まだまだコラム目次

「まだまだコラム」 2008年7月下旬号

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「エコロジー論議」
 いま巷では、『偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する』と題する本が売れているらしい(武田邦彦著・幻冬舎新書777円)。
 その新聞広告は、チトへそ曲がりな人間(ア)、時流に遅れている人(イ)、"それ見たことか"(ウ)などと思っている御仁向けに、なかなかうまい宣伝文句ではある。
 広告[これが現実!]で示されたところによると、(1)レジ袋をエコバッグにすると、かえって石油の消費が増える (2)冷房を28℃に設定しても温暖化は止められない  (3)温暖化を防ぐために日本人にできることは何もない (4)ペットボトルは再利用されず、ほぼ燃やされている (5)自動車燃料のバイオエタノールを作るには、同程度の石油が必要  (6)リサイクル紙は漂白や廃液処理に大量の石油を使う (7)多額の税金と手間をかけて分別したゴミ、そのほとんどが焼却される  (8)割り箸を使わなくなると、端材の使い道が消え、森林は荒れ放題に (9)リサイクル料を業者に払った廃家電は、違法に中古で流れている などとある。
 これを受けてかどうか、日本経団連や経済同友会では今月開いた恒例の夏季セミナーで、「『犯人は本当にCO2なのか』/財界 温暖化負担を警戒/夏季セミナー 効率アップ好機の認識も」とあるように、 悪いのは俺たちだけではない?のかどうか知らないが、議論をしたそうだ(東京08・07・27)。

 さて、(1)〜(9)について、個人的にはほとんど縁のない項目が多い((2),(4),(5),(6),(9))。 ((1))大分前から、わが家ではスーパーなどへ行くとき、自前の袋を持って出る。もう一つ((8))に関連して、カミさんに勧められて、 昨年秋からマイ箸を持ち歩いていたものの、数人での会食も和を重んずれば、白ける感じで、ついに取り出すことはなかった。
 先の((2),(4),(5),(6),(9))のうち、わが家では冷房を何度にも設定していない((2))。エアコンは20数年前からあるが、肌に馴染まなく、 止むをえないとき(年に数回)しか使わないからである。玄関とベランダの窓を開け放てば、よく風が通る。あとは扇風機を静かに回すだけである。
 行政も絡んで、怪しいなと思っていたのは、ゴミ関係すなわち(4),(6),(7),(9)である。地域(市や区)によって、分別がまちまちなのは処理する設備にもよるらしいが、 要するに"環境にやさしい"ためではなかった。
 どこの市のことだったか、所定の場所におかれた新聞紙を盗んだとして、窃盗の罪に問われた業者?がいたが、これなど「(6)リサイクル紙は漂白や廃液処理に大量の石油を使う」からか、 (9)と同じように、「違法に中古で流れて」しまうからか。そういえば、古紙は中国筋が高値で買ってくれるらしい。
 テレビ「報道特捜プロジェクト」(19日・日本) では、(9)に関連した疑問「市民がリサイクルのために分別して出したゴミが、 リサイクルされず産業廃棄物となっているのではないか」について、とことん追及していたそうだ。 そして、「環境相からリサイクル法改正の約束を取り付けた番組スタッフに頭が下がる。・・・・・」と投書したのは三鷹市の男性(78無職)である(東京08・07・24)。

 ところで、先にあげた(ア,イ,ウ)は、何を隠そう、ほとんど私のことを指しているのだが、どうしても気になるのは「(3)温暖化を防ぐために日本人にできることは何もない」である。
 では、どうすればいいのかという答えを得るには、この本を買わなければならないのかと、チトへそ曲がりな人間としては考えてしまうのである。ああ、悩ましい?!

