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とんだエッセイ 6月下旬号

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「ハンカチ、ハニカミ、恥知らず…」
 大学野球選手権でも、早大の新人、ハンカチ王子こと斉藤投手は"不敗神話に賭けた"應武監督の期待に応えて好投して、 33年ぶり3回目の優勝に貢献し、最優秀選手に選ばれた。"強運"に自分でも驚いているようだが、実力だけでなく不思議なモノを持っているのではないか。 しかし、ヨン様に飽きたのか、そんな彼に熱狂する、おばさんパワーは何とかならないか。
 一方、テレビの連中もそれに輪をかけた愚行を犯す。ハニカミ王子ことゴルフの石川選手(高1)に対して、 プレー中での声を録音するため、同じ組で回る他の選手に小型マイクの装着を頼んだが、断られたというTBSの"事件"である。
 これはもう"盗聴"ですな、しかも公然たる……。さいきん問題となった陸上自衛隊情報保安隊による市民監視を裏付けた内部資料について、 同テレビ局がとやかく言える筋合いではない。これに対し、当の石川は「選手全体を応援してください」などと言ったそうだ。 どっちが大人だ?!
 同選手に関するテレビの愚行は、まだある。アメリカでの話。全米オープン選手権を前にしての記者会見で、 日本のテレビ局がタイガー・ウッズらに「石川を知っているか」とか、「彼にメッセージを」などと場違いな発言をして失笑を買ったという。
 かの国では、巨人を解雇された39歳の桑田投手が、渡米してマイナー契約し、やっとメジャーに昇格して登板した日、 あれはだれ?というのが、現地の大方の選手の反応だったではないか。
 日本人の"井の中の蛙"的発想は、恥ずかしい限りだが、当人たちは場違いの質問であるなどとさらさら考えないのは、 相も変わらず巨人中心の放送や、勝ち負けよりアイドル優先のスポーツ中継を観れば分かる。 "ジャパン・スタンダード"一本やりのノー天気ぶりのほうがテレビ界では生き易いからではないか。 曰く「だれでもやっている、どこでもやっている」。

「働かない、ということ」
 年金問題で、国民を怒らせた社会保険庁。長官以下の無責任な姿勢だけではなく、同省の労働組合もデータ入力は45分やって15分休むなどと事細かく"協定"を結ぶなど、 いかに働かないのがお役所かということを暴露した。これは地方自治体にも同じことがいえる。 清水ちなみ編『おじさん改造講座』より、ほんのちょっとだけ、抽出しましょう((3)、(6)などは文春文庫シリーズの巻号をしめす。(9)まで)。
 *外回りのサボり方…(3)(市役所)以前私は、平日午後二時からのテニススクールに通っていたが、なんとその時の生徒で私以外の4人は、 すべて営業のおっさんだった。終るとネクタイしめてさっさと帰っていく。⇒要するに、5人全員がサボっていたということではないか。
 *こんな仕事いらない…(6)(公務員)私は官庁で秘書をしています。一日のうちほとんどを局長のワガママの世話に追われています。 お茶だ、お菓子だ、フルーツだと……。こんなんで公務員として給与もらっておこられないかしら……。 ⇒"お飾り的"な職種は、民間でも見かけられるが……。
 *こんな仕事いらない…(6)(市役所)私は役所に勤めていますが、そんなこと言ってたら半分の人がする仕事がなくなってしまうでしょう。 だからといって民間の会社のように人員削減するわけでもないので、これはたいへんな税金のムダ遣いです。 全国の役所がこのような状態ではないかと思います。
 *ボーナス…(7)(都立学校、83万円)私は育児休暇中だ。夏休み以来ほとんど働いていない。12月の産休終了まで給料は出るわ。 ボーナスは出るわで、公務員の身分に大変満足しています。
 *時間内不労働調査…(9)(市役所、5時間)働くって何? 私の仕事は(1)お茶を出す、(2)電話を取り次ぐ、(3)新聞を読む、 (4)お花に水をやる、(5)コピーをとる、(6)郵便を出す。こんだけよ。いいの? これ働いてるの? でもこれでけっこー忙しいんだから。わりと。
 *時間内不労働調査…(9)(省庁、5時間)電話したり、他の階のダチとムダ話をしたり、ビルの中の売店や旅行代理店に行ったり、 天気のよい日は近くのコンビニや公園に後輩と連れ立ってゆく。頭にきている時はサ店で茶飲んでタバコ吸ってやる。
 *時間内不労働調査…(9)(国会、1時間)お絵描き。売店でお買物。手紙。今は閉会中なのですることないのさ。 でも開会中はけっこう忙しいよ。
 なお、この項の最後に、公務員の実態をもっと知りたい方へ、OL委員会作成『公務員という仕事』(三笠書房)がオススメと、 PRまでしてあった。いかがです、国民の皆さん?!

