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「ひたすらコラム」 2006年2月下旬号

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「忙しいニッポン人」
 毎度のことだが、わが国のオリンピック熱はまだ、盛り上がっているらしい。メダルは何個取れるかから始まり、 にわかトリノ観光大使になったり、さらに美少女や天才少年とやら、持ち上げればそれだけで舞い上がる本人に、 有象無象の視聴者たち。今日に始まったことではないが、スタジオや中継で、アナウンサーやゲストたちはなぜカラ騒ぎをするのだろうか?  それにしても、夏にくらべ、失速だの転倒などと、はかばかしくない状況である。
 一方、バレンタインデーのチョコも派手派手しい。そして、女帝論争や皇室典範問題を棚上げさせた"コウノトリ"の出現は、 小泉退陣の9月ごろまで、持てはやされるだろうから、どのスジの業界が儲けるのだろうか。
 こうして、情報に踊らされ、流されるだけの、わがニッポン人は静かに本を読んだり、時にわが人生を顧みたりする時間はますますなくなる。 うーん、為政者やその周辺の方々にとっては、いつも浮かれてばかりいるニッポン人は、愛い〈うい〉やつであろうなあ?!
 そういえば、10年後の夏季大会を日本でやろうと、先に手をあげた福岡をけん制して、東京でという話も出ている。 "夢"は必要だが、これも関係業界の"儲け"があるから、やるまでのこと。まさか、アメリカからの圧力ではないでしょうな?!

「ガンバレ、自治体!」
 国民年金の未納理由を調べるためとして、社会保険庁が3年ごとに行っている「国民年金被保険者実態調査」について、 文京区と国分寺市に八王子市が、それぞれ定めた個人情報保護条例に抵触する恐れがあるとして、協力を拒否しているという。
 社会保険庁は、同調査を通じて個人名が特定されることはないとしているが、「住民のプライバシー意識の高まりもあり、 条例の運用を厳格にした」とか、「法律に基づく調査でも、提供する義務はない」、「住民に同意を求めても、 どれだけ賛同してくれるか疑問」などと、クニにソッポを向けている格好だ。
 いや、これこそ"自治"意識の最たるものではないか。なんでも、上からの命令に従うのが、ニッポン人の美徳などというが、 住民の意思を尊重して初めて、市長や区長の存在意義がある。ガンバレ、自治体!!
 "調査"ついでにいえば、受信料未払い問題に苦慮するNHKが、未払い拒否者に「なぜ、払わないか」の"真意"を聞くのだという。 お困りの様子は分かるが、これなど調査しなくても、分かりきったことでないのかしらん。こんな個人情報に、税金、 いや貴重な受信料の無駄遣いになるのでは。まずは、費用対効果を調べてみてはいかがか。

「想定外の、ニュース」
 バレンタインデーも間近だという、紀元節いや建国記念日の新聞に、こんな記事があった。 「お年玉年賀パーフェクト!/1−4等当せん/大分の夫婦」。
 なにがパーフェクトなのか。この夫婦に届いた約350枚の年賀ハガキの中から、1等(確率50万分の1)、2等(確率5万分の1)、 3等(確率5千分の1)、4等(確率50分の1)のそれぞれが当ったという。
 地元の郵便局員がいうように、「珍しい」ことには違いないだろうが、日本郵政公社の「想定外のケースで、 確率の計算は専門家に委ねるしかない」というコメントの意味が、よく分からない。
 なんだか、独り占めするのは好ましくないといっているようなものではないか。たかがノートパソコン(1等)やデジカメ(2等)ぐらいで、 わざわざ流行り言葉を吐く必要があるのか、どうか。
 しかも、同記事によると、富山市の別の夫婦は、1等を二枚も当てたという。これこそ夫婦にとって「想定外」というのなら、分かるが。
 そうか、先のコメントは郵政公社を代表してではなく、4等の切手シートもめったに当らない1個人としての、ヤッカミだったのか。 それなら、くじ運のない、私にも分かる?!

(以上、06年2月15日までの執筆)


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