けん語録−青春編−(その13)

目次
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昨年3回にわたり掲載した、最近10年の言葉「けん語録」の"青春編"として、
15歳から24歳まで書き綴ったものをお送りします。
年齢相応の感慨もあれば、少しも進歩していないという印象も否めません。
ご笑覧ください(元は数年前、成人式を迎える娘にプレゼントしたものです)。
2003・1月橋本健午

1966年(昭和41年) 二十四歳−1
タネを明かした 手品ほど
面白くないものはない(1・14『戦争と平和』について)
自分が幸福だと 他人の不幸が判らない(同)
わいわい騒いで 大学の威信がなくなったとしたら
君たち自らの権威も 同時に失うのだ(2・7ワセダ騒動の際に、仲間に手紙)
人間 心が荒んでいると 詩も生まれないらしい
何時の頃からか ノオトを開く気にもなれず
毎日酒を飲んで 大声でしゃべり
自分を見失ったわけでもないのに
まるで 今までとは別人の如く 自分を見下している(3・1)
人生どれだけ 荒れたって
それで何が解決する というものでもない
もう一度考え直す ということも 許されない
唯あるのは いかに己の納得の行くように
自らを自在に処することが できるかということだ(同)
俺はくやしい 俺は悲しい
しかし 俺は今泣いたって 何も始まりはしないんだ(3・4)
男は女に向かって お前は馬鹿だと言う
それが衷心からの言葉なら 彼は自らの
女より馬鹿であることを 自覚しているのだ(3・18)
女を哀れだと言う しかし 女はいつでも
幸福を手にする 可能性を持っている
だが 男は救い難く 宿命的に哀れである(同)
死の意識こそ 凡ての始まりである
生きることの無意味さを 熟知したものは
死ぬことの さらに 無意味なことを知る(同)
ひとは誰でも 孤独である
他人を理解することは 自分を知るより 困難である(同)
男は女を愛せない いや何ものも愛することは できないだろう
それ故に 弱き男の歴史は 常に女を必要としてきたのである(同)
女は男にとって 地球の重みより 重大なことがある
男が政治や事業や 小説を書いたりするのは
瞬時でも 女を忘れたいからである(同)
男は我がまヽで気が小さく 強がりを言い 横暴である
それでいて女に愛されたいと 秘かに願っている
処が女は そういう男の 繊細さ 複雑性を理解せず
自分こそ愛されて 然るべきだと考えている(同)
女に向って "愛している"という男は 偽善者である
それが 真実であればあるほど
その感情は言葉では 表せないものだ
一度口を出ると その言葉は死んでしまう
しかし 女はその言葉を聞かないうちは
決して満足しないものである(同)


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