とんだエッセイ目次

とんだエッセイ 4月下旬号

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「選挙というもの…」その1
 統一地方選挙の後半、市議選の候補者は宣伝カーからわが名を連呼したり、幟を持ったピンクのユニホームを着た男女を従え、 町内を歩いていると、ある中学の二階の窓から、男子生徒3人が「がんばってくださーい。応援してまーす」と声を掛ける。 一方、下校途中の小学生数人は候補者の後を歩いて楽しそう……。選挙権のない連中の関心は那辺にあるのか?!
 もっとも、候補者側が、彼らにどんな対応をするかによって、日本の将来が変わってくる。いずれ、選挙権は18歳からになるのだろうから……。
 山形県遊佐町では03年から、中高生の政策を町政に生かそうとの試みがスタートし、少年町長、少年議会が生まれ、 年間予算(50万円程度)もついている。「少年議員から『町会議員の活動が見えない』と指摘されたり、町民からは『少年議員に相談した方が、 よく(少年議会で)取り上げてくれる』とハッパを掛けられた」とは、町議会議長の談話である(以上、東京07・04・15)。
 ところで、"選挙好き"といえば、担ぐ人に担がれる人、選挙に狂う人はいつの世もどこにもいるようで、 さいきんも新聞の投書欄にだれでも担ぎ上げる人の家族の嘆きが出ていた。
 私が中学のころの後輩の親父さんは、市議選に何度も挑戦しては落ちるを繰り返していたが、回りでは"選挙ゴロ"などと揶揄していたっけ。 ともあれ、「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればタダの人」っていう"標語"もあったが、ちかごろはほとんど聞かれませんねえ。 "サル"から抗議でも受けたのかな?!
 現実に戻って、他府県を見ると、市町村長が無投票で選ばれたとか、市町村議会議員も無投票当選がかなりあったが、 いずれにしても当選したとはいえ(真に選ばれたわけではないから)、うれしさ半分でしょうなあ。

「選挙というもの…」その2
 (承前)さて、候補者は狭いところをクルマで通りながらガナる、待機する対向車には感謝の言葉を発するが、 脇を通ろうとする自転車の人には気がつかない。果ては、市内の全中学校に給食を実現したとハナ高々のようだが、 これなど、義務教育を履き違えている保護者の怠慢を助長させるだけで、なんら教育的ではないのではないか。
 別の候補は、初挑戦だそうだが、"主婦であること"を強調するあまり、イトーヨーカドーのまん前で、割引セールに感謝するなどと、 トンチンカンなことをいっている。
 そんな、わが地区の選挙公報を仔細に見ると、定員28に対し36名の立候補、まずは健全か。内訳を見ると、民主党公認6、 公明党公認5、共産党公認4、社民党公認3、自民党公認2、ネット1、無所属15となっていた。
 各党公認には、それぞれ推せん人などに、党首や実力者、有名党員などが名を連ねている。 なかでも、現職市長は民主党(女性)を"推せん"し、公明党(男性)、民主党(男・女性)、社民党(男性)を"応援"し、 社民党(女性)に"期待"と微妙な差をつけ名前を出しているのは、どのような基準からであろうか。
 結果を見ると、落ちたのは"期待"された女性だけだった。市長の基準は、シビアなのか当然なのか、ともあれ、 市政は安泰というところか。
 ちなみに、当選者は無所属8、民主党6、公明党5、共産党4、自民党2、社民党2、ネット1となっており、"組織"公認と政党隠しが強いというのは、 どこでも変わらないのでは……。
 しかし、トップは新人が9千票を超え(2位〜7位の約3倍強)、他の自治体と比べて異常な得票の秘密は某テレビ局の元キャスターとかで、 これでは"人気投票"である。全国区の顔ならば、何も市議選などに出ず、国会議員を目指すべきではないか。

「赤ちゃんポスト」
 生んだが、何らかの理由で育てられない赤ちゃんの命を救おう、という趣旨の「赤ちゃんポスト」はよいかどうかと問われれば、 "よくない"と答えるほうが多いだろう。
 また、"赤ちゃんポスト"の設置について、ますます"捨てる"ものが増えるという考えは正論に聞こえる。
 理由として、性の乱れととるか、親としての無責任とするか、経済的な問題ととらえるか、いろいろ議論はあるだろうが、 少子化は依然として"政治問題"であろうに。
 どうすれば"よい"のかの対案を示すことができるのは、医者でも政治家でもいないのはどうしてか。
 いまの世の中、出産の是非ではなく、それ以前の問題が既に存在する(当エッセイ2月下旬号「産む機械と産む機会」参照)。
 一方で離婚した女性が出産した場合、離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の子とする、という古めかしい"非現実的な"法律が存在するのとどちらが問題か。
 だが、長瀬法相は法律をタテにとり、「貞操義務なり、性道徳なりを考えねばならない。婚姻制度に直接かかわる問題」といったとか。 "貞操義務"って、いったい何なのだろう。単なる男優先社会を固持するというなら、まさに時代遅れではないか。
 誤解を恐れずに言えば、人間として未熟な子どもたちにパソコンはもちろんケータイを持たせない法律を作り、 違反した保護者を罰することだ。メーカー側にも子どもを保護する観点からの規制を設けるべきであり、 当然テレビなどでの広告を排除することであろう。
 今すぐにでもできる、これらが実施されれば、子どもの学力は向上するし、いじめも非行も減少すること請け合いである。

(以上、07年4月24日までの執筆)


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