なぜかコラム目次

「なぜかコラム」 2010年7月下旬号

1月上旬号       10月下旬号


「何でか、チデジカ」
 この24日(土)の新聞を見てオドロイタ。いや新聞ばかりか、地元テレビ局のチラシは“地デジ化”を急げのオンパレードではないか。
 長年、慣れ親しんだアナログ受信機にこだわる“地デジ難民”としては尻に火がつく?!  いや、エコポイントやらに踊らされて、すでに買い換えたご家庭も多いかしらん?!
 “地デジ化”とはどんな仕儀なのか。東京新聞・放送&芸能欄を見ると、特集「地デジ完全移行まで1年/データ、双方向、マルチ編成… /特性活かした番組を/専門組織設置など 各局、対策に本腰」との見出し。
 総務省を頂点とするチデジカ連合軍の編成は、テレビ局ばかりか多くの大企業(スポンサー)や代議士諸公も名を連ねていることだろうと思うが、 いまだに“地デジ”化しなければならない理由が分からない(いつぞやの新聞に、本家アメリカでも普及率がはかばかしくないとあったようだが、 やはりアメリカが“せき”をしたからか)。
 われら国民はどのような恩恵を受けるのか、解説を読むと“メリット”として「高画質、高音質、データ放送、双方向サービス、マルチ編成、ワンセグ放送、 字幕放送などがあり、たとえばデータ放送は、リモコンの「D」ボタンを押すと現れるL字型スペースなどで提供。 ドラマやスポーツなどの情報・データ、クイズやゲームスタンプラリーなども楽しめる。 番組内容連動型と非連動型」があると書いてあるが、カタカナ新語に疎い輩としては、これら用語の羅列では説明にならない。 ついで、「双方向サービス」はインターネツト回線などにつなぐことでクイズや投票など視聴者参加が可能に。 また「マルチ編成」は、1チャンネルで最大三つまでの異なる番組を同時放送する」のだそうだ。
 思うに、若者のテレビ離れは、ケータイ依存のせいといわれる一方、テレビにかじりつくのは、多くの時間家にいるお年寄りに多いはずだ。 とすると、さまざまなメリットをうたう“地デジ化”は、キカイに不慣れな彼ら年配者に便利かどうか、などとは関係者のだれも考えてはいないのではないか。
 そうでなければ、近ごろ“NHKの民放化”が批判されるように、“国営”と“民営”の境界線がなくなり、 どちらもタレントを多く並べたクイズ番組を競って流すのは、安易なやり方といって悪ければ、“一億総白痴化”(1957年・テレビ時代を喝破した大宅壮一の発言)した国民をさらに低俗化させようとの魂胆でもあるのだろうか。
 ところで、地デジ用に東京タワーに代わって、東京スカイツリーが建設されているそうな。「高い!タカイ!」は赤ちゃんでもダマせるが、チデジカの受信料はいかに?
 それだけではない。この記事の下にある広告はなんとNHK“ワンダー・なんだー?”ならぬ「ワンダー・ワンダー」で「ほぼ完全公開! 東京スカイツリー NHK総合テレビ 今夜7:30 そのワンダーも、あなたの受信料から。」
 ダメ押しを一つ。同日夕刊1面に「地デジ移行/あと1年/都内でイベント/“難民”救済待ったなし」とあり、 原口総務相いわく「みながつながることで人生が豊かになる。地デジのいいところを伝えて生きたい」そうだが、 ゲーム機と何ら変わらない“おもちゃ”を持っていても、人生は豊かになるわけがなく、貧弱な国民の再生産に拍車をかける代物であろうと、予言しておく。
 世に“てんこ盛り”という言葉がある。お正月の風物詩として、何が入っているか分からないが、 “お得ですよ”という初荷いや福袋を買わされる風習も各地で展開されているニッポン。さぞやメデタイことだろう?!

「元死刑囚の来日」
 近ごろ、民主党政権の訳の分からなさは“地デジ化”なみだが、この間の「元死刑囚の来日」事件は、何が目的だったのか。
 拉致被害者のご家族の心情には同情すべき点もあるが、政権奪取わずか1年未満で落日の様相を呈する民主党のパフォーマンスだといわれても仕方がない。
 以下に見るように何ら新しい情報がなかったことは、ある程度予想できたことではないか。 “元死刑囚の遊覧飛行”が来日の目的だったと見られても止むを得ないだろう。

 20日夕刊1面「金賢姫元工作員が来日 午前4時 ひっそり横田夫妻ら面会へ/厳戒の中、軽井沢に」(写真2点付)
 21日1面「金元工作員 田口さん家族と面会/拉致関連の新情報なし」(顔写真付)、他に社説「金元工作員来日 拉致解決に戦略を築け」、 22・23面特報「テロ犯 金元工作員来日/『拉致』進展 期待し許可/特例入国 線引きは…/政治主導に危うさ/パフォーマンスの恐れ 新局面への道筋あるか」(写真3点付)
 21日夕刊9面「金元工作員 田口さん家族 再度面会」
 22日26面「金元工作員 横田さん夫妻 初面会/田口さん長男会見『失踪者、何人か見た』」(写真付)、「めぐみさん 新情報は…」、「耕一郎さん『母と錯覚』」
 22日夕刊1面「金元工作員 『めぐみさん1回会った』/横田さん夫妻会見 新情報はなし」(写真付)、 夕刊9面「めぐみさん『猫飼う面白い子』金元工作員 横田夫妻に日常語る」、夕刊9面「『田口さん平城在住』 北関係者が韓国団体に」
 23日24面「金元工作員 ヘリで都心入り、なぜ/江の島経由40分/遊覧? 渋滞回避?」、 さらに「金元工作員 新情報なし/きょう帰国 有本さん両親らと面会」、「6,7年前まで田口さん元気/中井担当相」
 24日27面「中井担当相/遊覧飛行、一部認める/元工作員移動『厚遇』批判には反論」、「音声なし 面会画像」

これらを眺めていると、だれがほくそえんでいるか、何となく分かるような気がする。しかし、それは何のためだったのか……。

「国技・酷技・哭技」
 何だか書くことが一杯あった気がするのだが、横綱白鵬の3場所連続優勝・47連勝とやら“既定路線”に話題が転嫁され、その意欲もなくなってしまった。
 NHKは放送すべきだったなどと、言うもよし言わぬもよし、世論はつねに賛否両論で、まあ“みそぎ”が済んだと、 あちこちから政治家なみの発言が増すことだろう?!  はい、これまで!!

(以上、10年7月27日までの執筆)


ご意見、ご感想は・・・ kenha@wj8.so-net.ne.jp