30かに道楽(新宿本店/H)
 95年(1)5・30(火)18:30"居酒屋"(新橋)のみ
 96年(1)6・13(木)18:00南国酒家(渋谷/H)、(2)11・25(木)18:00"居酒屋"(新橋)
 97年(1)5・20(火)18:00高瀬(新宿ハイジア)、(2)7・31(木)17:30ライオン(銀座7丁目)、(3)11・12(水)19:00バルバッコア(表参道)
 98年(1)4・6(月)の予定が「1か月ほど延期」となり、8・10(月)18:30はつもみぢ(新宿/H)
 99年(1)4・16(金)18:30うお処 兆一(新宿三井ビル)、(2)9・7(火)18:00銀座近くのビヤホール
 2000年(1)4・14(金)18:30東京文化会館、(2)8・2(水)18:00第二力(中野/H)
 01年(1)4・12(火)18:00行き当たりばったりの居酒屋(銀座)、(2)7・9(月)18:00月の蔵(新宿センタービル)、(3)11・7(水)18:00かつ吉(水道橋/H)
 02年(1)4・5(金)18:00加賀(神楽坂)、(2)7・26(金)18:00ごん(?)、(3)11・25(月、三の酉←雨で行かず)18:00五香路(目黒駅/H)
 03年(1)4・11(火)18:00"不明"(小学館ビルB1)、(2)7・30(水)18:00銀座ライオン(本店)、(3)11・17(月)18:00旬の味 きり山(新宿)
 04年(1)4・8(木)18:00上野市場本店(上野/H)、(2)7・29(水)17:30行き当たりばったり…庄屋(東京駅)、(3)11・17(木)16:30再び…庄屋(東京駅)
 05年(1)4・5(火)17:30うたや 菊一丁新宿店、(2)7・28(水)16:00ライオン(渋谷マークシティ/H)、(3)11・17(木)16:30ちゃんこ 江戸藤(両国)
 06年(1)4・20(木)16:30ステーションビヤホール(恵比寿)、(2)8・23(水)16:00…再びステーションビヤホール、(3)…はたして、今年のお酉さんはどうか
 などと思っていたところ、別のグループの一人である大学教授が、会員4万人を抱える学会の会長に就任したことを祝って(酒の肴に)、 10月下旬に集まりを持とうということになり、その準備に追われております。

(以上、06年9月12日までの執筆)


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