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とんだエッセイ 4月上旬号

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「敬称? 軽称?」
 新聞などが安倍首相の昭恵夫人について報道するとき、アッキーなどと"軽称"で呼ぶのはいかがなものか。 いやしくも一国の首相夫人ではないか。彼らに子供がおれば、そうは言わなかったのではないか?
 スケートの安藤美姫選手をミキティなどと呼ぶのとは訳がちがう。マスコミの鈍感さ、あるいは迎合の精神だとすれば、あぶない! アブナイ!!
 もっとも、子供ができれば"母親"となるが、"大人"となるかどうかは昨今の子殺しや虐待に見られるように、 その人の努力や家庭・環境に左右されるところが大きいのではないか。
 もうひとつ、子供が欲しくても、何らかの事情でできない場合もあるだろうし、産みたくない自由もいまは"認知"されている (当『とんだエッセイ』2月下旬号「産む機械と産む機会」参照)。
 とはいえ、わざわざ政治面で報道されるのは、首相夫人としての行動が一種の"公務"であろうから、新聞は軽佻浮薄であってはならない。 それとも、本人や夫がそれを望んでいるのであろうか?!
 ちなみに、今日(4月10日)は奇しくも、その昔ミッチーと呼ばれた正田美智子さん(現・皇后)が、皇太子妃となる、その結婚式の日であった。
 昭和34(1959)年当時、カラーテレビが売り出され、ミッチーブームが起こったのは、時代背景にしろ、日本は今とはまた別の次元にあったといえないか。

「知事か、痴事か?!」
 軽いというのか確信犯なのか、立場あるいは言葉を知らないからか、4月2日の新人職員の入庁式での各県知事らの発言(3日付東京新聞)をみよう。
 埼玉県上田知事(1)「自衛官の人は大変ですよ。平和を守るために人殺しの練習をしているんですよ、いつも。……」といい、 「(一方、新職員の)皆さんは多くの方に喜びを与え、感謝されるすばらしい仕事です」と持ち上げた。
 ついで、愛知県の神田知事(2)は、先天的な病気やハンディキャップのある人について「弱い悪い遺伝子を持った人」といったという。
 さらに注目の東国原宮崎県知事(3)「(インフルエンザで入院して、復帰した自らについて)タミフルを5日間飲み放題飲んだから、 今日は異常行動、異常言動に走るかもしれない」と、さっそく"異常言動"を証明してしまったそうな。
 ワンフレーズポリティクスと"絶賛"されたコイズミ前首相を反面教師として精進することだが、公私のちがいや、 思いつきだけでユーモアと冗談の区別もつかないのだろう。
 ついでに言えば、(1)は職業差別でもあり(憲法違反!!)、(2)の弱者差別は人権問題であり、(3)は"営業妨害"であろうが、 そのまんま芸人根性が出てしまっている。
 そもそも"言葉の力"を理解していなさ過ぎる。その言葉を発すれば、どういう人たちが不快に思うかという想像力も働かないと思われるのは、 その後の"お詫び"発言に如実に出ている。
 たとえば、7日、先の(1)知事は地元の陸上自衛隊朝霞駐屯地での創立47周年記念に出席し、「不適切な言葉で皆さんに不快な思いをさせた」と謝罪したそうだが、 つづいて「これからは名誉挽回のため、自衛隊を支援していきたい」とは語るに落ちる、論理的に支離滅裂な言葉を発したそうだ (07・4・8東京) 。
 どなたも、副知事を置く代わりに、スピーチライターをそばに置いたほうがよいのではないかしらん、各県知事ドノ。

