けん語録−青春編−(その12)

目次
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昨年3回にわたり掲載した、最近10年の言葉「けん語録」の"青春編"として、
15歳から24歳まで書き綴ったものをお送りします。
年齢相応の感慨もあれば、少しも進歩していないという印象も否めません。
ご笑覧ください(元は数年前、成人式を迎える娘にプレゼントしたものです)。
2003・1月橋本健午

1965年(昭和40年) 二十三歳−3
女と男 女は愛する人と一緒にいるだけで
その欲望の80パーセントを 満たすことができるが
男はちょうどそれだけ 欲求不満に陥る(9・2)
指折り数えるのは 女の大事な仕事である
それは 次に愛人に会うまでの日数と
自分の生理の計算である(9・2)
もっとも易しいこと 女を可愛がること
もっとも難しいこと 女を可愛がる 自分を肯定すること(同)
女は公理である だから証明できない(同)
二人になるのは ひとりでいるより不幸なことだと
人は、とりわけ女は認めたがらない(同)
男はひとりの女を 征服することができたら
世界を征服することは た易いことだ(同)
女は 味方になりやすく それ以上に 敵になりやすい(同)
女と男 女は食物で男は器だ
男は器だけでは 空腹を満たすことができないから
食物を欲するのだ
食物は食物だけで 生きて行ける だからといって
女は女を武器のごとく 考えるのは愚かである
武器も名手にかからなければ 無きも同然だからである(同)
彼の肖像画 小さなときから 自己主張が強く
自分の思い通りにならないと いつまでも機嫌が悪かった(9・3)
何にでも慣れるということは 恐ろしいことだ
不感症 感じなくなること 神経が鈍麻されること
人間はそうなってしまうと
正常さを失い どの方向にも暴走してしまう
 騒音 無秩序 悪
人間は何でも苦もなく 受け入れてしまう(同)
女が犬や猫を呼びよせるときの声は 寝室でのそれに似ている
愛撫するときも されるときも 一向にかわりばえしないようである(同)
うつむいていると 他人は まじめで純情だと
簡単に決めて しまうようである(9・4)
全く健康的なときよりも 美しく感じられることがある
病み上がりのやつれたさま 陽に当たっていない白い肌
元気はつらつよりも 女を感じさせるものだ(同)
他人と共にいると 時間が経つにつれて
自己というものが減少する つまり 密度が稀薄になるのだ
中和することは 余り有意義なことではない
なぜなら 他人はそれほど 相手のことを考えてはいないからだ(9・14)
アメリカ
白いぶよぶよの肉の塊を尊重する国
異様に大きな双の乳房と
それを支えるのに精一杯の
鳥のガラのような胸 
一体彼らの美的感覚は
何に由来するのだろう(9・16)
いつまでも 客の心理を読めない女 客商売には向いていない
それはある程度 母性本能が働かないと 勤まらない性質のものである(9・25)
人生は 生きることが空しい以上に 死ぬことは空しい(10・1)
自殺は 殺人の中で もっとも 愚劣なものである(同)
人間にとって もっとも危険なのは 人間自身である(同)
馬鹿を 演ずるものは それだけ賢い(10・4)
何ごとにつけ 本気になれぬこと 身が入らぬのは 不幸である(同)
男と女 男の観る女性と女自身のそれには
妥協の余地がないほど 食い違いがある
いずれも真実であって 男と女は永久に和解することはない(10・8)
自分が何者であるかを 少しも知る前に
他人と交わることを 覚えてしまう(10・27)
この世で もっともいやなことのひとつ 金(同)
人生は常に きのうの続きであるが それはとりもなおさず
より充実した明日を 目指すものでなければならない(11・4)
人間が動物を可愛がるというが
どうやらからかわれているのは 人間のようである
人間は彼らのようには 絶対に生活できない(11・5)
運命は 受け容れるのではなく 選ぶのだ(11・14)


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