「何人・何個・何パーセント」
 "目標"あるいはノルマがあると励みになったり、逆に劣等感にさいなまれたり、落ち込んだりと、人さまざまだろうが、 それをお上が決めるというのは、国益のためかしらん。
 政府は「今後5年間に24兆円の研究開発費を投じる第2期科学技術基本計画を閣議決定した。 生命科学、ナノテクノロジー(超微細技術)・材料など4重点分野に研究費や人材を集中投資する。 50年間にノーベル賞受賞者30人を生み出す目標を掲げた」とある(日経産業01・04・02)。 ⇒これには平和賞や文学賞は入らないらしいが、1年間に"0・6人"の受賞者が出る勘定、そうは問屋が卸すだろうか。
 厚生労働省は昨年11月10日、12月に公表する人口推計に合わせて、新たに合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数の推計値)の政府目標を公表することを決め、 2050年の標準的な目標は1・4程度となる見通しだ(読売06・11・10)という。⇒たしかに、昨年(06年)は少し増えたらしい。 実際に、街で見かける子供づれの若い夫婦の姿が多くなった。しかし、"2人"以上でなければ、健全な家庭とはみなされない場合もあるから、 1人では肩身は狭いぞヨ。
 さいきんの新聞によると、9年連続で3万人を超えた自殺者の多さに憂慮したのか、政府は2016年までに、 自殺死亡率を20%以上減少させるとの数値目標を盛り込んだ「自殺総合対策大綱」を決定したという(東京07・06・08夕刊)。
 しかし、その前日の報道では「学生・生徒の自殺最悪/886人「学校原因」28%増/昨年、警察庁調べ」とある。 男性は全体の71%を占め、男女合わせた数字では60歳以上が、11,120人で2.1%増となっている。 ⇒ますます広がる格差社会。その社会に出る前に学生が……。なお、老人や病人など弱者にしわ寄せが来る現状に、どうやって自殺死亡率を減少させるというのだろうか。 まさか、別の死因を割り振るわけではあるまいね。
 次に犯罪関係だが、鳥取県警察本部刑事部捜査第一課によると、「重要犯罪、重要窃盗とも、目標を上回った平成17年以上の検挙率を目標とし、 重要犯罪の検挙率74.7%以上/重要窃盗犯の検挙率57.1%以上を目指す」とある(重要犯罪・重要窃盗犯等の検挙〈平成18年政策評価報告〉)。 ⇒全国の場合はどうか。ともあれ、警察には身内を庇わず、頑張ってもらわねば……。
 参考までに、オリンピックで中国の場合。「中国選手団はシドニー五輪で28枚、アテネ五輪で史上最高の32枚の金メダルを獲得した。 このため、中国選手団は2008年の北京五輪でもこれを上回る数の金メダルを獲得するよう努めなければならない(2005・02・02)そうだ。 ⇒残念ながら、日本の場合はまだ定かではない。"より高く、より多く、だが(メダルは)より遠く ああ?!"

(以上、07年6月19日までの執筆)


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