「都知事選挙あれこれ」
 思えば40数年前、大阪から上京して大学に入った翌年、20歳となって最初の選挙権行使は、都知事選挙のときであった。 私は東龍太郎に対抗して出馬した、それまで兵庫県知事だった阪本勝に投じたが、負けてしまった。
 たしか、都議会議員選挙も同時だったが、それに棄権して以来、私の選挙権行使は、いつまでだったか、途絶えてしまった。
 自身の人気もさることながら、弟裕次郎にあやかる石原軍団をバックに知事となった現知事は、3選を辞さなかった。(ココまで、8日朝、選挙前に書きました)
 ・・・ともあれ、選挙は終ってみると、3選石原の圧勝であった。無党派層も民主党支持者も彼に投じた。 実績と人気と"反省の弁"が効き、かつスター性で対抗馬浅野との差がついたという。つまり、一種の人気投票で、マニュフェストなんて、 だれも読んでいない、ということだったらしい。
 人気といえば、その昔、彼が『太陽の季節』で芥川賞をとったあと、地方での文芸講演会にいった。 待ち構えていたのは大群衆で他の先輩作家たちも「ほう、われわれの人気はすごいな」と喜んでみたものの、 実は女子高校生ばかりで、いちばんバッターの彼が終ると、サーッと会場から消えたという。
 つまり、彼女らは役者と間違えていたらしいのだが、そんな反応が子や孫に受け継がれているとしたら、今後の都政、 ひいては国の方向が、思いやられますな。
 ついでに言えば、わが息子は20歳となって初めての選挙権行使となったが、だれに投じたのか聞いてはいない。 そういえば、彼の留守中に、中学の同期だったという女性ら3人がきて、公明党をよろしくといったり、もうひとつは共産党らしいのが訊ねてきていたっけ。

ついでに「知事になるには…」編
 このたびの選挙で選ばれ方を含め、全国47知事の出身(前職)などの分析を試みました(相変わらず、ヒマですなあ!!)。
 まず、男性優位は変わらないが、女性は北海道、千葉、滋賀、大阪、熊本の5名で、初当選の滋賀以外は2期目であります。
 彼女らを含む当選回数別に見ると、初は20名、再選は12名、3選は8名、4選は6名もおり、高知の橋本サンはなんと5選目であります(サンなんて言いましたが、親戚でも何でもありません)。
 ついで、年齢別では40代…9名、50代…13名、60代…21名、70代…4名と、60代が突出しているのは当然でしょうか。 次に出ていますが、70代の初当選は一人だけです。
 これを"東西"別に見ると、東日本(北海道・東北・関東・東海)では、40代が5名(42,44,46,49(2),49)、50代は8名(50,53(2),53,55(3),56,58,59,59)、 60代は9名(60(2),61(4),61,61(4),62(2),65(3),66(3),66(4), 66(4))、70代が3名(70,74(2),74(3))となっております((2)〜(4)は当選回数。それ以外は初)。
 西日本(近畿・中国・四国・九州・沖縄)では、40代4名(45,46(2),48(2),49)、50代5名(53(2), 55(2),56,57(4),59)、 60代は12名(60(5),61,61(2),61(3),62,62(2),64(3),64(2),67(3),67(4),67,68(2))、70代1名(72(3))となっております。
 さて、これからが本論であります。それぞれの「出身(前職)など」を見てみましょう(カッコ内の数字は"東西"の別を示す)。
 衆院議員8名(7:1)、参院議員4名(2:2)、副知事2名(1:1)、県議1名(1:0)、市長4名(4:0)などであり、 1名組を見ると日本銀行(1:0)、大学教授(1:0)、NHK(0:1)、沖縄電力(0:1)、タレント(0:1)とあります。
 ここまでは、さしたる問題ではありませんが、中央官庁からの"天下り"はいかがかと申しますと、多い順に自治省8名(4:4)、 経産省4名(2:2)+通産省2名(1:1)、総務省3名(0:3)、財務省1名(0:1)、建設省1名(0:1)、農水省1名(0:1)、 文部省1名(0:1)、特許庁1名(0:1)、消防庁1名(1:0)となっております。
 トップの自治省は戦前の内務省で、天下りの"伝統"は今も引き継がれているようですが、総務省以下、消防庁を除いて、 西日本に偏っているのは、どういう理由なのでしょうか。まあ、地方では"政治"というより"行政"が大事だともいえますが……。
 もうひとつ、データを加えましょう。女性5名の経歴を見ますと、北から経産省北海道経産局長、参院議員、京都精華大学教授、 通産省審議官、副知事とあります。バラエティに富んでいるともいえますが、やっぱり"天下り"でしょうかね。
 ともあれ、知事になるには衆参議員でもよいが、役人のほうが早道ということが証明されました?!

(以上、07年4月10日までの執筆)


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