「テレビの功罪 その1 垂れ流し」
 私は近ごろ、サッカーの試合ぐらいで、ほとんどテレビを見ない。
 理由はさしたるものではないが、面倒くさいのと、パチンコに馴染めないのと同じで、あの平面を見るのが苦痛だからである。 したがって、どんな番組をやっているのかも知らないのかと聞かれれば、「ノー」である。
 どの新聞にもテレビ・芸能欄があり、視聴者の意見を載せていることと思う。東京新聞のそれは「反響」で、私は日々拝見しているのである。
 30分番組から2時間のドラマでも、1分以内に"知る"いや見たつもりになれる。しかも賛否両論あり、いろいろな方の意見や感想は、 番組やそれらを放映するテレビ局の事情など、たちどころに"理解"することができ、ありがたい。最近の同欄によると、
 東京08・07・15「モナが謝罪コメント/フジ『サキヨミ』でアナ代読」の記事下の「反響」…「スーパーモーニング」(10日・朝日) 「女性キャスターと巨人の選手の不倫騒動をトップに報じていたのには、あきれた。 洞爺湖サミット終了の翌日であり、物価の上昇や教育界の不正と言った重要な問題が山積しているにもかかわらず…。・・・・・」(男性62翻訳業)。 ついで「スーパーニュース」(フジ)「洞爺湖サミット最終報告というので期待したが、男性キャスターが足湯に漬かったり、 二足ロボットの労をねぎらうと称してお茶をたてたり・・・・・」(男性78無職)も、洞爺湖サミットの後はどうなるのか、という期待を裏切られたというところであろうか。
 翌16日記事「モナ出演自粛/文化放送社長が定例会見で謝罪」にある社長のコメントは、「多くの人に意見する公人の立場があり、 聴取者の信頼を損ねた」のだそうな。よく分からない?!
 19日付には「サンデープロジェクト」(13日・朝日)に関して2本。「ゲストの衆院議員二人は"テレビ初対決"ということで、 進行役のキャスターが『自民党と民主党きっての政策通』と紹介。だが、他のゲストが来ても、同じようなこと言っている。・・・・・」(男性73自営業)に、 「民主党の長妻昭衆院議員と自民党衆院議員が国の財政について議論していた。長妻氏は、自身が調査した資料を基に国の無駄遣いを説明していたが、 自民党議員は『長妻氏の言っていることはでたらめだ』と反論した。ならば、ご自分も自民党の調査結果をもって、 具体的にどのように違うかを視聴者に示すべきではないか。・・・・・」(男性64会社員)。 どうです、番組を見ないでも、どのような展開であったか、想像できるでしょう。 いやいや、番組すなわちテレビ局のレベルも垣間見ることができるではないか。
 少しとんで「ネプリーグ」(14日・フジ)「プロ野球選手との不倫騒動で話題になった女性が出演していました。 前日の『サキヨミ』は今回の件によって降板しているというのに…。いくら録画といえども、同じ局でばらつきがあるのはおかしいのでは?  しかもインテリ女性チームのリーダーとして出演とは閉口です。局の姿勢を疑います。」(女性40会社員)。 正直なところ、私自身、「ネプリーグ」などという番組の内容など、全く想像できない?!(ほとんど、どうでもよいことであるが…)
 まだ続く。23日は3本。「高木美保クロウス・ツウ・ユー」(19日・文化)「環境問題を取り上げるなど評価すべき点は多々ある。 しかし、この日、燃料高騰で苦しむ漁業者の『補助金などで救済してもらいたい』という発言を、パーソナリティの女優は笑うようにやり過ごした。・・・・・」(男性61大学講師)。 「VVV6」(16日・フジ)「女性お笑いタレントが大きなウナギを食べる際、そのままかぶりつき、たれが口の周りに汚くついていました。 子どもじゃないのですから…。はしで切り分けて食べてほしい。・・・・・」(女性33家事手伝い)。
 もう一つ、「モクスペ」(17日・日本)「たまたま見たが目を疑った。前大阪府知事の女性が派手な衣裳で往年のアイドル歌手の歌を歌っていた。 彼女のテレビ出演については、本欄でもたびたび批判されているが、ここまでやるとは一体何を考えているのだろう。 現府知事とは逆に"元知事タレント"としての地位でも目指しているのだろうか?」(男性46会社員)。 皆さん、悩みは大きいですねえ。
 いかがでしたか。テレビを見なければ、腹も立たないし、心も平安であるのだが……。 これまでも、さらにこれからも、テレビと視聴者の接点なき"バトル"は、ずっと続くのでしょうか。

「テレビの功罪 その2 地デジ」
 (承前)それはさておき、いま官民上げて関係者が躍起になっているのは、あと3年ほどでアナログ放送が見られなくなるという、地デジ問題である。 2011年7月24日に、この国ではデジタル放送に完全移行するという。
 何だか、この問題は、2009年5月21日に施行され、同年7月下旬以降に国民から選ばれた裁判員による裁判が開始されるという裁判員制度の"不安"とあいまって、 国民生活に暗い影を落としている、のではないかしらん。
 東京08・07・23「地デジ完全移行まで3年/普及4割超も課題多く/受信方法、認知5−6割 弱者支援など急がれる対応」とか、 「民放でもアナログ/今月24日から画面上に/地デジ完全移行まで3年で」などとある。 NHKも民放も、この画面上の「アナログ」と書かれたマークが消えると、従来のテレビでは何も写らなくなるそうだ。
 そもそも、テレビは何のためにあるのか。上記"垂れ流し"に見られるような番組は、娯楽か報道か、民主主義下における愚民政策の手段なのか知らないが、 今や年がら年中やっているそうだ。
 そこで、18日付の「からむニスト」で"知恵袋"氏は「24時間放送の短縮検討を」と題して、 35年前のオイルショックのときのように、放送時間の短縮すなわち、24時間放送を止めてはどうかと提案する。
 そもそも24時間放送は災害時対策のためだったそうだが、いつの間にか、どの局も垂れ流しの状態、 だらだらと"穴埋め"的にやっているらしい。
 よそがやるからうちも、という日本人的な発想であろうが、その根底にあるのはテレビ局員のレベルが低いのか、 それを見る国民のそれが低いのか、いや民放を支えるのは多くのナショナルクライアントつまり大企業の知的レベルが低いのか、 ともあれ電通を筆頭とする広告会社の"営業努力"のタマモノであろうか?! 
 このたびの地デジ問題もその延長上にあると思うが、先の記事によると、現状では地デジ対応受信機の世帯普及率は年々上がっているものの、 民放連の調査では43・3%だそうだ(08年)。
 私など大した普及率ではないかと感ずるが、しかし、この受信機を所有する世帯のうち、「視聴不能・不明」世帯が8・5ポイントもあり、 その理由の約4割はアンテナ未対応であるという。つまり政府の喧伝や報道に踊らされて、とりあえず時流に遅れないように、 買ってみただけのことではないのか。なかには、まだアンテナを替えておらず、アナログ画像なのにデジタル放送と勘違いしている人も多いそうだ。
 どこでも、きれいな画面が見られるとか宣伝されているようだが、デジタルになったからといって前記"垂れ流し"番組が改善されるとは到底思えず、 したがって日本人の知的レベルが上がるとも思えない。
 放送(包装)よりも中身が問題だと思うのだが、これまた日本人は三越の包装紙をありがたがる民族でもある。 いや失礼、アナログ三越は、もうなくなったか?!

(以上、08年7月29日までの執筆)


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